獨協医科大学の研究不正問題

獨協医科大学内分泌代謝内科研究室における 論文捏造・二重投稿の疑惑追及ブログ

誠意と節度をもった医療

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

 

 

誠意と節度をもった医療

Retraction Watch / 2011.12.20 00:19 / 推薦数 : 2

「誠意と節度をもった医療を」

これは獨協医大内分泌代謝内科のモットーのようです。

R

 

ひさしぶりに獨協医大内分泌代謝内科です。

 

撤回された論文は

Diabetologia. 2010 Oct;53(10):2256-63. Epub 2010 Jul 1.

A glucagon-like peptide-1 (GLP-1) analogue, liraglutide, upregulates nitric oxide production and exerts anti-inflammatory action in endothelial cells.

Hattori Y, Jojima T, Tomizawa A, Satoh H, Hattori S, Kasai K, Hayashi T.

Source

Department of Endocrinology and Metabolism, Dokkyo University School of Medicine, Mibu, Tochigi 321-0293, Japan. yhattori@dokkyomed.ac.jp

 

 撤回のアナウンスです。

 

This article has been retracted by the Editor-in-Chief of Diabetologia following the discovery of redundant publication (part of Figure 2c was previously published in Cardiovascular Research)

 

この説明を補足する意味で 再度、問題の図を紹介します。

撤回のアナウンスに「左右反転」という説明があれば、

ここで図を紹介する必要はなかったのですが、、、 

 

Dr次元さまを含めた一般の読者が

雑誌社に対して警笛を鳴らした

ことが撤回の引き金となっています。

 

警笛を鳴らした方と

それに応じたDiabetologiaの編集部

に敬意を表します。

 


Dr次元さまよりコメント 獨協医大

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

 

Dr次元さまよりコメント 獨協医大

written by Retraction Watch / 2011.10.17 01:40 

 

久しぶりにDr次元さまより

コメントを頂ました。

 

Dr次元さまの警笛が功を奏し、

Diabetologiaに掲載された獨協医大の論文が撤回になる予定とのことです。

 

以下7月14日に Dr次元さまが

Diabetologia編集長のDr Naylor

に宛てたメールの一部

 

Dear Dr J Naylor 
 
Recently, I found that you retracted Dr. Hattori's paper "Diabetologia. 2005 Jun;48(6):1066-74.". 

In addition, I found another image manupulation by Dr. Hattori in another Diabetologia paper ( 2010;53:2256-63.). 

Please compare Figure 2C image in the above Diabetologia paper (2010) and Figure 1B in the Cardiovascular Research paper.
Reversed image of band image in Figure 2C in Diabetologia paper (2010) is very similar to the band image in Figure 1B in Cardiovasc Res. paper (2009). 
 
I hope you find the attached jpg file on the image manupulation informative

 

そしてすぐに返事がくる。 

 

Many thanks for your email of 7th July. We are in fact already looking into the two papers you mention, and I'll let you know the outcome of our investigation

 

 

すでに検証は始めているとのこと。Dr次元さま以外に先に警笛を鳴らした人がいたのでしょうか。

 

そして今回、撤回にもっていくという返事。

 

Dear Dr Jigen 

I just wanted to update you with regards to the article published by Hattori et al in 2010. The concerns you raised were confirmed by an independent adviser to the journal. We gave Dr Hattori several opportunities to respond to these concerns, but heard nothing. We will now proceed with retracting the Diabetologia article. 

Many thanks for bringing this matter to our attention. 

Kind regards 

Judy 

 

撤回になる予定の論文は

こちら

Diabetologia. 2010 Oct;53(10):2256-63.  A glucagon-like peptide-1 (GLP-1) analogue, liraglutide, upregulates nitric oxide production and exerts anti-inflammatory action in endothelial cells.

Hattori Y, Jojima T, Tomizawa A, et al,

 

 

なにが問題だったかというと

 

 

[画像: ]

 

 

この図は以前に論文撤回Watchで紹介しました。

 

Dr次元さまの多くのサイトがこのところ

全く更新されていないので

心配しておりました。

 

今回、コメントを頂いたことで少し安堵しましたが、

Dr次元さまには、今後も益々ご活躍して頂きたいと

思っております。

 

 

 

written by Retraction Watch / 2011.10.17 01:40


3本一気に!獨協医大

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

written by Retraction Watch / 2011.09.18 00:54

 

3本一気に!獨協医大

獨協医大代謝内分泌内科の研究グループからの論文3本

が一気に撤回されました。

 

雑誌Cardiovasc Res 最新号に撤回のアナウンスがなされました。

 

3本の撤回論文は、

Cardiovasc Res. 2009;81(1):133-9.

Cilostazol inhibits cytokine-induced nuclear factor-kappaB activation via AMP-activated protein kinaseactivation in vascular endothelial cells

Hattori Y, Suzuki K, Tomizawa A, Hirama N, Okayasu T, Hattori S, Satoh H, Akimoto K, Kasai K.

Source

Department of Endocrinology and Metabolism, Dokkyo University School of Medicine

Cardiovasc Res. 2004;63(1):31-40.

NO suppresses while peroxynitrite sustains NF-kappaB:

paradigm to rationalize cytoprotective andcytotoxic 

actions attributed to NO

Hattori Y, Kasai K, Gross SS.

Source

Department of Endocrinology and Metabolism, Dokkyo University School of Medicine

Cardiovasc Res. 2002;54(3):649-58.

Statin enhances cytokine-mediated induction of nitric oxide synthesis in vascular smooth muscle cells.

Hattori Y, Nakanishi N, Kasai K.

Source

Department of Endocrinology and Metabolism, Dokkyo University School of Medicine 

 

3本とも原論文は無料で読めます。

 

3本とも撤回は雑誌社によりなされました。すなわち、著者らの要求による撤回ではないと、解釈できます。

明らかにデタラメ、インチキな論文は、著者の同意がなかっても雑誌社は撤回できるのです。

 

また詳しい解説は、Dr次元さまのサイトで読めます。

2009年論文の解説はこちら

2004年論文の解説はこちら

2002年論文の解説はこちら

 

これで 獨協医大 代謝内分泌からの一連の撤回論文は

合計7本となりました。

 

written by Retraction Watch / 2011.09.18 00:54


獨協医大内分泌代謝内科 震災の影響を考慮した編集長

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

written by Retraction Watch / 2011.08.24 11:26

 

獨協医大内分泌代謝内科 震災の影響を考慮した編集長

獨協医大内分泌代謝内科の研究不正問題の続報です。

 

今回2本の論文が撤回されました。

 

 

[画像: ]

 

 

2本の論文は別々の実験なのに、なぜか

同じ顕微鏡写真を使って

論文発表しています。

 

両雑誌の編集長がお互い相談して、両方とも撤回することに決めたようです。

 

編集長は、著者らに説明を求めました。

当初、著者らから返答があったが、震災後に返答がこなくなったとのことです。

 

ひとつの論文は生き残れる可能性はあったのですが、

2本とも撤回になったのは、当然の成り行きだと

思います。

 

これで、

獨協医大内分泌代謝内科からの一連の論文撤回は

4本となりました。

 

1本目

以前に紹介しました。

これに対応する形で

別の論文も撤回されました。

両論文で同じ図を使っていたという、同じ手口です。

 

詳しくは

Dr 次元さまのサイトへ

 

おそらく4本の撤回は

Dr次元さまからの雑誌社への研究不正疑いの連絡が

きっかけになったと思われます。

written by Retraction Watch / 2011.08.24 11:26


獨協医大内分泌代謝内科 二つ目のペアー

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

 

獨協医大内分泌代謝内科 二つ目のペアー

Retraction Watch / 2011.08.27 00:18 / 推薦数 : 1

獨協医大内分泌代謝内科の撤回された4本の論文について

詳しく掘り下げます。

 

今回は二つ目のペアー

JCP 論文

BBA 論文

を比べます。

 

JCP 論文

の論文受理日は、2003年6月27日

掲載許可日は、2003年9月8日

 

BBA 論文

の論文受理日は、2004年2月3日

掲載許可日は、2004年4月21日

オンライン発表が 2004年5月31日

 

両論文撤回発表が、2011年7月6日

 

責任著者は両論文とも同一人物です。 

 

JCP 論文の著者はたった2名で獨協医大内分泌代謝内科

 

一方 BBA 論文の著者は5名で、JCP論文の責任著者でない方の1名は含まれていません。

 

さてこの両論文で問題となっているのは、1点のみ。

BBA論文の図5の一部が、JCP論文の図3の一部と同一であること(ありえないのに)。図を再掲します。

 

 

両雑誌の編集長が、責任著者に連絡をとり説明を求めましたが、結局十分な回答は、得られず、編集長の判断で両論文とも撤回となりました。

 

さて、

ここで獨協医大の問題から離れます。

 

Dr 次元さまのとりあげている

この 二つの図を見比べてください。

明らかに同じ顕微鏡写真を、条件の違う別々の実験結果として、発表しているわけであり、

今回とりあげた獨協医大の例と本質的には同じです。

従って、これらの論文2本とも撤回されても

不思議ではありません。

 

大将の座を獲得できたかもしれませんが、

舞台はスウェーデンのようだったので、

米国研究不正取り締まり局の管轄外

となり、助かりました。

 


獨協内分泌代謝の撤回4論文

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

獨協内分泌代謝の撤回4論文

Retraction Watch / 2011.08.26 09:26 / 推薦数 : 1

獨協医大内分泌代謝内科の撤回された4本の論文について

詳しく掘り下げます。

 

まず、最初のペアー

Diabetologia論文

Metabolism論文

を比べます。

 

Diabetologia論文

の論文受理日は、2004年11月9日

掲載許可日は、2005年2月8日

オンライン発表が 2005年4月30日

論文撤回発表が、2011年5月17日

 

Metabolism論文

の論文受理日は、2004年8月4日

掲載許可日は、2004年10月25日

オンライン発表が 2005年3月23日

論文撤回発表が、2011年6月15日

 

責任著者は両論文とも同一人物です。 

 

責任著者はMetabolism論文掲載許可の通知を受けた後

Diabetologia論文

を投稿した可能性が高いと考えられます。

 

Metabolism論文の著者は3名で

すべて獨協医大内分泌代謝内科

 

一方 Diabetologia論文の著者は

上記3人に加えて、

獨協医大分子生物学1名と

米国コーネル大学の1名、計5名。

 

Diabetologia論文の撤回は、編集長の判断によるもの、

(すなわち、著者らの要求によるものとの記載はないし、また著者らが撤回に同意したかどうかも記載はない)

一方

Metabolism論文の撤回は、責任著者の要求によるもの

となっています。

 

Metabolism論文の撤回理由は明白に記載されていません。

This article contains material that has appeared in Diabetologia, 48 (2005) 1066–1074.

 

と記載されていますが、

仮に、

Diabetologia論文にだけ、データ改ざん等の不正、

あるいは、図の再利用があり、かつ

Metabolism論文には、何ら問題なし、

となると、

Metabolism論文は先行論文でもあるため、

撤回する理由は、ないことになります。

 

責任著者が、撤回するに値する何らかの理由があることを

認めていると判断するのが

妥当かと考えます。 

 

8月も残すところわずか。

 

獨協医大の調査委員会は7,8月ごろには調査結果を公表する、とされていましたが、どうなっているのかしら。

 


続 獨協内分泌代謝内科Diabetologia

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

 

written by Retraction Watch / 2011.06.18 09:07

 

続 獨協内分泌代謝内科Diabetologia

獨協医大内分泌代謝内科Diabetologiaの続きです。

Dr次元さまよりのコメントによると

積極的に対処しようとしてくれたのは、Diabetologia誌だけでした

とのことですので、 Diabetologiaに掲載されている別の論文を眺めてみました。

 

[画像: ]

 

図2Cを左右に反転して縦横比をいじると、別の論文の図に似通っているように思いました。 

 

 

written by Retraction Watch / 2011.06.18 09:07


Dr 次元 【3】

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

Dr 次元 【3】

Retraction Watch / 2011.02.08 21:20 / 推薦数 : 3

雑誌Hypertensionからの Dr 次元さんの告発に対する返事には落胆しました。

We agree that the images appear to be similar, although not exactly the same. It is possible to have a "similar" image/data when one measures the same variable in different experiments. 

まあ主観のもんだいなのでしょうけれど、下に示した図を見れば、異なる実験をしてたまたま似通ったバンドができたとは、だれも考えないでしょう。

 

 

 

 


 



 

コメント

コメント一覧

非常にわかりやすく編集された画像ですね。
私のブログでも解説用に使用させてもらえないでしょうか。

こういった画像流用(捏造)の問題に対しては、
一般の人からすると、
「同じ研究者が自分のデータを使いまわしていることの何が悪いの?」
とか、
「たまたま同じような画像が得られたんじゃないの?」
とか、
思ってしまうみたいですね。

さらに、東北大学大学院歯学研究科の上原亜希子元助教の裁判では、
仙台地裁から、
「データに類似性が認められたからといって、流用があったと結論付けることは早計」
と指摘され、助教の地位保全と賃金の一部の仮払いを命じる決定が出されたそうです。
http://blog.goo.ne.jp/11jigen_dokkyo_medical_univ_/e/030ef06cc6359d281a886b57c75b5c59

もっと、不正行為の態様を一般の人にもわかりやすく解説する必要があるなと感じています。


written by 11jigen / 2011.02.11 17:12


Dr 次元 【4】

2011年01月24日 | 論文撤回Watch

Dr 次元 【4】

Retraction Watch / 2011.02.09 10:32 / 推薦数 : 5

このサイトでは、なぜこの論文が撤回されたのか、を追及することを目的として立ち上げましたが、最近は、なぜ、この論文が未だに撤回されないでいるのか、についてを追求することが多くなってきちゃいました。

 

Dr 次元さまのとりあげておられる獨協医大問題への補足です。簡単な例をまた取り上げます。

まずはこの論文の中の図だけ見て、頭のなかで、描写してみてください。

続いてこの論文の図を見ていただけますか。

 

 

よく似た図が何個かあるのがわかるはずです。下に示しておきます。

 

 

 

 

 

 以上はすべてDr次元が指摘されているものです。


Dr 次元 【2】

2011年01月24日 | 論文撤回Watch


Dr 次元 【2】

Retraction Watch / 2011.02.07 05:33 / 推薦数 : 3

 Dr 次元が取り上げておられる獨協医科大学代謝内分泌における論文不正問題です。はっきりいってあまりにも多くの不正がありすぎて、どれからとりあげてよいか迷ってしまいます。

まず、簡単なものから始めます。

雑誌Pteridinesに発表された論文(以下P論文)

雑誌Arteriosclerosis Thrombosis and Vascular Biologyに発表された論文(以下ATVB論文)を比べてみましょう。

両論文とも2007年の発表で、ATVB論文は2006年9月に投稿が受理されていますが、P論文の投稿受理日は明示されていません。両論文とも獨協大学代謝内分泌からのもので、P論文は11名の著者。ATVB論文は6名。両論文とも責任著者は同一人物です。おもしろいことに、P論文の筆頭著者は、ATVB論文の著者ではありません。なぜこのことがおもしろいのか?まずは、以下をご覧ください。

 

左側のパネルはATVB論文の図3で、右側のパネルがP論文の図3です。同じ図であることは一目瞭然です。

 

左側のパネルはATVB論文の補足図Iで、右側のパネルがP論文の図5です。これらも明らかに同じです。

 

これらのことはDr 次元がすでにご指摘されており、2重投稿が疑われます。

 

ATVB論文の筆頭著者は責任著者であると同時にP論文の責任著者であります。もし、P論文が先行論文だとすると、P論文の筆頭著者は、ATVB論文からはずされているということになるかもしれません。逆にATVB論文が先行論文だとすると、P論文の筆頭著者の単独犯行?も考えられます。P論文の筆頭著者のLast nameとFirst nameが入れ替えて表示されてあり、これが故意によるものだとするのは、考えすぎでしょうか?


Dr 次元 【1】

2011年01月24日 | 論文撤回Watch
written by Retraction Watch / 2011.02.05 09:57


Dr 次元 【1】

Dr 次元が取り上げておられる獨協医科大学代謝内分泌における論文不正問題の一部を紹介させていただきます。



[画像: ]

赤で囲んだ二つの図は同一であることが、明らかです。上の図は、この論文。下の図はこの論文で発表されています。下の図は雑誌Biochim Biophys Actaに掲載されていますが、この雑誌の編集長も二つが同一であることをみとめており、編集長は、Dr Hattoriに連絡をとって説明してもらうとしています。Dr Hattori から編集長に対して返事があれば、Dr次元に知らされるようですので、結果を待ってみましょう。

Dr 次元が取り上げておられる獨協医科大学代謝内分泌における論文不正問題は今後も続けてワォッチしていきます。

written by Retraction Watch / 2011.02.05 09:57