1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

デザイン・印刷会社を創業した筆者の事例

2021-08-10 10:15:14 | 独り言
 筆者の経験では10年以上前にデザイン・撮影・製版・印刷までを総合する企業を創業しましたが、その時代はフィルム製版全盛の時代で、デジタル機器よりも精度も高く有名月刊誌の編集者などもフィルム製版で印刷した本でなければ写真の出来などもだめだと言われていました。
 小生はたまたま自宅のパソコンの横にあるプリンターを見て、フルデジタル一貫生産(印刷)の仕組みができると考え、社内にいたデザイナーを説得、企画・撮影・デザイン、製版、印刷までの一貫生産システムの会社を社内創業提案し認めてもらいました。
 印刷機メーカーからは無謀だから印刷機を買うなとまで言われましたが、製版にはデジタル製版機でもあるCTP機を導入、残念ながら印刷機はまだ菊版サイズ対応のデジタル印刷機はなく、大日本スクリーンの白黒印刷機とゼロックスのカラーデジタル印刷機を小森の菊版印刷機と同時に導入、従来本社が取引のあった製版会社には1年前から翌年の4月から発注はなくなることを伝え、準備を重ねてきました。
製版会社の社長は素人に何ができるという感じで、まったくそうした忠告にも耳を貸さず、他社に受注を広げることもせず、そのまま経営を続けていたのです。
 素人の考えは時として怖いものがあり、まず失敗は印刷機の重量が2tあり印刷精度を保つためには地盤改良が必要でした。当時、大阪中を探しましたがそうした場所はなく、本社社長に相談、本社所有の場所の一角にわざわざそうした場所を作ってもらい、事業開始に至ったのです。
 迎えたほぼ計画から1年後の4月1日から事業はスタート、スタジオには関西のカメラマンの中からデジタルに強いと思われるカメラマンを10人選び契約を行い、スタジオに、フェーズワンという当時は小型車くらいの値段のするデジタルカメラを5台購入、パソコンはすべてマックで統一、素人なりに、カラーマネジメントにこだわり、撮影スタジオのモデル服と全く同じ色を印刷機からも再現できるシステムを構築しました。ジャパンカラーの規格では目視すると微妙に色が違うため、独自の社内規格で対応してもらい、デジタル製版には、ITでお世話になっていた中小企業の社長から優秀な人材を派遣してもらい、連携を図りました。
 試運転は上々で、電車の車内刷りや劇場ポスターなどの印刷も順調に受注、しかし身内は厳しいもので、経験のない我々の印刷会社などなかなか信用してもらえず、本社からの受注はデジタル印刷機を利用した社内名刺や、POPなどの印刷受注からのスタートでした。POPのパネルを切ったり、名刺印刷を手伝ったりのスタートでした。
 当時からプロ野球は全盛で優勝すれば日本一セールなどが開催され、新聞広告は前日に記事差し替えなど現場は大変な作業を強いられていました。
 新聞各社を訪問し、今までバイク便で原稿を送っていたものをデジタル伝送で原稿を各新聞社に直接送付することを提案、完成原稿を送付するために社内で完全原稿を試し刷りする必要があり、大判の印刷機を導入、各新聞社の了解を得るに至りました。
 その時の失敗は各社の新聞紙の広告の枠の大きさが微妙に違うことです。ある新聞社に合わせた原稿が別の新聞社の枠には合わず、急遽修正するなどクレームを受けたりもしました。
素人の操業とはそうしたものであるとは想像していましたが、そうしたクレームよりも苦労したのはフィルム製版の企業です。
 全く受注がなくなって初めて事の重大さに驚いた社長が泣きついてきたのです。素人と高をくくっていたのに、本当に受注がゼロ、売り上げで10億近くが無くなったわけで、急に他から受注しようにも何の方策も無いようでした。
仕方なくもないですが、結局その会社の社員を当社に受け入れ、社長は引退することになりました。
社員の受け入れ先があっただけでも感謝してもらわなければならないと思いますが、それすらできずに廃業ではなく、倒産する会社が最近は生まれています。
 自ら経験した変化への対応の重要さでした。
事業再構築を行う必要がある企業において、まず考えなければならない重要なことは補助金が出るまでの資金繰りです。
いくら金融機関の確約書を得たとしても、事業がうまく進まなかったり、長短期の借入金が多額にあったりすると、その確約書をよく見ると、事業の進行具合を支援するとはあっても、資金的な支援について書いていない場合もあります。
金融機関のコメント欄は任意になっており、全く記述の無い場合もありますが、そうした場合には余計審査員は財務内容などを注意してみます。
計画内容が優れていても、思わぬところで減点もしくは低評価されるわけです。
事業再構築補助金は緊急事態宣言枠の申請で10ページ、ふつうは15ページの申請になりますから、思いを審査項目で要求されている内容に対して抜け漏れの無いように記述する必要があります。
申請の手伝いをした際に、審査項目ごとに記述し、自社で記述があたかも各審査内容に該当しているような書き方をされた企業がありました。
よく読むと、記述のストーリーに矛盾があったり、求められている内容には重運応えていないところが散見されました。
審査員の気持ちになって、むしろしっかりと事業再構築のために何を考え、どのようにそれを進めようとしているのか、組織やスケジュール、導入する機械や設備など記述する必要があります。
文章だけではなく、分かりやすい表や図の方が理解してもらいやすい場合があります。
ここまで読んでいただいた方は、文字だけで読みづらく感じられたと思います。
写真などが貼り付けできないため、読みづらくなります。
添付と申請書の中で説明するのとどちらが審査員にとって印象が良いかお分かりになると思います。
締め切りは9月21日ですが混雑も予想され、その前の週17日までには申請できるようにしましょう。



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