プリウスと風景

私にとっての「銀河鉄道」プリウスで旅へ、そして自由な思考表明をと考えています

今昔物語と芥川龍之介そして秋成の雨月物語

2019年11月14日 |  エッセイ
野口武彦氏の著「今昔物語 いま昔」をたまたま手にした(文芸春秋)。

読む気などなかったが導入からしてとても読みやすく手放すことはできなくなった。

そしてもともと文学趣味の希薄な当方、初めて知ることばかり。

「近代読者に初めて今昔物語の面白さを知らせたのは芥川龍之介だった。近代日本は彼経由で今昔物語を知った。

その功績をきちんと評価するためには、芥川以前にこの古典がどんな環境にあったかを理解しておく必要がある。」

という。

そして源氏物語と対比する。

源氏は平安末期から注釈書が作られていたが今昔は全く顧みられず、研究が始まったのは江戸時代中期と500年以上差をつけられていた

という。

本文の刊行も遅れ、一般読者が活字で読めるようになったのは1913年以降という。

芥川はさすが目が早く、魅力を感じ早速自作の素材に取り入れて「羅生門」その他で世に紹介したとのこと。



バッハを広く世に知らしめたメンデルスゾーンのような働きをしたことになるのでしょうか。


上田秋成(1734年生まれ)もすごいと思う。

今昔物語の一節を眼にしていたと思われ、芥川同様にそれを素材にして「雨月物語・浅茅ヶ宿」を作品にしたと考えられている。

秋成の作品をさらに翻案して京マチ子主演の映画になっている。

京マチ子さんも今年九十何歳かで逝去された。
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