「危ない建物を見抜く方法」 著者は 耐震コンサルタント・染谷秀人である。
全く知らない人だが、「マンション、ビル、テーマパークなどの設計施工に携わる」
などと 記されている。1960年生まれ、今47歳か。会社の経営者でもあるらしい。
さて、本文。出だしは 一人で阪神・淡路大震災の被災地調査。
列車から見た様子を 尼崎と神戸をゴッチャ混ぜにして 記述しているが、
「この一帯は・・・昔から台風の通過点と なることも多く、・・・。
家屋の屋根には厚く土が盛られ・・・」 あれ、そうだったかなあ と
尼崎の工業地帯と 紀伊半島とか四国太平洋側の家並みを 思い浮かべた。
尼崎も山側は昔の風情が 残っててのかねぇ。新興住宅地のハズだが。
電車から 見える範囲に そんな古い家並みが続くところ あったかなぁ?
台風の通過、瀬戸内では そんなには ないだろう。当方 高知出身。
どうも 最初から 納得のいかない文章に接してしまったせいか、モヤモヤした
気分で さらに読んでいった。
それでもって いくつかの むかつき点をまとめてみた。
1.鉄骨階段は 建物が完成したあとに工場から運ばれて取り付けられるのが
一般的な工法である。固定方法もきわめて簡単で、・・・ ⇒⇒ 施工方法は
現場の状況(構造種別、階段の位置、階数、納まり等)によって様々、固定方法は
計算・設計規準があるから それに基づいている。
2.築20年以上の建物は みんな施工精度が 悪い(p63前後)から始まって
ゼネコンは 全ての物件で手抜き工事をやっているような、ずうっと現場にいて
朝から晩まで 見ていたような 偏見に満ち溢れた表現がいっぱい、
それでいて 自分は多くの建築物の設計施工に 携わったらしい。
それが本当なら ろくな確認・検査もしてないんだろう、
45歳くらい(この本を著者が再編集したと思われる年齢)で 一体 具体的に
何件の工事に 関われるんだ、学者面した者に 多いのだが
5分か10分現場を見ただけとか、ちょっと設計のアドバイスをしただけの
物件も 全部携わった ことになってるんだろう。
確かに、問題の物件、ゼネコンはあるが、関わっているのは いろんな
業種の、いろんな立場の人の、その ほんの一部。
3.その一方で 小川組(よく知らないが)という 建設会社をやたら持ち上げている。
HPを見たが たいした物 作ってない。
4.構造の方が得意分野らしいが
エレベーター機械室とエレベーターシャフトをゴッチャにしている(p121)
ように、意匠とかの知識は イマイチ。階高の設定もサッシ寸法優先なんて
そんなバカな。偏見そのもの。
5.123ページから安全なマンションの立地条件が列記されているが
これに 当てはまる物件って、一体何棟あるんだろう、調査して下さい。
6.他にも いっぱいあるが、もういいでしょう。
素人に 分かりやすく、面白く という意図で執筆してるんだと思うが、
とにかく、全体に 偏見と主観に埋め尽くされた 研究不足の 内容だと思う。
この本に限らず、このたぐいの著書には 誤解を与えやすい表現が
実に多いと感じる。
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