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きまぐれ雑記

日常の出来事と私の好きなものを思いつくままにゆっくり記していきます

シスカンパニー・かもめ

2013-10-07 20:45:31 | 観劇・ストレートプレイ
シアターブラバでシスカンパニーの「かもめ」を観て来ました。



チェーホフの作品は重くて暗い印象が強くあまり好きではないというのが正直な所で、今回の「かもめ」も積極的に観たい!という感じではなかったのですが、キャストが魅力的だったのでチケットを購入しました。

個人的に大竹さんと蒼井さんは似たタイプで演技派だと思っていて、そのお二人が共演するのが観られるなんて思ってなかったし、萬斎さんと生田くんはもと「あぐり」で親子役で共演してたのに今回は恋敵ってなんだか興味深いし、こんな日が来るなんて思ってなかったので嬉しかったりもしました。(この舞台でのお二人の共演が発表されてから、朝ドラっていつだったんだろうと調べたら1997年だった。きっと知らない人もいるんだろうなあ


そして公演前にNHKで放送された「ミュージックポートレート」という番組で演出のケラさんと野村萬斎さんが出演されていてこの「かもめ」の事を喜劇と紹介されてたので「かもめ」って喜劇?、これまで一度もそんな印象を受けた事がないのに、どんな舞台になるんだろうとキャスト以外の楽しみも生まれた状態でした。


気になりだすと色々調べてしまうのですが、今回の舞台も先に東京で公演されていたので舞台の様子などの情報もちょこちょこ拾ってしまい、笑いが起きてるとか萬斎さんがしのぶさんに投げ飛ばされるとか、私の想像を超えたコメントが色々流れていて何?何?良くわからない!早く観たいと頭の中がグルグルしてました。


そんな感じで迎えた観劇日。雨の予報でしたが雨は全く降らなかった。
本当に傘が邪魔だった。


グチはさておき、今回の席位置は2列目センターブロックの下手端。
舞台が近すぎて見上げる形になり、舞台の奥の方が見えないのが難点。


でも、本当にすぐそこで繰り広げられているのでかなりの臨場感。

萬斎さんが投げ飛ばされる所なんて(投げ飛ばされているように見えるように萬斎さんが飛んでるんですけど)、舞台からこちらに落ちてくるのではと感じたほどでした。

今回の出演者は物語の中核を担う4人以外の方々も皆さん素敵な役者さんばかりで(浅野和之さんとか梅沢昌代さんとか様々な作品で拝見していて流石と思う方ばかり)、これでは外れはないだろうなという感じでしたが、本当にそれぞれが役所を心得てる感じで、悪人はいないけど、少しずつ自分勝手な登場人物達が自己主張をしてすれ違っていく感じが可笑しくも悲しくもあって最後まで飽きないで見続けられました。


ケラさんの演出の舞台を生で観るのは多分初めて。
でも、なんとなくケラさんっぽいなと思える部分があったりした(場面転換とか人の動かし方とか)。

その演出については好みが分かれると聞きますが、今回はそれほど違和感を持つ部分はなくて、「かもめ」に笑いはいらないという感想もあったようですが、私的にはこれまで観た「かもめ」よりわかりやすくて良かった気がしています。

なので、今後のこのシリーズの展開に期待しています。
観れるかどうかはわからないのですが・・・。

さて、長くなりましたので主演の4人の話は次回。

春琴

2013-07-29 20:45:38 | 観劇・ストレートプレイ
久しぶりの観劇日記です。

世田谷パブリックシアターでの初演の時から気になっていた「春琴」を兵庫県芸術文化センターで観ました。



作品は世田谷パブリックシアターとコンプリシテの共同制作で、海外上演もされていますが、国内での地方公演はこの兵庫が初めてで、唯一になります。

私は近代文学があまり好きではないので谷崎作品も授業で取り上げられる程度しか読んだ事はありません。

今回の「春琴」の原作なっている「春琴抄」も例外ではありません。

ただ、舞台や映像などに取り上げられる事も多いので多少のイメージはあったのですが、今回の舞台を観て、春琴抄というのはこういう物語だったのかとちょっと衝撃を受けました。

かなりいびつな愛(愛といえるかどうかわからない)ですし、かなりサディスティックで苦手な内容。

でもこの舞台で描かれているのが谷崎の春琴抄なのだろうなと感じました。

この独特な世界が外国の演出家の方によって、三味線や文楽などを使って表現されているのが興味深い。
また、照明が美しくて心に残った。ちょっと影絵を見てるよう・・・。



舞台は立石さん演じる役者さん?のラジオドラマとして語られていくのですが、この朗読が秀逸。本当に素晴らしい。

春琴も佐助も複数の人が入れ替わりながら演じられる形式で、春琴の子供のころは人形が使われます。
この人形が生きているように見えるのが凄かったですし、人形ゆえに不思議な気高さと狂気が垣間見えるそんな印象でした。

最終的に深津さんが春琴を演じるのですが、私の中の深津さんのイメージは自然なソフトな方なので、気位高い春琴とは離れたところにいるように思われたのですが、ラスト近くにやけどの傷跡を佐助に見られたくないというセリフには、春琴を支えているいびつだけど不思議な佐助への思いが溢れていて、言葉に打たれた印象を受けました。
やっぱり深津さんって凄い女優さんでした。



野村萬斎さんが世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任される時に、世田谷から世界へ発信できる作品をと言われていたのを記憶していますが、この作品は正にそんな作品だといえると思います。

ホロヴィッツとの対話

2013-03-25 21:00:48 | 観劇・ストレートプレイ
大阪のシアターブラバへ「ホロヴィッツとの対話」というお芝居を観に行ってきました。



ブラバに行くのは本当に久しぶりです。

今回のお目当ては和久井映見さん。

普段TVはほとんど見ないので、映像の方ばかりをされてる女優さんで気になる方ってあまりいないのですが、彼女のもっている柔らかさと透明感が好きなんです。

その彼女が舞台に挑戦されるとの事だったので、私的には必見の作品だったのでした。



さて、物語は神に選ばれた天才ピアニストのホロヴィッツ夫妻と彼の調律師・フランツ夫妻の一夜の会話劇。

ホロヴィッツ夫妻は段田安則さんと高泉淳子さん。

このお2人は反則って思うくらいにすごいペースで周りを巻き込んでゆきます。

特に高泉淳子さんは圧巻。だって段田さんのホロヴィッツも手玉に取るんですもの。

そんな高泉淳子さんが演じるワンダは実は心に傷を抱えてるのですが、この辺りのふり幅の大きさも流石でしたね。


対するフランツ夫妻は渡辺謙さんと和久井映見さん。

渡辺謙さんは12年ぶりの舞台だとの事で、舞台で拝見するのは初めて。
私の中の渡辺謙さんのイメージは先頭に立って人を引っ張ってる感じなので(考えたらドラマとか映画を見てるわけじゃないだけど)、人に振り回されてるのを観るのって何だか新鮮。

その演技はナチュラルでさらりと受けているようですが、あの段田さんの偏屈老人に見事に対峙してるのだからやはり凄い。

私のお目当てだった和久井さんは、彼女の持っている雰囲気を生かしつつも、時々切れるのが可笑しくて、楽しかったです。



帰りにふと思い出したのですが、私が見た前回の三谷作品の「ベッジ」もいつもは人を振り回す方の野村萬斎さんが受け身に回ってたなと・・・。

これってJRの車内で某飲料メーカーのお茶のポスターを見たせいですかね(笑)。


別の話を一つおまけで。

この日はIC乗車券の相互利用が拡大された日だったので、帰りに大阪駅で営業中のイコちゃんに遭遇。
実は朝、京都駅でも見かけたので、1日に2度も会った事になります。

なのでちょっと写真を。

  

でも、私、スイカがあるのでイコカは必要ないんですよね・・・。

マクベス

2013-03-11 20:27:49 | 観劇・ストレートプレイ
野村萬斎さん演出・主演の「マクベス」を大阪のサンケイホールプリーゼで観てきました。

実はサンケイホールプリーゼは初めて。なかなか観やすくて良かったです。



さて、シェイクスピアのマクベスといえば、結構長いお芝居の印象が強いのですが、上演時間は1時間35分で出演者は5人だけというこの作品、2010年が初演ですが演出を変えて上演されました。

演出面の変化としては日本風というか和風の要素が強い演出になっていたように思います。

今回の上演は日本公演の後に海外でも上演されるという事もあっての事なのかもしれないですが、これまで萬斎さんが演出を手がけられた作品で使用されていた布(フラッグ?)が効果的に使用されていたのが印象的。

物語全体としては明日をより良いものにしようとする人間の欲望から生まれる負を描いているのか「俺は明日をあきらめない」というマクベスのセリフが心に残っています。
マクベスは決して悪党ではなく普通の人なんだという思いがしました。


マクベスを演じられた野村萬斎さんは動きがシャープで殺陣も美しい。

セリフの通りも滑舌も良く、多少クセのあるセリフ回しが気になる部分もありましたが、苦悩する独白は流石でした。

マクベス夫人の秋山奈津子さん。

萬斎さんとの共演が多いせいもあるのでしょうか息もぴったりですし、強さと弱さを巧みに表現され、白い袴を使用した衣装がとてもお似合いでした。

そして魔女の他たくさんの役を演じられた小林桂太さん、高田恵篤さん、福士惠二さんの御三方はその演じ分けが素晴らしくて、作品のコンパクト化はこの御三方の力がなければできなかったのではと思えました。

全体的にはかなり面白い作品だった印象なのですが、一つだけ抵抗感があったのは人間の死体をゴミと表現する部分があった事・・・。
確かにゴミと表現する事で説得力はあるのですが、個人的にはちょっと受け入れにくかったです。

この後、韓国やアメリカでの公演が予定されていますが、どんな成果が生まれるのか楽しみです。

そういえば、萬斎さん、骨折の方はもう大丈夫みたいですね。良かったです。


家に帰ったら、名古屋での狂言会のチケット確保通知が届いてました。
久しぶりに狂言会です。楽しみ・・・。

なにわバタフライN .V

2012-08-05 19:36:03 | 観劇・ストレートプレイ
名古屋で戸田恵子さんの一人芝居「なにわバタフライ」を観てきました。



初演の時から気になっていた作品ではあったのですが、なかなか上手く都合が合わなくて、今回が初めての観劇でした。

でも、実は今回も色々迷った所があったのですが、最終的にはチケット購入して良かったです。

さて、舞台は戸田さんがミヤコ蝶々さんの人生を演じる物語なのですが、やはり戸田恵子さんは上手い・・・。

色んな事をさりげなくサラリとやってしまう。
その自然さが素晴らしい。

作品の中で漫才がお客さんに受けないのは何故かという問いに「頑張りが見えてしまうとお客さんは笑わない」というセリフがありましたが、これは漫才だけでなく、演劇も同様だと私はいつも思っていてとても共感したのですが、その頑張りが見えない演技が戸田さんのお芝居なのではとそんな事を感じました。

個人的には戸田恵子さんの歌声が大好きなので、もう少し歌が聞けたらもっと嬉しかったのですが、お芝居はとても楽しく拝見しました。

又、ミュージカルにも出ていただけたらなあ。

三谷さん、音楽劇書いてください。