そんなこんなで、私ができた。

わたしの製造過程。さて、構成要素は?

「痴人の愛」谷崎潤一郎

2006-07-07 01:48:03 | 
一回りも年下の娘に、愚かしいほどに惚れた男の話?
というより、その男がいかに娘を愛したかという惚気話に見えたなあ。私は。
うーん、男の一人称で、娘のことをひたすらに記した倒錯的なお話。

面白かった。
河合譲治に15歳(?)で拾われてお姫様同然に育てられたナオミは、やがて他の男とも平気で遊ぶいわば悪女のような感じなのだけど、いやらしさは感じなかった。
自分に欲にあまりに素直かつ我侭で、けれど強かでもあり、いつも男達を見下しているようなナオミの女王様っぷりが、とても愛らしい。
同性で年齢も近いのだけど微笑ましく思えてしまった。

そして愚かにもほどがあるくらいの従順でマゾ的な河合譲治も、なんだか可愛らしいような。
だからといって粘着質すぎて恋人にしたいタイプでは決してないけど、うん(笑)


谷崎作品、一冊目でした。
三島由紀夫と同系列だと思って敬遠していたのだけど、読めると面白い。

でも、こういう話しを現代作家が書いていたら、全く見向きもしないんだろうなー…。

最新の画像もっと見る

post a comment