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愛とは何か?

2017年07月21日 | 人生

「愛」という言葉は、さまざまに語り継がれてきました。しかし、愛の実像を、事細かに、誰にでも分かるように説き明かしてみせた人は、そう多くはありません。

 

「愛とは何か?」というテーマは、有史以来、人類に与えられつづけてきたテーマではないでしょうか。人類にとって、これは大きな大きな学習課題だったと思うのです。

 

たとえば、現代であれば、学校に行って、さまざまな課題を学習しますが、長い長い人類の歴史のなかでは、学校も教科書もない時代がそうとう長く続いていたはずです。

 

しかし、そういう時代にも、愛の学習だけは、うまずたゆまず行われていたに違いないのです。家庭のなかで、あるいは、友人たちとのあいだで、さらには、人間が生きていく以上、何らかの職業に就くわけですから、そういう場において、「知る、知らない」を問わず、必ず愛について学習させられていたはずです。

 

人間の心のなかには、「長く愛についての学習をしてきた」という記憶が、その痕跡が、かすかに残っているように思えます。

 

さて、愛という言葉は、現代人にとって、いかなる響きを持っているでしょうか。それは、移ろいゆくものの悲しさにも似て、手のなかに入れようとしても、すぐに失われていくシャボン玉の如く、はかなくも美しいもののように感じられることでしょう。

 

「愛という言葉で象徴されることは何か」と問われれば、おそらく、百人中九十九人までが、「他の人からよく思われること。他の人から優しくされること。それが愛である」と答えるのではないでしょうか。

 

このような時代に、私はまったく違ったことを説いています。私の唱えている愛は、他の人に差し出す愛、「与える愛」です。「自分の私利私欲にとらわれることなく、いかにして、誠意を尽くし、心の底から優しく、深く、他の人に接するか」ということを、私は説いているのです。

 

多くの人は言うでしょう。「ああ、そういう愛も知っている。読んだことがある。聞いたことがある」と――。

 

彼らが思い出すのは、たいてい、キリスト教の古い説話か、近現代にあって宗教的精神のなかに生きた人の具体例でしょう。

 

しかし、「そういう話は、しょせん、自分とはかかわりを持たない」と考える人が多いのではないでしょうか。

 

そのことをどう評価するかは難しいことですが、私は、他の人に捧げる愛、与える愛、与えつづける愛、無私の愛、無償の愛を「かつてあった特殊な愛の具体例」とだけ捉えたくはありません。

 

それは、数千年、数万年、いやそれ以上の長い長い歴史のなかにおいて、人間の心に繰り返し押し寄せてきた、一つの切実なテーマだと思うのです。

 

---owari---

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