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ターミナルケア1

2009-11-30 13:15:00 | 闘病記
先日、りょりょが入院中にお世話になった病院ボランティアさんのお宅にお邪魔しました。
この方には、りょりょが1歳の初発の時からお世話になっていて、りょりょが元気なころにも何度かお邪魔をしていました。
小児がんの発病直後や子どもを亡くした後の母親は、気持ちを吐露する場がなく孤立しがちです。
そんな人たちに、入院中の家族や同じように子どもを亡くした人達を紹介し、繋がりを作って下さいます。
苦しい胸の内を理解しあえるのは、やはり同じ経験をした人たちですね。
この日も多くの子どもを亡くした家族が招待され、総勢14名になりました。
闘病の長かったりょりょですが、再々発後は短期入院の繰り返しで、新しく入院された方々とはなかなかお付き合いする機会がなく、同じ時期に入院していた人達ばかりだったにもかかわらず、存じ上げない方が多くいらっしゃいました。
お子さん連れの方やご主人もご一緒の方もいらして、にぎやかに昼食をとり歓談しました。
加山雄三張りの弾き語りの披露もあり、楽しい会でした。

会の終盤になり、ホストのボランティアさんからある依頼を受けました。

りょりょが入院していた病院は、がんを治療する基幹病院です。
不幸にも積極的治療の効果が得られなくなった場合は、ターミナルケアの場(ホスピス等)に移らなくてはなりません。
大人の場合は充実しているとまでは言えないかもしれませんが、受け皿は存在しています。
しかし、小児のターミナルケアを行える場はほとんどありません。
そのため、小児科ではそのままターミナルのお子さんも同じ病棟で引き受けてきました。
しかし、最近は積極的に自宅介護を勧められるようになってきています。
最期の時間を家族とともに過ごすことが、患児にとっても家族にとっても望ましいということの他に、小児がんの治療法を確立していく使命を持つ病院としては、できるだけ多くの患児を受け入れ、データーを積み上げていく必要があり、ターミナルケアは別のところで行ってもらいたいという本音も見え隠れします。
確かに小児がんの治療を発展させていくことはとても大切なことであり、そのための基幹病院なのですから…。

さて、終末期の自宅介護をするためには、訪問診療をしてくれる医師が必要です。
それをどうやって見つければいいのでしょう。
現在在宅医療を行っている医療機関は老人を診ることを前提としています。
小児科医のいる在宅医療機関を見つけることはまず無理です。
また、日に日に容態が悪化する我が子を、平日は母親一人で見ていかなくてはなりません。
その精神的・肉体的負担は相当なものになります。
しかし、実際に自宅で子どもの最期を看取った人たちはいます。
私もその一人です。
その私に小児がんの終末期在宅ケアに関する親たちの意見をまとめてほしいというのです。
ちょっと私には荷が重すぎて、難しい依頼だったので難色を示したのですが、ボランティアさんのパワーに押し切られ、気の弱い?私は結局引き受けることになってしまいました。

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