ろろ&りょりょのお遊びページブログ

gooブログに引っ越しました。

患者の声

2006-07-23 03:49:40 | 闘病記
昨年11月から続けられている治療も順調に進み、ここにきてようやく腫瘍の萎縮も確認できるようになりました。
今後は治療と治療の間隔を少しずつ空けて様子を見ていく方向で、現在は治療開始から次の治療開始まで約5週間ほどの間隔を空けています。
1回の治療で約1週間ほど点滴につながれていますが、その後は血液の状態がよければ自由の身になります。
体調がよい間は一時退院をして自宅で過ごすことができるため、6月から学籍をいるか分教室(院内学級)から元の中学に戻すことにしました。
このような状況では普通なら自宅療養をするものですが、りょりょは治療を行っているとは思えないほど元気で体調もよいので、医師の許可をもらい自宅にいる間は学校に通いました。
学校の先生方も受け入れに心を砕いてくださり、病院で担当医と話し合いをして体制を整えてくださいました。
夏休みに入るまでに実際に学校に通えたのは数週間でしたが、楽しく学校に通うことができ、遅れてしまった勉強を取り戻すのは大変ですが、楽しく過ごすことができる時間は何物にも代えがたいものです。

りょりょは先週から一時退院をして自宅に戻ってきていますが、治療後しばらくすると骨髄抑制のために白血球などが下がってくるので、今週の木曜日に外来で血液検査をおこないました。
白血球(正常値3900~6300)は1000を切っていましたが、時期的に回復期にあると思われるので問題なしと診断され帰宅することができました。
木曜日の外来は一昨年入院していた人やりょりょと同じく一時退院している人が多く、まるで同窓会のようでした。
本当にみんな仲がよく、近況を話しながら和やかに待合室で過ごしました。
ちょうどその日は母の会(コスモス会)が行っている月例『ランチの会』の日だったので参加してきました。
入院中や退院後の親やボランティアの人たちと親睦を深め、悩みや不安などを話し合います。
病院の性質上いろいろな地方の方が集まっていますが、知り合いもなく孤立しがちな付き添いの親たちの親睦の場として設けられた会には毎回多くの母親が集まってきます。
そうした中で毎回行政の支援の拡充を訴える意見が出されます。

地方からいらっしゃる方にとっても、地元に住んでいる人にとっても交通費などの負担は重くのしかかってきます。
ある都内在住の入院していた方のお話です。
医師から放射線治療の間自宅からの通院を指示されました。
まだ、白血球の値も低く公共交通機関を使うことができないので、できれば車で来るように言われたものの、お母さんは免許を持たないため、毎日の通院をタクシーで行わなくてはなりませんでした。
いくら都内に住んでいるといっても毎日タクシーの往復は半端な金額ではなかったようです。
もちろんそれはすべて自費です。
身体障害者手帳や療育手帳をもっている方などに対してよく交通費の割引制度や援助が行われているようですが、小児がんのような小児慢性特定疾患の認定を受けているケースも適応してもらいたいですね。

また、以前にも書きましたが、小児慢性特定疾患の制度の改定も、実態をまったく考慮せずに行われたとしか思えません。
この改定を行うときに、多くの小児がんの専門医の意見を聞いたのでしょうか?
今までは、遅れて申請しても病気の診断が下された日まで認定日をさかのぼれていました。
ほとんどの患者さんがこの制度を知るのは、病気を診断されてしばらくしてからだからです。
今度の改定では申請書受理日からの適応で、診断直後に申請しないと初めのころに行われる検査・入院・手術など最もお金がかかる時期に適応されません。
※2006年9月8日訂正(給付開始日の内容を修正しました。)

また、自己負担なしになる重症認定に関してもまったく理解できるものではありません。
再発または転移があり濃厚な治療を行っている場合のみの適応となっていますが、年に1度の更新時に治療を行っているかいないかで1年間の認定が変わってきます。
更新時の1日前に治療が終わって経過観察となっていれば認定は却下され、認定時の翌日まで治療を行いその後経過観察であれば認定されることになります。
この違いはどう理解すればいいのでしょう。
さらに再発や転移の場合と他の場合と何が違うのでしょう。
再発や転移でなくても、治療の効果が上がらず悪化していく場合はあります。
そうした方は重症ではないのでしょうか?
治療中に転移が疑われる所見を見つけても、治療を中断して生検手術までせずにそのまま治療を続けることはままあることです。
ここで医師が転移を断定しなければ認定が降りないことなります。
長く入院していると、いろいろなケースを目にし、耳にします。
誰一人まったく同じ人はいません。
まだまだ完全に治療法が確立した病気ではなく、試行錯誤しながら治療を進めているのです。
そうしたものをひとつの枠にはめて判断しようとすることに無理があるのです。

わたしたち患者側の声をいったい何処に伝えていけばよいのでしょう。
今母の会でもいろいろと話し合いが行われ、試行錯誤しているところです。