5月28日(日)
今夜は黒子(くろご・くろこ)稽古
小学生高学年、中学生がお互い地稽古中に、
まるで「背後霊」?「キョンシー」?のように、
先生が片方の選手の後ろにピッタリ寄り添い稽古します。
打ち出すチャンスは袴の背板を押し、
引くタイミングは胴台の端を引っ張ります。
「間合いの出入り」
「剣先のやりとり」
「打突のチャンス」
を強制的に背中から先生が操作します。
最初に選手の後ろに寄り添う時は相手の選手に礼の意味で、
背後霊、キョンシーポーズを示します。
相手は必ず笑顔になります。
(どうやらこのご無礼をお許しいただいたようだ)とキョンシーは判断します。
幽霊なりの礼の作法です。(笑)
うちではこの稽古を「キョンシー稽古」と言ってます。
狭い剣道場、少人数の拙道場ではこの稽古、なかなか評判が良いです。
バンダイさんのガチャポンです。
30年くらい前これ流行りました。
大人の私たちは、
自分の尊敬する先生、あこがれる人物ならこんな時、
どう判断するだろう?
どう行動するだろうか?
どう感じるだろうか?
と想像して行動します。
少年期の剣道の「ロールモデル」は自分が関係している先生です。
その先生が背中から強制的に自分を操作します。
操られる本人はその時間、非常に窮屈ですが、
キョンシーから解放されたその後、判断や動きが変わります。
相手が「打ってくると予想して、なんだ打ってこないのか」と、気持ちが居つく瞬間や、
掛かる気持ちと守る気持ちの「機の変わり」をとらえるきっかけを体感します。
出ばなだけを打つ習慣、概念からの脱皮です。
黒子(くろご・くろこ) 意味
歌舞伎で俳優の演技や部隊信仰の介添えをする人が着る黒い衣装。またその人。
人形浄瑠璃では人形遣いが着る黒い衣装。
表に出ないで物事を処理する人。陰で支える人。