これは引っ張りましたねぇ。何回もやりました。子供の頃、「野球なんかで突き指をした時には指を引っ張ったら治る」というのは定説でした。でも大ウソだったんですねぇ。おそらく未だにこのように思っていらっしゃる方はいると思います。
「突き指」というのは病名ではありません。ケガの発生機転のことです。「むち打ち」などと一緒ですね。ですから「突き指損傷」とか「むち打ち損傷」と呼ぶ方が正確です。突き指とは指の軸方向からの外力による損傷で、野球やバスケットボールなどの球技で多く発生します。多くは指の近位指節間関節(指のふたつの関節のうちの手前の関節)に発生します。ほとんどが近位指節間関節を包む側副靭帯の損傷なのですが、まれに剥離骨折を伴うこともあります。同じ突き指でも遠位指節間関節(指のふたつの関節のうちの遠いほうの関節)に発生した場合の多くはマレット・フィンガーといって骨折や腱の損傷を起こしていますので手術が必要な場合がありますから要注意です。
ここでは一般的な突き指である近位指節間関節の靭帯損傷について述べます。野球などでゴロを捕ろうとしたときに誤って指に軸方向からボールが当たったときなどに発生します。この時に指の関節を両側にある側副靭帯が瞬間的に伸ばされて起きるのがほとんどの場合の突き指です。この場合の症状はまず指を曲げようとすると痛みますから、手を握ることができなくなります。そしてしばらくすると指の関節の手のひら側のしわの部分が内出血で紫色になってきます。靭帯が伸びてしまっている状態ですから指を引っ張ってしまうとさらにその靭帯は伸びてしまいます。ですから指を引っ張ってはいけないのです。伸びてしまった靭帯は自分の力ではなかなか縮まってくれませんから、靭帯が縮まるような角度でしばらく固定する必要があります。
それでは何故指を引っ張るのが定説になってしまったのかを考えてみました。おそらく指の関節の脱臼や、指の骨の骨幹部の骨折の場合には指を牽引して(引っ張って)整復しますから、この行為を見ていた人が指を怪我した場合には引っ張ればいいんだと思い込み、それが口コミで広まったのではないかと考えます。そして指を引っ張るとポキッと音がしたりしますからそれでさらに治るような感じがしたのではないでしょうか。突き指は指の関節の靭帯損傷=捻挫ですから、まずは安静=関節の固定が必要です。むやみに引っ張ってはいけません。
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突き指をしょっちゅうやってました。
もちろん、引っ張って治したつもりになってましたよ。
ポキッなんていい音するし、痛いんだけどマシになったように思うから不思議。
突き指って癖になるんですかね?
左右の親指は何度もしたせいか、今も床に手をついた時、どうにかすると突き指したような状態になってすごく痛いです。
普段から親指曲げるとポキポキ鳴るし、カクカクするし。
突き指というのは軽く考えられがちなのですが、細かい動きが要求される指だからこそ本当はしっかりと治療しなくてはいけないのです。
ちょびママさんの指は靭帯が緩んでいる可能性が高いですね。そういうことで起こる痛みというのは治療が難しいのです。
瞬間的に脱臼して元に戻っている場合もあり、その場合は損傷が激しいと聞いています。手指の関節の場合,特に小指などの第二関節(遠位)は簡単に脱臼しますネ。ボールを取り損なってまっすぐ当たってしまい、見ると後ろに直角に曲がっていたことが1度と、明らかに先端部がずれて鍵の手状態(あるいは2列とでも言うか・・?)になったことがあります。
私は徒手体操をやっていましたが、ハンドスプリングと言う、腕全体の瞬発力で全体重を空間に放り出す転回運動の際に手首と撓骨(尺骨かも)の間に強い衝撃がかかり、そのためにここに出来る棘骨に悩まされてきました。スポーツは体に悪いですネ。今もぐりぐりがあり、痛みます。これってどうにかなりませんか?
子供の頃は教科書なんて読まなかったのですね。全然知りませんでした。先生も教えてくれなかったし。大人も引っ張れって言ってましたから。
瞬間的に脱臼した場合にはひどいでしょうね。小指はとくに脱臼しやすいですね。
骨棘ができてしまうと残念ながら取れません。手術で取ることは可能でしょうが、そこまでするほどのものでもありませんしね。残念ながら上手にお付き合いすることです。
お役に立てたのならば幸いです。突き指も捻挫の一種ですが、捻挫の治療で最も必要なことは良肢位と呼ばれる関節が最もリラックスする角度で固定することが必要です。これを怠ると時には後遺障害を残すことがあるので要注意です。