ハイカーホリックの介護日記~機能訓練指導員の一日~
体の衰えは筋肉の衰えです。筋肉を復活させる事に全力を尽くします。
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2002年12月1日より禁煙いたしました。前の日までタバコを止めようなんてこれっぽっちも思っていなかったのに、突然禁煙いたしました。「子供の前では吸わないで」と言われても、「タバコの煙くらいでどうにかなる軟(やわ)な子供ならいらない」なんて言っていたのに、禁煙いたしました。そしてそれ以来一本も吸っていません。

その日は妻と子供と4人で山口市の東鳳翩(ひがしほうべん)山という山に登山に行きました。12月といっても日差しは柔らかく、暖かで、絶好の陽だまりハイキングでした

登山開始から一時間あまり、テーブルやベンチのある場所で休憩することにしました。南側に開けた場所で男性がひとり景色を眺めていました。僕はベンチの端っこに腰掛けてタバコに火をつけ、傍らで遊んでいる子供たちを見つめていました。
と、その時、景色を眺めていた男性が僕のところにやってきていきなり、
「あんた!、タバコ吸うんか、わしゃ、あんたがタバコを吸わんと思うたから、ここで昼飯を食べようと思うたのに、あんた、タバコ吸うんか・・・」
と、ほとんど言いがかりのようにまくし立てたのです。僕は何も言えず、とりあえずタバコの火を消し、男性がいた方を振り返りました。そこにはいつの間にか女性が2人いて、昼食の支度をしているようでした。そして、男性はさらに続けました。
「休みの日に子供を連れて山登りをするぐらいやから、わしゃ、あんたが子煩悩な父親だと思うた。そんな父親が子供の前でタバコを吸うわけがない。そう思うて、ここで昼飯を食べようと思うたのに、あんたがタバコを吸い始めたからびっくりした・・・」
僕は何も言い返すことができず、「はぁ~」とか「スミマセン」とか言うばかりでその男性の話を聞いていました

僕が黙って聞いているものだから、その男性の話はどんどんエスカレートしていって、「夫がタバコを吸う家の女性は10年早く老ける」だの、「父親がタバコを吸うと、子供が絶対に吸うようになり非行に走る」だの、言いたい放題、妻と子供の目の前で15分位説教を受けたのでした。その男性は別れるときに、自分の名前と山口市内で小児科医をやっていること、毎週山に登っては禁煙の啓蒙活動をやっていることなどを告げたのでした。

山登りの帰り、いつもならば車に乗るなりタバコに火をつけていたのが、何となく火をつけづらく、長男が「お父さん、タバコやめるん?」、と聞いてきたのをきっかけに、ついつい「止める」と言ってしまったのです。僕の性分として人に説教されて止めるというのはありえなかったのですが、この時は「止める」と言ってしまいました。

その後の車の中は、僕がタバコを吸ったらどうするかということで盛り上がってしまいました。結局、一本吸ったら妻と子供に1000円ずつの罰金。ですから一本吸うと3000円の出費ということになり、吸ったのに吸っていないという嘘は絶対につかないと約束させられました。きっと子供たちは僕がタバコを吸い、いくらかお小遣いが入ると皮算用していたに違いないのです。そうはいきません。それ以来僕は一本もタバコを吸っていません。その日のうちに買い置きのタバコを全部捨てました。

ではすんなりと禁煙できたのかといえば、そうではありません。他の方たちと同様に苦しみましたよ。タバコはすごく吸いたくなりました。そりゃあ、高校二年から25年くらい続けてきた習慣ですから、そう簡単には止められません。そこで何をしたかといえば、車に乗っているときにはアメを舐め、タバコがどうしても吸いたいときには禁煙草(写真)を吸っていました。またニコチンによる禁断症状を抑えるためにニコレットも噛みました。

禁煙草(写真)は韓国の商品で、形はタバコと全く同じで火をつけて煙を吸います。ただ中の葉っぱがタバコではなく、杜仲の葉っぱで、ニコチンやタールを全く含んでいないとのことでした。吸った感じはタバコと同じでした。ただ匂いが少しきついので家族には「これならタバコのほうがまだまし」と不評でした。それと一本が約90円と高く、タバコのように次から次へと吸うというわけにはいきませんでした。結局この禁煙草を3箱買いました。ですから最初はタバコを吸っているときよりも出費が多くなりました

それとアメを舐め始めたおかげで太り始めました。「タバコを止めると太る」というのは口が寂しいので食べものをついつい口に入れてしまうので太るのだなとわかりました。そこでその翌年は「ストイックな一年にする」と決め、禁煙とダイエットに取り組みました。ダイエットのほうは一年間で15kg落としました。

よくタバコをやめた人が「タバコの煙が大嫌いになる」と言っていたので、僕もそんな風になると思っていたのですが、そんなことはありません。タバコを吸おうと思えば今でもすぐに吸えると思います。食事の後には今でもたまに「吸いたい」と思うことがあります。早くタバコが大嫌いになって欲しいのですが、なかなかなりそうにありません。

でも禁煙をしておいて良かったと思っています。今は喫煙者にとってはとてもつらい時代になってしまいました。たまに東京なんかに行くと、タバコの吸える場所なんてほとんどありません。タバコを吸う場所を探すだけで疲れてしまいそうです。田舎はそれでも「自分の車の中」というのがあるので楽だと思います。都会の喫煙者は大変だと思います。これからますます大変になるでしょうから、タバコはもう早いうちに止めておいたほうがいいように思います。世の中の趨勢は止められそうにもありません。

僕がタバコを止めて良かったと思うのは、実は健康に関してではありません。実は今でも世の中でいうほどタバコが体に悪いものだとは思えないのです。それではタバコを止めてよかったと思うのは何かといえば、持ち物が減ったことです。タバコを吸うときにはタバコ、予備のタバコ、ライター、携帯用の灰皿とこれだけのものを出かけるときに持ち歩かなくてはいけませんでした。タバコをやめたおかげでこれらの荷物が全てなくなったのです。小さなものですが持たないでよいとなると楽です。以前は夏でも胸にポケットのある服を着ていましたが、今はその必要がなくなりました。持たないでよいということは忘れることもないということなので、このことが一番良かったと思えることです。でも自分のことはともかく、タバコを吸わない家族がいるのならばやっぱり吸わないほうがいいと思います。

話はコロッと変わりますが、「サラダ記念日」という俵万智さんの短歌があります。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

この「サラダ記念日」が一世を風靡したのが1987年です。もう18年も前の話なのです。そこで僕も一首ひねってみました。

 「あんたタバコ吸うんか」と見知らぬおっさんが言ったせいで十二月一日は禁煙記念日

お後がよろしいようで・・・

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