8月第4週の日経平均は、上昇した。お盆週間を通過し、米中貿易戦争長期化が懸念
される中、米小売企業の決算が好調で安心感を誘い、また為替もドル/円106円台
と高止まりして、安心感につながりました。
結局、日経平均は、週間で292円上昇(↑1.43%)の20710円でした。
さて、8月最終週(8/26~8/31)主なイベントと予定は、下記1.の通り。
週末のNY株式市場、ダウ/ナス共3ケタの大幅下落。中国が米製品750億ドル
相当に報復関税を発動すると発表。これに対してトランプ大統領が対抗措置を取る
と発表したことから、米中貿易戦争への本格突入するのではと、緊張感を高めて、
ダウは600ドルを超す下落となった。
この流れを受け、週明け日経平均は、ギャップダウンの展開からスタートしそうで
ある。
もっとも、米国は、それまで大きく上昇しており、東京市場が追従していなかった
ことから、日経平均の20000円台キープはするものと思われる。
為替が105円台程度で高止まりする様なら、週を通して、Wボトム形成から戻りを
試す展開に期待したい。
国内企業決算も一巡し、好業績で放置されている個別株物色のチャンスと捉えたい。
主な経済指標は、国内で 8/30に日本版雇用統計があります。
海外は、米で8/27に6月S&Pケースシラー住宅価格指数、8月コンファレンス
ボード消費者信頼感指数、8/29に第2四半期GDP改定値、8/30に7月個人
消費/支出などあります。EUで8/30に7月ユーロ圏雇用統計、8月ユーロ圏消費
者物価指数などあります。
外部環境の影響に左右される振幅の大きい週になろうが、一喜一憂せず冷静に底値を
拾うことが得策になるでしょう。
日経平均、8月最終週(8/26~8/30)レンジは、20100円~20800円
程度を想定しています。
1.8月最終週(8/26~8/31)相場展望と予定
8/26
日本 6月景気動向指数
米 7月耐久財受注
独 8月Ifo景況感指数
世 G7首脳会議
8/27
日本 企業向けサービス価格指数
日本 DyDo、タカショー 各決算
米 6月S&Pケースシラー住宅価格指数
米 6月住宅価格指数
米 8月コンファレンスボード消費者信頼感指数
米 HPエンタープライズ 決算
米 国債入札 2年債(400億ドル)
独 7月小売売上高
独 第2四半期GDP改定値
仏 8月消費者信頼感指数
8/28
日本 ギガワークス、HIS 各決算
米 MBA住宅ローン申請指数(~8/23)
米 週間石油在庫(~8/23)
米 ティファニー、コティ 各決算
米 国債入札 5年債(410億ドル)
独 9月消費者信頼感調査
8/29
日本 パーク24、ウチダエスコ、菱洋エレ 各決算
米 第2四半期GDP改定値
米 7月中古住宅契約販売
米 7月卸売在庫
米 新規失業保険件数(~8/24)
米 ダラー・ゼネラル、ダラー・ツリー、アルタ・ビューティ、べストバイ 各決算
米 国債入札 7年債(320億ドル)
仏 第2四半期実質GDP
独 8月雇用統計
独 8月消費者信頼感指数
EU 8月ユーロ圏消費者信頼感指数
8/30
日本 7月有効求人倍率
日本 7月完全失業率
日本 7月東京都区部消費者物価指数
日本 7月鉱工業生産指数
日本 7月新設住宅着工戸数雇用統計
日本 7月百貨店売上高
日本 7月スーパー売上高
日本 アイケイケイ、トリケミカル、ダイサン、アインHD、内田洋行 各決算
米 7月個人消費/支出
米 8月シカゴ購買部協会景気指数
米 8月ミシガン大学消費者信頼感指数
米 キャンベルスープ 決算
加 第2四半期GDP
仏 7月生産者/消費者 物価指数
EU 7月ユーロ圏雇用統計
EU 8月ユーロ圏消費者物価指数
8/31
米 国債償還 2年債(268億ドル)
5年債(350億ドル)
7年債(290億ドル)
2.NY株式市場、為替/債券 各結果(8/23)
NY時間の終盤に入ってドル円は下げを一服しているものの、105.30円付近と
本日安値値圏での推移が続いている。きょうのNY為替市場でドル円は105円台前半
まで急降下した。きょうはジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演が行われ、
議長は「経済は望ましい状況だが、著しいリスクが迫っている」と述べたうえで「景気
拡大維持へ 適切に行動する」と語った。追加利下げを示唆した発言にも思われ、為替
市場はドル売りで反応。
ただ、講演内容が伝わった直後はドル売りと同時に米株が上げの反応を見せ、株高・
円安の動きにドル円は相殺されていたが、次第にドル円は売りを加速させた。きょうは
中国が米製品750億ドル相当に報復関税を発動すると発表していた。5078品目の
米製品が対象で、9月1日と12月15日に実施するという。これに対して今度は
トランプ大統領が「きょうの午後に中国の関税措置に対応する」と発表したことから、
市場は再び米中対立への緊張を一気に高めており、米株も下げ幅を拡大する中、リスク
回避の円買いがドル円を押し下げている。
ドル円は見切り売りが強まり105.3円近辺まで下げを加速。今月の前半は105円
を割り込まずに反転させていたが、きょうの下げで21日線に跳ね返された格好となって
おり今回は105円割れも警戒される展開となっている。
ユーロドルは買い戻しが強まり1.1150ドル近辺迄一時上昇。21日線が1.1135
ドル付近に来ているが、その水準に顔合せしており、来週以降の動きが注目される。
ユーロ買いというよりもむしろドル売りに伴う上昇で、今日はパウエルFRB議長の
講演やや米中対立の再燃でドルが売られており、ユーロドルを押し上げている。
ただ、ユーロ自体も難題を抱えており、積極的に上値を試す雰囲気ではない。ドイツを
はじめとした域内の経済が減速傾向を鮮明にしており、ECBが期待以上の思い切った
追加緩和策を打ち出してくるのではとの予想もある一方、英国が合意なき離脱に陥った
場合、英国のみならず、 ユーロ圏経済への影響も不可避な状況ではある。
目先は1.12ドル台前半に来ている100日線まで戻せるかどうか注目される。100
日線は、今月前半に強い上値抵抗となっていただけに簡単ではなさそうだ。
ポンドドルも買い戻しが強まり、1.2290ドル付近まで一時上昇した。ただ、合意
なき離脱への懸念が依然として根強い。昨日ドイツのメルケル首相が「離脱期限の10月
31日までにバックストップの解決策を見出せる」と述べたことをきっかけにポンドは
買い戻しを強めていた。しかし、EUは再交渉のテーブルには着くかもしれないが、
バックストップ条項削除の実現は難しいとの声も多い。そのような中、先程ジョンソン
首相の発言が伝わり、EUにスタンスを変更するよう説得するのは容易ではなく、時間が
かかると」述べた事で、ポンドは上値を重くしていた。
https://fx.minkabu.jp/news/114887
米国債利回り(NY時間16:34)
2年債 1.529(-0.083)
10年債 1.535(-0.078)
30年債 2.028(-0.077)
期待インフレ率 1.542(-0.017)
※期待インフレ率は10年債で算出
きょうのNY債券市場で利回りは大幅低下。中国が米製品750億ドル相当に報復関税を
発動すると発表。5078品目が対象で、9月1日と12月15日に実施し、大豆にも
5%の追加関税を課す。これに対してトランプ大統領が対抗措置を取ると発表した事から、
市場は再び米中対立への緊張を一気に高めた。
また、きょうはジャクソンホールでパウエルFRB議長の講演が行われた。議長は「経済
は望ましい状況だが、著しいリスクが迫っている」と述べたうえで「景気拡大維持へ適切
に行動する」と利下げの可能性を示唆。
10年債は1.50%台まで一時低下し、政策金利に敏感な2年債も1.50%迄一時低下。
https://fx.minkabu.jp/news/114894
3.NY株式市場 結果(8/23)
NY株式23日
ダウ平均 25628.90(-623.34 -2.37%)
S&P500 2847.11( -75.84 -2.59%)
ナスダック 7751.77(-239.62 -3.00%)
CME日経平均 20185 (大証終比:-535 -2.65%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅反落。中国が米製品750億ドル相当に報復
関税を発動すると発表。5078品目が対象で、9月1日と12月15日に実施し、
大豆にも5%の追加関税を課す。これに対してトランプ大統領が対抗措置を取ると発表
したことから、市場は再び米中対立への緊張を一気に高めた。
市場は一気に戻り売りを強め、ダウ平均は745ドル安まで一時急落した。産業株や
IT・ハイテク株などほぼ全面安の様相。
きょうはジャクソンホールでパウエルFRB議長の講演が行われた。議長は「経済は望
ましい状況だが、著しいリスクが迫っている」と述べたうえで「景気拡大維持へ適切に
行動する」と利下げの可能性を示唆している。市場では今回の講演はそれほどハト派な
内容にはならないとの見方も出ていただけに、予想通りではあるが追加利下げの可能性
を示唆して来たことで、株式市場では買いの反応も見られていた。
ダウ採用銘柄ではボーイングを除く29銘柄が下落。アップルが4%下落しているほか、
インテル、マイクロソフト、ナイキ、キャタピラーも3%超下落。ボーイングは10月
までに737MAXの運航再開の可能性が報じられていたことが好感されている模様。
ナスダックも大幅安となっており、再び8000ポイントを割り込んでいる。アップル、
マイクロソフト、アマゾン、AMDなど主力は揃って下落。
クラウド関連のソフトウエア開発のピボタル・ソフトウエアとサイバーセキュリティーの
カーボン・ブラックが上昇。VMウェアが2社を計約50億ドルで買収することで合意
したと発表。VMウェアは大幅安。
HPインクが下落。5-7月期決算は底堅かったものの、経営戦略の先導役だったワイズ
ラーCEOが家族の健康問題を理由に11月1日付で辞任することが発表されたことが
嫌気されている。
ナスダックも大幅安となっており、再び8000ポイントを割り込んでいる。アップル、
マイクロソフト、アマゾン、AMDなど主力は揃って下落。
クラウド関連のソフトウエア開発のピボタル・ソフトウエアとサイバーセキュリティーの
カーボン・ブラックが上昇。VMウェアが2社を計約50億ドルで買収することで合意した
と発表。VMウェアは大幅安。
HPインクが下落。5-7月期決算は底堅かったものの、経営戦略の先導役のワイズラー
CEOが家族の健康問題を理由に11月1日付で辞任することが発表されたことが嫌気
されている。
セールスフォースが上昇。5-7月期決算を発表しており、1株利益、売上高とも予想を
上回ったほか、通期見通しも1株利益、売上高とも上方修正し力強い決算となった。今回
の決算は同社の急成長が持続するとの信頼感を市場にもたらした模様。
ギャップが下落。5-7月期決算を発表しており既存店売上高が予想以上に減少。
主力ブランドのオールドネイビーの既存店売上高が予想以上に減少した。
スポーツ用品販売最大手のフットロッカーが大幅安。5-7月期決算を発表しており、
既存店売上高が予想を大きく下回ったほか、1株利益、売上高とも予想を下回った。
https://fx.minkabu.jp/news/114892
4.NY原油先物10月限/金先物12月限 各結果(8/23)
NY原油先物10月限(WTI)
1バレル=54.17(-1.18 -2.13%)
NY原油は大幅続落。中国が米国製品に対する報復関税を発表したことや株価急落を受けて
売り優勢となった。トランプ米大統領が、米企業に対して中国から事業を撤退させることを
要求し、米中の対立激化に対する懸念が高まったことも圧迫要因になった。
https://fx.minkabu.jp/news/114891
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1537.60(+29.10 +1.93%)
金12月限は急反発。時間外取引では、ドル高を受けて軟調となった。日中取引では、中国が
米国製品に対する報復関税を発表したことを受けて地合いを引き締めた。その後はパウエル
米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けてドル安に振れたことも支援要因となって急伸し、
13日以来の高値1540.3ドルを付けた。
https://fx.minkabu.jp/news/114889
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