(24) 日中関係Ⅲ (昭和20年:1945~現在) -10-
■まとめと考察 2/n ~中華人民共和国主導の戦争・紛争~
1 「中華人民共和国主導の戦争・紛争」の描き方
● 上記①②④⑨⑩⑪⑫のすべてを無視している。 → × 6社:東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
※建国からの歴史をみればすぐ分かるように、中華人民共和国は「領土・領海・領空拡張政策」を採る(世界でも珍しい)危険な国である。そのことはいまや世界中の国々が認識している。そのことを「隣国」である日本の義務教育歴史教科書で教えないということは、常軌を逸しているとしか言いようがない。
● 近年の「尖閣諸島問題」に言及なし。 → × 清水書院、学び舎。
※2012年来の領海侵犯の激しさは、国家主権にかかわる異常事態。日本が”普通の国”ならとっくに武力衝突事態になっているだろう。
両社とも、《明治期の「領有手続き」》については書いているが、それは、近年「検定基準」が変わり、書かなければ”合格”しないからなのだろう。
2 「ベトナム戦争における中華人民共和国の関与」の描き方
● 無記 → × 日本文教、学び舎。
中華人民共和国は、武器供与どころか数十万の軍隊を派遣するするほど積極的に支援していたことは世界周知の事実。
両社の無記は、近年のマスメディアの、”都合の悪いことを報道しない自由の行使” と同じ態度。しかし、この場合はさらに悪質。かつ、中共政府の「公式見解」と同じ。
《「中華人民共和国がベトナム戦争に加担していた事実」を、日本国民に広く知られると都合が悪いと思う人々》って、どんな人だろう? すぐ思いつくのは、「中共政府:中国共産党員」、「ベトナム共産党員」、「いまだに共産主義革命をめざしている日本人」ぐらいしかないが…?
~次回、3/n~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》