(24) 日中関係Ⅲ (昭和20年:1945~現在) -9-
■まとめと考察 1/n ~朝鮮戦争まで~
1 「ソ連軍の満州侵攻による日本人居留民の状況」の描き方
● まったく描いていない。 → △ 6社:東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
※日本人の歴史における、悲惨で重要な教訓であり、将来にわたって日本国民すべてに教えるべき内容だと思う。
現在でも、”反日教育を国策として実施している”東アジア中華圏(=中華人民共和国、北朝鮮、韓国)だけでなく、世界のかなりの国で、特定の状況になった場合には、《日本人への攻撃がたやすく起きる可能性が高い》という、リアルな現実を知っておくべきだろう。今のところは、中華圏以外では、日本人はもっとも信頼されている外国人グループではあるらしいが… (※「特定の状況」…全体的に”反日気運が高まっている”状況。ヒトの多くはたやすく扇動されるというのが人類史上の貴重な教訓)
2 「中国残留孤児」の描き方
● 描いていない。 → △ 4社:育鵬社、教育出版、清水書院、学び舎。
※理由:上記1に同じ
●上記1・2どちらも描いていない。 → × 3社:教育出版、清水書院、学び舎。
3 「朝鮮戦争」の描き方
● 「中国人民解放軍」の参戦を描いていない。 → × 日本文教。
※何度も校正しているはず(?)だし、使用している中学教諭などから指摘があるだろうから、”単純ミス”とは考えにくい。意図して書いていないとしたら、ありえない”歴史ねつ造”だと思うが…??? 「中国共産党(の軍隊)」への思いやり?
ところで、文科省の検定官はなぜ見逃したのだろう?
●「中国人民解放軍」が戦争に参加したことが分からない。 → △ 清水書院。
※「中華人民共和国とソ連が支援」という表現では、「参戦」と「参戦せず軍事物資等の支援」が区別できない。中共は前者だし、ソ連は後者。国際関係においてそのちがいはかなり大きい。《文字数を節約しようとしてのうっかりミス》とも推理できないことはないが、もしかしたら、これも”歴史ねつ造”をねらっているのかも…? もしそうなら、当然×。
~次回、2/n~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》