山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌88-vol.4(中島記)

2023-06-26 23:59:59 | 練習日誌

 山響の東京・大阪公演が終わって山形に帰ってきました。今週は文化庁主催の学校公演で、宮城・福島。

 その合間の休日は、もちろん山形Qのリハーサルです。ふと気づけば第88回定期の本番がもう来週末。休んでいる余裕はありません・
 
 ということで、ゲストのフルート小松崎さんを迎えての2回目の合わせ。
 
 だいぶ、まとまってきました。
 
 オペラで一番良くないのは、「あれっ、次どんな曲だったっけ?」と思うこと。
 
 …そんな素人みたいなことあるのか?
 
 と思われるかもしれませんが、プロだからこそという部分もある。覚えきれないのです。とくに、自分のパートが単純な場合。しかし、そういう時こそ、全体の「指針」になるような大切な役割を持っている。簡単だからと手を抜くと「ごめん」じゃ済まないことにもなりかねない。テンポが定まらなくなる。それは、曲の世界観にかかわるものです。
 
 曲がたくさんあっても、覚えなければいけないのです。
 
 ところで、このオペラの一番の特徴は、本来なら「敵の大ボス」であるはずの、トルコ太守に歌の出番がなくセリフのみ。なので、オペラ上演では歌手でなく俳優がやるもののようです。
 
 たしかに、買ったDVDを見ても「太守」はやたらと顔がカッコいい。スリムだし。…つまり歌手ではないのです。
 
 なので、実際の音楽上の「悪役」は、番人の「オスミン」だけ。コミカルさを含めた「人間の悲哀」を表現しながらも、話を盛り上げていく低音はパパゲーノや、後の時代のファルスタッフの原型だと言われています。
 
 モーツァルト「五大オペラ」の最初の作品であるこの「後宮」は、その後の世界のオペラに大きな影響を与えた革命的な作品だということです。
 
 「後宮」? 序曲しか知らない。
 
 …私もそうでしたが、今回、深く反省。素晴らしい作品です。
 
 その良さが伝わるよう、あと10日あまりですが、頑張ります。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま14箇所
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山形Q 練習日誌88-vol.3(中島記)

2023-06-10 23:59:59 | 練習日誌

 昨日から、山響は5連休!

  …偶然のことではありますが、有り難い。今年は過去に例を見ないほどの忙しさなので、5連休というのは夏休みにも無い。多分この次は年末です。
 
 ということで、今日は山形Qの3回目のリハーサル。いよいよフルートを交えての合わせです。
 
 今回の「後宮〜」フルート四重奏版、は全15曲。なかなかの大作です。
 
 4時間のリハーサル時間を、めいっぱい使って、ようやく全曲をこなす感じ。
 
 吹きっぱなしのフルートには、大変な負担がかかります。ゲストの小松崎さんは常に安定した演奏で、小柄ながら、その体力には驚きます。
 
  さて、なかなか名曲の多い「後宮」。その中でもやはり特徴的なのが、時々出てくるトルコ風の曲。序曲もそうですが、テンポが速くて忙しい。場面によって快活になったり、荒々しくなったり、ちょっとコミカルになったりして、このオペラ全体の中でも、飽きさせない「スパイス」のような役割になっています。ピリ辛の香辛料のような。
 
 これが演奏するのも、なかなか楽しい。
 
 気をつけなければいけないのは、場面にそぐわない「熱演」。全体として軽やかなオペラです。コミカルでもある。音符だけを追って、力んだり、重厚すぎる音を出すと壊れてしまうものがあります。
 
 さらに要研究。しかし、さすがの名曲。楽しくなってきました。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま10箇所
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山形Q 練習日誌88-vol.2(中島記)

2023-06-03 23:59:59 | 練習日誌

 さて2回目。まだ弦楽器3人での合わせです。

 今回の「後宮」は、やはり長い。前回も最後の方は時間が足りなくなって「とりあえず音を出しておく」みたいな感じで終わりました。なので今日は、3幕から。
 
 このオペラのあらすじを、極めてざっくりと言うとすれば、奥さんと従者が、航海中に海賊に襲われてトルコの後宮に売り飛ばされる。それを奪還する物語です。
 
 最終的には、そのトルコの王様が、意外なことに大変な人徳者で、金で買って後宮に入れたはずの「奥さん」に本気で純粋な恋をしてしまう。だから、金で買ったはずなのに傷つけたくない。だから手を出すことをせず、真実の愛を得たいと願うのです。
 
 なのに「奥さん」は、いつまで経っても自分になびこうとしない。そればかりか、亭主と添い遂げられないなら潔く死にます。それが本望です、とまで言い始める。
 
 そこにほだされた王様は、奪還に失敗した亭主と、大好きな奥さんを結局、解放してやる。
 
 「さすが王様!偉い!私たちの素晴らしい王様、万歳!」
 
 めでたしめでたし…というのが終曲です。
 
 ひとり納得がいかないのが、王様の下僕のオスミン。このオペラ唯一の悪役。でも憎めないところもある重要な役どころです。かなりの低音で、相当な演技力がないと務まらない。このオペラの上演回数が少ない最大の原因です。
 
 この四重奏版でも、そのオスミンがからむ曲がなかなか難しいのです。
 
 時として乱暴だったり、コミカルだったり。ある意味ではパパゲーノ以上のトリックスターです。なので、それが存分に生きるように、音楽も凝っている。
 
 このあたりを、生き生きと作ること。そして、トルコならではの…と言うか、モーツァルトがトルコ人に感じていたエキゾチック感みたいなものがつかめればと思います。
 
 「コミカルな軽さ」…難しいのですが、これが肝でしょう。「一生懸命に音を追う」と、逆にどんどん離れて行ってしまうような気がします。
 
 さらに精進。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
  ただいま6箇所
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