博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『水滸伝』その3

2011年03月01日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第14~20話まで見ました。

林冲が梁山泊に落ち着いた後は楊志篇に突入。梁中書に抜擢され、その岳父である蔡京への誕生日プレゼントの生辰綱を運搬するという大役を仰せつかりますが、かつて花石綱の運搬に失敗したトラウマから、今回は絶対に任務を達成すると意気込みすぎ、運搬作業員に厳しくあたる楊志。このあたりの作業員への虐待ぶりはドン引きできるレベル…… 結局まんまと晁蓋らに出し抜かれて生辰綱を強奪され、おまけに日頃の非人情が祟って作業員にすべての責任を押っつけられますが、はっきり言ってこの楊志さんには同情できない。ちなみに今回楊志を演じているのは『天龍八部』などでお馴染みの高虎です。意外とハマッてます。

しかし強奪に成功した晁蓋らも早速足が着いてしまい、宋江らの尽力により辛くも逃亡に成功。そのまま梁山泊へと落ち延び、林冲と協力して梁山泊を乗っ取ることに。しかし林冲が今までの恨み辛みを込めて王倫に怒りの鉄拳をブチかます場面を見ると、ストレスって貯め込まない方がいいんだなあと心底思います(´・ω・`)

で、この後は宋江と閻婆惜(ドラマでは閻惜嬌という名前になってます)とのエピソードに突入するわけですが、今回のドラマの制作スタッフはどういう訳か閻婆惜に思い入れがあるらしく、アレンジも交えつつ宋江と彼女との出会いから破局までを3話分かけてじっくりと丁寧に描いていきます。閻惜嬌を演じる女優さんもムダに美人さんです。

宋江に恋心を抱き、母親の閻婆を通じて縁組みすることになる閻惜嬌ですが、当の宋江は妻を亡くしたばかりということで縁組みには乗り気薄で、彼女と義兄妹の契りを結ぶことで事をうやむやにしようとします。しかし結局は成り行きで男女の関係を持つことになり、取り敢えず妾として彼女を別宅に住まわせることに。

しかし元来が女性関係に淡泊な宋江は次第に閻惜嬌のもとから足が遠のいていきます。不満を募らせた彼女は宋江の気を引くために張文遠を誘惑したりしますが、事の次第を知った宋江の気持ちはますます冷めていきます。そして最後の逢瀬で彼女に離縁状をつきつけますが、うっかり晁蓋からの手紙を彼女に奪われてしまいます。「この手紙を役所に突き出されたくなかったら、私を正妻にして!」と迫る閻惜嬌ですが、「それだけはできん」と拒絶する宋江。そして手紙を取り戻そうと揉み合ううちに彼女を刺殺してしまい、官職を擲って逃亡することに……

このエピソード、脚本的にはかなりクオリティが高いのですが、問題はこの場面でこんなハイクオリティを求める視聴者なんてほとんどいないということでしょうか。この後の潘金蓮の話もやはりじっくり丁寧に描かれているということですが、ひょっとして同様のシチュエーションの楊雄の妻や盧俊義の妻の不倫話もこんな調子で描かれるんでしょうか。今から何だかウンザリしてきたぞ(^^;)
コメント (2)
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