博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『水滸伝』その10

2011年03月30日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第57~62話まで見ました。

呼延灼や二竜山の魯智深らが新たに加入し、意気上がる梁山泊。そんな中、梁山泊に献上されるはずの名馬「照夜玉獅子」が曾頭市の手の者によって奪われるという事件が発生。今回は宋江に替わって晁蓋が直々に曾頭市に出征しますが、曾家の武術師範である史文恭が放った毒矢に射られ、撤退。自分の仇を討った者を新たに首領にするよう遺言して絶命します。ここで宋江が朝廷への帰順を考えていることを晁蓋に明かし、晁蓋がどうやら帰順に乗り気でないような描写がなされるのが興味深いところです。

晁蓋の死後は暫時宋江が梁山泊の指揮を取ることになります。まずは「玉麒麟」盧俊義を味方に引き入れるべく、呉用と李逵が占い師に扮して大名府へ。今回のドラマでは、盧俊義は対遼戦に従事した元軍人で、その才と武勲を恐れた童貫に陥れられ、野に下ったという設定になってます。(そしてなぜか「神機軍師」朱武が軍人時代の彼の軍師……)呉用・李逵は盧俊義とその番頭の李固に接触しますが、呉用が適当な占いをするのを見て、李逵が思い切り噴き出してます(^^;)

盧俊義と言えば当然「浪子」燕青も登場するわけですが、この2人が武術の稽古に励んでいる所を見てると、BL的な何かを感じてしまいます。そして盧俊義の美人妻の賈氏は原典通り李固と浮気しているという設定。ここで若奥様不倫シリーズ第4弾がスタート。呉用に唆された李固は、まず燕青が賈氏に乱暴しようとした讒言し、それを信じた盧俊義が燕青を屋敷から叩き出してしまいます。

そして邪魔者がいなくなったところで、今度は主人の盧俊義を謀反の容疑で官府に誣告。事の次第を知った燕青は、まだ傷が癒えない身を押して官兵に包囲された屋敷に突入して主人を救い出そうとしますが、力及ばず盧俊義は囚われの身に。そして監獄の中と外で互いの身を思いやる盧俊義と燕青。……これまでの不倫シリーズとは異なり、今回は男同士の感情の揺れを描くのがメインになってますね(^^;) 相変わらず方向性が少しおかしいものの、脚本のクオリティ自体は高いです。

で、燕青だけでなく梁山泊も盧俊義の救出に動き出し、楊雄・石秀が燕青とともに処刑場に乗り込みますが、襲撃はあえなく失敗に終わり、盧俊義ばかりか石秀も囚われの身に。そこで今度は宋江が軍を率いて大名府へと出征。その動きを知った太師蔡京は、関羽の子孫の「大刀」関勝らに大名府への救援を命じます。関勝は大名府への攻撃を牽制するため、本拠地の梁山泊を突くことにしますが……
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『三国志 演義から正史、そして史実へ』

2011年03月29日 | 中国学書籍
渡邉義浩『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書、2011年3月)

歴史の人が書いてるのに演義を全面に出している、しかも正史から演義じゃなくて演義から正史へと流れを追っているという点に不安を感じていましたが、実際に読んでみると、著者は文学方面についてもそれなりに勉強しており、しかも演義→正史という流れもそれなりにハマっているということで、安心しました。読んでてこのレベルの本が20年前(要するに私が『三国志』にハマってた頃)に出てたら良かったなとは思いましたが……

歴史方面の話は、この著者の研究ではお馴染みの「名士」論や「儒教国家」論が中心です。一般書では少し前に出た『儒教と中国』(講談社選書メチエ)と内容的に結構被ってますね。

また本書では、著者が日本語版を監修しているドラマ『三国』についても言及されています。今回のドラマでは魯粛の知謀が描かれていると評価しているのですが、ドラマを全話見た立場から言わせてもらうと、ああいうのを知謀と言うのかどうか首をかしげざるを得ません(´・ω・`) 著者の言う所の「魯粛の知謀」については、本ブログの『三国』その8を参照のこと。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『魯迅 東アジアを生きる文学』

2011年03月27日 | 中国学書籍
藤井省三『魯迅 東アジアを生きる文学』(岩波新書、2011年3月)

中国近現代文学の研究者であり、光文社古典新訳文庫で魯迅作品の翻訳を手掛けている藤井省三氏による魯迅の評伝。

元生徒で二人目の妻となった許広平とのラブレターをまとめたというふれこみで『両地書』を刊行し、その売り上げで生活費をまかなう魯迅先生、中国映画を全力でスルーして、ターザン物などハリウッド映画にハマる魯迅先生、「国民党の検閲の酷さは日本以上」とdisる魯迅先生……等々、今まで知られていなかった魯迅の姿を活写しています。

本書の読みどころは第1章「私と魯迅」と第9章「魯迅と現代中国」です。第1章では、魯迅の故郷である紹興が急激に横店化していくさまが著者撮影の写真にまざまざと現れています(^^;) 第9章では、毛沢東が魯迅を革命の聖人として祭り上げたことにより、国語教育で散々魯迅を押しつけられた若者が着実に魯迅アレルギーになっているさまが述べられていますが、政治的に頌揚されるというのは、文学者にとってはある意味罰ゲームなのだなと思った次第。

本書によると、毛沢東が「魯迅がもし今生きていたらどうなっていたと思いますか?」と文化人から問われて、「牢屋に閉じ込められながらもなお書こうとしているか、大勢を知って沈黙しているかのどちらかだろう」と答えたということですが……
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『水滸伝』その9

2011年03月25日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第50~56話まで見ました。

雷横を護送する途中でわざと逃した朱仝は罪を得て滄州へ流刑に。その後は当地の知府に気に入られて恵まれた流刑ライフを送っておりましたが、知府の息子の小衙内が李逵によって殺されたことで、不本意ながら梁山泊入りを迫られることに。この小衙内殺害は個人的に『水滸伝』の中でドン引きさせられるシーンのトップ1なんですが、今回のドラマ版では山中で小衙内の身柄をめぐって朱仝と李逵が揉み合っているうちに、李逵の手からうっかり小衙内が谷底へと滑り落ちてしまうという展開で、故意の殺人ではなく言わば過失致死のような状態となっており、李逵が小衙内の頭をかち割っていた原典と比べてややマイルドな方向にアレンジされています(^^;)

朱仝の怒りが冷めるまで柴進の屋敷に留まることになった李逵ですが、殷天錫を殴殺した罪を柴進が替わりに引き受け、高俅の従兄弟の高廉に捕らえられることに。ここで柴進は先祖が宋の太祖より授けられた「丹書鉄券」を持ち出して罪を逃れようとしますが、この手の水戸黄門の印籠的アイテムが何の効力も発揮しないのは、最早中国時代劇のデフォルトだなあと。

宋江らは柴進を救出するべく高廉の守る高唐州へと進軍しますが、高廉の八卦陣を破ることができるのは公孫勝のみと分かった段階で、はじめて公孫勝が母親を迎えに行ってから梁山泊に戻って来ていないことを思い出します。ここまで存在を思い出してもらえなかった公孫勝は意外と影が薄い人なんじゃないでしょうか(^^;)

高廉が敗死した後、朝廷は建国の功臣呼延賛の子孫呼延灼に梁山泊討伐を命じます。この呼延灼の連環馬を唯一破ることのできる徐寧を仲間に引き入れるため、「鼓上蚤」の時遷は徐寧が家宝として大切にしている「賽唐猊」を盗み出すことに。こういう回りくどい展開は一昔前のRPGのフラグ立てを思い出させますね。

で、この徐寧の「鈎鎌鎗」に太刀打ちできずに敗走する呼延灼ですが、途中で桃花山に立て籠もる「打虎将」李忠・「小覇王」周通と親しくなったりして、青州の知府慕容彦達のもとに落ち延びます。そしてその慕容知府の依頼で二竜山や白虎山の山賊を討伐することに。この時に親しくなったはずの李忠たちの桃花山も容赦なく襲撃してます。最早仁義もへったくれもありませんな……

呼延灼を追撃して来た宋江たちは二竜山に立て籠もる魯智深や武松たちと連携しようとしますが、生辰綱強奪の一件以来梁山泊に不信感を持つ楊志は連携を拒否。これに対して呉用は短剣で自らの胸を刺して詫びを入れますが、楊志はそれでも連携を承知しようとせず、魯智深らの説得も振り切って二竜山を出奔。このドラマ、生辰綱強奪の場面から一貫して楊志の不人情っぷりを強調しているのですが、何か彼に恨みでもあるんでしょうか(^^;) まあ、最後には二竜山のピンチを知って山寨に戻ってくるという展開になるんですけどね。しかし楊志さん、このドラマで一番割を食ってるキャラかもしれません……
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『街場の中国論』

2011年03月23日 | 中国学書籍
内田樹『増補版 街場の中国論』(ミシマ社、2011年3月)

本書は非中国プロパーである著者が敢えて中国について論じてみたというスタンスで、しかも著者が2005年度に大学院で開講したゼミの内容を元にして2007年に出版した本に3章分の増補を加えたという構成で、2008年以降の毒餃子問題やチベット問題等々については踏まえられていない部分が多くを占めるわけですが、それでも割と見るべき所をちゃんと見ているなあという印象を受けました。

国家のサイズ(この場合は単純に国土の広さと人口の多さを指す)によって国家の抱え込むリスクのスケールや取るべき統治法も変わるのだから、日本や欧米の政策を中国に押しつけようとしても意味がない。日本が社会的・経済的に世界最高レベルで安定しており、かなりの程度の政治的失敗が許される「負けしろ」の大きい国家であるのに対し、(このことは民主党政府が未曾有の震災に対してかなりgdgdな対応をしても、日本国が今なお存在できていることから証明されてしまいましたね……)中国はちょっとした政策の誤りが内戦などの重大な後果に直結し、少々の失敗も許されない国家である。日本はこのことを踏まえたうえで中国との外交に臨むぺきという意見や、中国のガバナンスの衰えは日本の国益に反するという意見には同感。

また台湾・尖閣問題に関して、伝統的な中華思想においては「国民国家」や「国境線」という概念が存在する余地がなく、中国は国境線を画定することそれ自体に強い嫌悪感を抱いているという指摘はなかなか面白いと思いました。ただ、それでも台湾が今後も現状のまま存続しうるかどうかはかなり微妙だと思いますが……

その他、現代中国は抗日戦争以外に国民が一丸となって成功した体験が無いだとか、江沢民は歴代の中国のトップの中で後世の評価がかなり低い人ではないかとか、所々でかなりぶっちゃけた物言いをしていたり、あるいは李連杰主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲』をネタにしているのに笑ってしまいました(^^;) 普通こういう本でそんな映画を題材に選んだりしませんよw
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『水滸伝』その8

2011年03月20日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第44~49話まで見ました。

楊家に盗みに入った「鼓上蚤」時遷から、潘巧雲と裴如海との不倫を知らされた石秀。そして石秀から不倫の事実を知らされた楊雄は潘巧雲を山に誘き出して訊問。「あなたと結婚して二年になるけど、あの人との二日間の方がずっと満たされていた」という痛恨の一言を浴びせられた楊雄はブチ切れて妻を殺害。この場面の楊雄さんの顔が怖いです……



その後楊雄・石秀と時遷は3人連れだって梁山泊に落ち延びようとしますが、(このあたりになると楊雄さんも憑き物が落ちたようにいい顔をしてますw)途中で立ち寄った独龍岡で祝家荘の兵士といざごさを起こして時遷が捕らえられてしまいます。そして命からがら逃げ延びた楊雄・石秀が梁山泊に助けを求め、祝家荘戦がスタート。ここで「一丈青」扈三娘や欒廷玉が登場しますが、扈三娘の美人度はイマイチ…… 困ったことに後から出て来る顧大嫂の方が美人さんです。そして欒廷玉を演じるのは、武侠ドラマの悪役でお馴染み計春華。



梁山泊側は宋江を総大将として出征しますが、守りの堅い祝家荘を攻めあぐねます。密偵として独龍岡に忍び込んだ「錦豹子」楊林も「お前、楊林だなっ!」と、あっさり祝家荘の兵士に名前までバレて捕らえられる始末。

王英や秦明・黄信といった頭領が捕らえられて苦戦する中、登州兵馬提轄の「病尉遅」孫立が一族縁者を引き連れて梁山泊に投降。ここで孫立の弟孫新の嫁として登場するのが「母大虫」顧大嫂。演じるのは『鹿鼎記』に出演していた胡可です。顧大嫂がムダに美人なのを見てると、この人が扈三娘でも良かったんじゃないかという気が(´・ω・`) で、孫立が兄弟弟子の欒廷玉との縁で祝家荘に潜り込み、梁山泊と内応して祝家荘を撃破。欒廷玉も計春華を起用した割には見せ場らしい見せ場が無かったなあと……

祝家荘戦の後は王英と扈三娘との婚姻が執り行われます。(扈家荘で「荘主の旦那様」と呼ばれて悔しがったり、酒乱の扈三娘から虐待される王英が見ていてなかなかおかしい) そして舞台は山東鄆城へと移り、雷横・朱仝篇がスタート。宋江が去った後も都頭を続けていた雷横ですが、知県の愛人白秀英を殴り殺してしまい……
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『水滸伝』その7

2011年03月19日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第38~43話まで見ました。

新たな友人たちと愉快な流刑ライフを満喫しつつも、それなりに鬱憤がたまっていたらしい宋江さん。潯陽楼で一人酒を飲んでいるうちにその鬱憤が爆発してうっかり壁に題詩を書きつけてしまい、それが原因で謀反人として告発されるハメに…… 

戴宗は宋江に狂人のふりをさせてこの危機を乗り切ろうとしますが、知府蔡九の知恵袋の黄文炳は宋江に「夜香」(う○こ)を食べるように命じ、ボロを出させようとします。「夜香」の入った桶を目の当たりにしてさすがに躊躇する宋江。しかし「『夜香』を食べようとしなかったら、狂人のふりをしているだけと見なして投獄する」という黄文炳の狙いを察した戴宗は、容赦なく宋江の顔を桶に突っ込みます。ひ、ひどい(^^;) しかしそんな努力(?)の甲斐も空しく拷問で口を割らされ、投獄・処刑されることに。

宋江の窮地を知った梁山泊の好漢や李逵・張順らが処刑場へとかけつけ、危ういところで救出された宋江はいよいよ梁山泊入りを決断。ここで宋江が家族を迎え、公孫勝も母親のもとに向かうことになり、何だか羨ましくなった李逵が「オレも!オレも!」と故郷へと母親を向かえに行きます。途中で自分の偽物の李鬼を殺害したりしつつ無事に母親と再会し、母親を背負って梁山泊へと戻って行きますが、途中ふと目を離した隙に母親が虎に食われてしまい、ブチ切れて4匹の虎を虐殺する李逵。この場面は個人的に『水滸伝』でドン引きするシーンのナンバー2です(´・ω・`) (ナンバー1は『水滸伝』読者なら大体予想がつくかと思いますが、この李逵が朱仝のかわいがっていた小衙内を殺害するシーン……)

さて、虎を退治したということで附近の村人から英雄扱いされ、歓待される李逵ですが、李鬼の妻の密告で李雲・楊雄に捕らえられ、謀反人として逮捕されることに。危ういところを朱貴・朱富兄弟に救出され、ついでに李雲も梁山泊入りする決心をしますが、相棒の楊雄は敢えて仲間入りを拒みます。ここから「病関策」楊雄篇がスタート。

街に戻って祝家荘の連中に因縁をつけられていたところを「拼命三郎」石秀に救われ、この石秀と義兄弟の契りをかわして自宅に住まわせることにします。しかしいきなり楊雄の妻の潘巧雲に色目を使われ、戸惑う石秀。おまけにこの潘巧雲、実家の潘家に出入りしている僧の裴如海とも何だか怪しい雰囲気で……

ということで、閻婆惜・潘金蓮に続く若奥様不倫シリーズ第3弾です。しかし三番煎じとあって、女優さんの美人度も脚本の練り具合もレベルが下がってきてるようです(^^;) 裴如海は、このドラマでは潘家とは昔から付き合いのある僧侶で、潘巧雲の父とは義理の祖父と孫、潘巧雲とは義理の兄妹の関係を結んでいるという設定になってます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『水滸伝』その6

2011年03月18日 | 中国古典小説ドラマ
関東・東北大震災からはや一週間。京大でのカンニングや中東情勢の話題で盛り上がっていたのが遠い昔のことのようですね(´・ω・`) 

で、『水滸伝』第32~37話まで見ました。

張都監により窃盗の罪を着せられ、恩州へと流罪になった武松ですが、途中の飛雲浦で張都監の手下に襲撃され……ということで、ここで飛雲浦の死闘→鴛鴦楼の血戦とアクション・シーンが続きますが、こういう場面を見ると陳龍演じる武松のアクションGJ!と思ってしまいますね。

その後、孫二娘の店で行者に扮した武松は魯智深らの立て籠もる二龍山へと向かうことに。その途上で孔明・孔亮兄弟と出会いますが、酒場で孔亮が肉を買い占めたとブチ切れる武松さんには正直ガッカリだ。さっきのアクション・シーンでのカッコよさはどこへorz

そして武松が孔兄弟の屋敷で宋江と出会ったところで、主役が宋江に交替。清風寨の武知寨の「小李広」花栄のもとに向かうはずが、清風山で「錦毛虎」燕順らに捕らえられたり、同じく囚われの身となっていた文知寨劉高の夫人を助けたと思ったら、その劉高夫人の讒言で山賊の一味ということになって拷問されたりと散々な目に…… 花栄とともに清風山に逃げ込んだ宋江ですが、その清風山に青州兵馬総管の「霹靂火」秦明が討伐にやって来ます。

その秦明を計略で生け捕りにした宋江ですが、秦明を味方に引き入れるべく「矮脚虎」王英と、梁山泊から駆けつけた劉唐は秦明の武具を身につけて青州や附近の村落を襲撃。お陰で清風山から解放されて青州に帰還した秦明は知府の慕容彦達から裏切り者呼ばわりされ、家族を処刑されることに…… この場面は個人的に『水滸伝』でドン引きするシーンのナンバー3です。秦明は家族が殺されたのは慕容知府のせいだと納得して清風山に仲間入りしますが、そこでそういう風に納得できちゃうものなのか(-_-;)

清風山の一堂は梁山泊を頼って落ち延びることにしますが、宋江は一人敢えて流刑地の江州へと向かいます。そしてその途上で李立の酒場で一服盛られて「混江龍」李俊に助けられたり、膏薬売りの「病大虫」薛永に目をかけたばっかりに穆弘・穆春兄弟に追いかけ回されたりと様々なトラブルを経て江州に到着。監獄の院長の「神行太保」戴宗が呉用と知り合いということで、彼の計らいで快適な流刑ライフを送ることに。(こんなのばっかだな(^^;)) 



ということで、戴宗さんご近影。なぜかこんな髪型……

ここで『水滸伝』随一のバーサーカー李逵や、「浪裏白跳」張順も登場。原典でも、好漢たちがドシドシ登場するこのあたりが読んでて一番楽しいんですよね。しかし宋江、どこに行っても名前さえ名乗れば、「えっ!あの及時雨の宋公明さんですかっ!?」ということで名士として特別待遇になるんですが、元を正せば地方の一胥吏にすぎない宋江がどうして伝説の勇者並みの扱いを受けることになるのか、いつも『水滸伝』を読む(見る)たびに不思議に思うところです。江湖の人士のネットワークとか情報伝達の仕組みは一体どうなってるんでしょうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ともに待ち望もう、永遠の春を

2011年03月14日 | 雑記
『漢武大帝』のEDテーマ「等待」。



これを聞いていて、今の状況にぴったりの歌じゃないかと思いました(´・ω・`) 

実は『水滸伝』もぼちぼちと見続けているのですが、さすがに感想のアップの踏ん切りがつきません……
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『水滸伝』その5

2011年03月08日 | 中国古典小説ドラマ
『水滸伝』第27~31話まで見ました。

商売の帰りに立ち寄った酒場で妻の浮気を知らされた武大郎。酔客たちの協力を得て浮気現場に乗り込みますが、西門慶に返り討ちにあって半死半生の状態に。この時点では潘金蓮にもまだ良心の呵責というものがありましたが、それでも西門慶の言うがままに夫を毒殺してしまいます。

そして武松が出張より帰還。兄の死を知るや、潘金蓮と浮気の片棒をかついでいた王婆を問い詰め、短刀で王婆を刺すつもりが潘金蓮が自らその刃を受けて死亡。武松は潘金蓮の首を持って西門慶のもとに殴り込みに行きます。ここから武松VS西門慶となるわけですが、西門慶強い!何度も武松を追い詰めます。前回予測した通り、やはり武功高手だったようです(^^;)

壮絶なバトルの末に西門慶を討ち取った武松は、兄の墓前に潘金蓮と西門慶の首を捧げると、そのまま役所に出頭して自首。孟州への流罪を申し渡されます。で、孟州への途上で「母夜叉」孫二娘とその夫の張青の酒場に立ち寄り、あやうく人肉饅頭にされかかったり、やっぱり派手なバトルの末に3人で義兄妹の契りを結んだりといったイベントが発生。ここで孫二娘の生い立ちが語られます。(一応断っておくと、ドラマのオリジナル・エピソードです)

元々良家の子女で、父とともに暮らしていた孫二娘ですが、たまたま助けて家に招いた旅芸人4人組に父を殺され、自身も慰み者にされた挙げ句に遊郭に売り払われることに…… その遊郭から逃亡した後はチンピラどもを束ねて酒場を開店。羽振りの良さそうな客に一服盛って身ぐるみを剥ぐという商売に手を染めます。

そこへ客としてやって来たのが張青。痺れ薬を盛った酒を飲まされ、身ぐるみ剥がされて素っ裸の状態で適当な所に放置された張青ですが、うっかり孫二娘に惚れてしまい、彼女と結婚するために酒場に通い詰めては、痺れ薬を盛られて身ぐるみを剥がされ~というルーチンを繰り返します。張青さんはたぶんドMでなければ頭がおかしいのではないかと思います。 で、孫二娘の生い立ちを知った張青は彼女の仇の4人組の手首を切り取って彼女に差し出し、結婚を承諾されて酒場の主人に収まったという次第。

さて、孟州に着いた武松は監獄長の息子施恩の計らいで快適な監獄ライフを満喫することに。そしてその施恩の依頼で快活林を乗っ取った蒋門神と戦い、武松流酔拳で見事に勝利しますが……
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする