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田園の楽奏

2007-07-16 | 作品

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田園の楽奏【作品】 田園の楽奏 ヌーディズム 

 

 

 

田園の楽想

着想と下書き  ジョルジョーネ
加筆完成    ティツィアーノ 

 

 

近世(きんせい、英語:early modern period)とは、中世の絶対的宗教支配の時代から、力の強い者が覇権をとなえて、君主となり国家をたてた時代。早くはスペインなどであり、フランスがその雄姿を見せるのは、この作品が描かれた頃か。

王権は天賦のものであり、王侯はその系譜に於いて、ギリシャとかローマの神々に列なる。その居城を飾るべき絵は、やはり神話の世界が似付かわしい。近世の後期あたりから、ヌードを描くのに、神の姿に仮託して描く事が少なくなってきた。このルネッサンスの時代は、まだ裸を絵に登場させるには、それなりの物語が必要であったのだろうか。絵の中の井戸とも見える構造物は、芸術の中に宿る神意が止めどもなく湧き出す、泉と見ねばならない。ならば、左端でインスピレーションの清泉を汲むのは、ムーサ(古希: Μοῦσα, Musa)なのであろう。右のムーサは笛を手に持ち、その神の趣を今まさに奏でんと、する仕草に描かれている。


絵の中に多くの要素を取り込むには、構図が重要とは良く謂われること。

近景には女神たちと、その神意を承けて楽奏する、現世の貴公子ら。中景には羊飼いが居て、やはり笛を吹いて家畜らを楽しませているようにも見える。そして、邸宅が遠くに見えている。すべてこの世は何も憂きことは無し。そのような浮き世から隔絶した、心地よい叙情の世界に、二人の公達は遊んでいる。

 

 

 

 

 草上の昼餐 マネ

 

 

 

田園の奏楽 (Concerto campestre) 1511年頃
110×138cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

ヴェネツィア派の大画家ティツィアーノ初期に属される代表的な作品のひとつ『田園の奏楽』。長い間、黄褐色の画面から画家の兄弟子 ジョルジョーネ に帰属されてきた本作は、古代ローマを代表する詩人、ウェルギリウスによって書かれた叙事詩≪牧歌≫を元に、ナポリ出身の詩人によって再解釈された理想郷的神話を題材とする詩的寓話≪田園風景≫を描いたもので、身なりの良い赤い衣服を纏う貴族の青年と、おそらくはその従者であろう青年が、美を象徴する裸体のニンフらと音楽による会話をおこなう様子を表現している。このような自然と人間との心理的融合を示す解釈は当時の神話画の代表的な表現のひとつであり、現在では兄弟子ジョルジョーネが着手するも制作途中で死去した為、若きティツィアーノが様々な個所に手を加えて完成させたとされている。また本作は印象派を代表する画家エドゥアール・マネの問題作『草上の昼食』の制作において、重要な典拠を為す強いインスピレーションを与えたことでも知られている。

関連:エドゥアール・マネ作『草上の昼食』
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/tiziano_concerto.html 

 

 

 

 

 

 

 ラファエル・コラン 『フロレアル(花月)』 フロレアル(花月)

 

 

 

 ジョルジョーネ1478年頃 - 1510年

 

 

 

 

海藻の女

 イタリアの画家
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