●方法俳句433・リフレイン10・中岡毅雄3・2019-05-31(金)
○「とととととととととと脈アマリリス」(『啓示』2009)(→中岡毅雄3)
○季語(アマリリス・仲夏)(「俳句201303」より引用)(「365日で味わう美しい季語の花」・5/31アマリリス)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:「脈」の音と「アマリリス」の配合句である。まずは「オノマトペ」。「ととと」が脈の擬音語。その次の「と」が状態を表す助詞の「と」。その「ととととと」が繰り返されて「とととととととととと」となり、「リフレイン」の要素もある。
●色彩俳句433・緋色3・一枝伸1・2019-05-29(水)
○「水嵩の濁りに緋鯉屯して」(一枝伸1)
○季語(緋鯉・三夏)(「俳句界201305」より引用)「ミズカサノニゴリニヒゴイタムロシテ」【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:雨後に水嵩の増した池の水の濁りがある。その中にたむろする緋鯉の緋色の背鰭。緋色が鮮やかに見えているのではない。濁り水の中に見え隠れしているのだ。→緋色ひいろ#d3381c
●一枝伸(いちえだしん)
○好きな一句「荒縄で括る根回り白牡丹」2
○季語(白牡丹・初夏)(「俳句界201706」より引用)
【Profile】:1932年東京都出身。「扉」同人を経て、1997年「あだち野」創刊主宰。
●五体俳句433・手の甲1・中本真人1・2019-05-28(火)
○「払ひたる手の甲に蠅当りけり」(『庭燎』2011)(中本真人1)
○季語(蠅・三夏)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:掲句の状況に覚えがあります。「こつん」とした感触は微妙に手の甲に残ります。蠅にとっては痛くも痒くもないことなのでしょう。
●中本真人(なかもとまさと)
○好きな一句「上簇の零れ落ちしは壁を這ふ」(「新撰21」)2
○季語(上簇・初夏)(→「俳句空間―豈weekly」より引用)※じょうぞく【上簇】:成熟した蚕を、繭を作らせるため、蔟 (まぶし) に移し入れること。
【Profile】:1981年奈良県出身。2002年「山茶花」投句開始、→三村純也に師事。2009年共著『セレクション俳人・プラス・新撰21』に参加。「山茶花」飛天集同人。
●五感俳句433・嗅覚93・川村智香子1・2019-05-27(月)
○「焦げ臭き恋文を手に薔薇の中」(『空箱』2005)(川村智香子1)
○季語(薔薇・初夏)(→「湘南文芸TAK」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:「焦げ臭き」の意味を考える。手紙の文面の燃えるような恋の激情か。陽に焼けた古い手紙なのか。実際に燃やそうと投入した火から取り出した手紙か。燃え立つような薔薇の効力もあるのかも。
●川村智香子(かわむらちかこ)
○好きな一句「サングラスかけ何にでも口をだす」(『空箱』2005)2
○季語(サングラス・晩夏)(引用同上)
【Profile】:1941年神奈川県出身。1988年から1993年まで→黒田杏子に師事。1992年「顔」入会、→牧石剛明に師事、同人。顔賞受賞。2018年→瀬戸美代子の後を継ぎ「顔」主宰。