監督、ジョー・ライト。
「プライドと偏見」、それから「つぐない」。「路上のソリスト」も彼の監督だ。
イギリス人らしい、生真面目で骨格をきちんと埋め込んだような、正統派映画をこれまで作ってきた。
文芸作品を映画化してきたからだろうか、彼にはアクション映画とかサスペンス映画はどうも似合わない。
というか、イメージにない。
これこそ、意味の無い偏見かもしれないけれど・・・。
そして、主演のシアーシャ・ローナン。
ジョー・ライト監督による映画「つぐない」で大好評を博し、続くピーター・ジャクソン監督(この監督も大好きだ!)と「ラブリーボーン」を撮った。
今一番注目株の若手女優である。
それに、まだ17歳。
作品を選ぶ目も大したもので、旬の監督、今出演すべき映画をきちんとセレクトしている。
その2人が再びタッグを組んだ。
映画「ハンナ」である。
前評判はすこぶるいい。
かなりの注目度だ。
今週号「週刊文春」の映画評コラムでも選者たちの評価は高かった。
別に「週刊文春」の映画評だけをいつも参考にしているわけじゃないんだけれど、ちょうど封切り作品に合わせる形で掲載しているから、とてもこのコラム便利なのだ。
☆☆☆☆☆満点に近い、☆☆☆☆が「ハンナ」には多かったように思う。
映画のキャッチ・コピーも、【16歳の無垢な少女ハンナ、教えられたのは殺しだけ─。『ニキータ』『レオン』に次ぐ新たなヒロイン誕生!】と、かなりそそられる。
これは、観たいっ!
映画の冒頭、厳寒のフィンランド森林地帯が映し出される。
射るような眼差しで野生の鹿を追い詰める、少女ハンナ。
彼女は、獲物を心臓一発で射抜くことが出来ず、長らく生き絶え絶えながら苦しめたことに対し、死に掛けの鹿へ「ごめんね」と哀しそうに謝り、その場で射殺する。
この冒頭シーンがいい。
銃を向けて発射した瞬間(つまり、画面では観客に向って銃を発射するように見せ)、今度は画面が突然変わり、そこに「HANNA」と大きくタイトルが浮かび上がるのだ。
面白い映画になりそうな予感がしてくる。
ハンナは、父と森の中の電気の無い一軒屋に住み、狩で獲物を捕らえ、それをさばき、父から格闘技の手ほどきを受けながら、英語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語など世界各国の言葉を習い、厳しい訓練に耐え抜いている。
2人には、ある人物の復讐という究極のミッションがあった。
そのために、2人は厳寒のフィンランドから脱出を図り、別々な進路を取りながら、目的遂行のための長い旅へと出発する・・・。
コンテナ施設での、追っ手とハンナとの手に汗握る追跡戦。
ハンナの父と追っ手とによる、地下鉄広場におけるワンカット・ワンシーン長回し格闘シーン。
ラスト、父、ハンナ、殺し屋、そして事件の鍵を握っているCIA捜査官ケイト・ブランシェットらによる凄まじい大追っ掛け劇。
見せ場は色々用意されているけれど、どれもこれも、肉体を全面的に駆使した戦いとなっていて、CGとかお決まりのカーチェイスとかを極力排し、ハンナも父親役のエリック・バナも最初から最後までとにかく全速力でスクリーンの中を走り抜く。
ただし、ハリウッド・アクション映画のような、全編ノンストップ・アクション活劇を期待すると肩透かしを食らうだろう。
あくまでも静かで、ひんやりとした質感だけが全体を覆っていて、カタルシスとか高揚感のようなものは、この映画にはほとんど感じられない。
アートっぽい感覚も随所に見受けられ、ジョー・ライト監督による新感覚サスペンス・アクション映画というのが正解。
なので、期待はずれだというひとも中にはいるだろうなあ・・・。
「プライドと偏見」、それから「つぐない」。「路上のソリスト」も彼の監督だ。
イギリス人らしい、生真面目で骨格をきちんと埋め込んだような、正統派映画をこれまで作ってきた。
文芸作品を映画化してきたからだろうか、彼にはアクション映画とかサスペンス映画はどうも似合わない。
というか、イメージにない。
これこそ、意味の無い偏見かもしれないけれど・・・。
そして、主演のシアーシャ・ローナン。
ジョー・ライト監督による映画「つぐない」で大好評を博し、続くピーター・ジャクソン監督(この監督も大好きだ!)と「ラブリーボーン」を撮った。
今一番注目株の若手女優である。
それに、まだ17歳。
作品を選ぶ目も大したもので、旬の監督、今出演すべき映画をきちんとセレクトしている。
その2人が再びタッグを組んだ。
映画「ハンナ」である。
前評判はすこぶるいい。
かなりの注目度だ。
今週号「週刊文春」の映画評コラムでも選者たちの評価は高かった。
別に「週刊文春」の映画評だけをいつも参考にしているわけじゃないんだけれど、ちょうど封切り作品に合わせる形で掲載しているから、とてもこのコラム便利なのだ。
☆☆☆☆☆満点に近い、☆☆☆☆が「ハンナ」には多かったように思う。
映画のキャッチ・コピーも、【16歳の無垢な少女ハンナ、教えられたのは殺しだけ─。『ニキータ』『レオン』に次ぐ新たなヒロイン誕生!】と、かなりそそられる。
これは、観たいっ!
映画の冒頭、厳寒のフィンランド森林地帯が映し出される。
射るような眼差しで野生の鹿を追い詰める、少女ハンナ。
彼女は、獲物を心臓一発で射抜くことが出来ず、長らく生き絶え絶えながら苦しめたことに対し、死に掛けの鹿へ「ごめんね」と哀しそうに謝り、その場で射殺する。
この冒頭シーンがいい。
銃を向けて発射した瞬間(つまり、画面では観客に向って銃を発射するように見せ)、今度は画面が突然変わり、そこに「HANNA」と大きくタイトルが浮かび上がるのだ。
面白い映画になりそうな予感がしてくる。
ハンナは、父と森の中の電気の無い一軒屋に住み、狩で獲物を捕らえ、それをさばき、父から格闘技の手ほどきを受けながら、英語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語など世界各国の言葉を習い、厳しい訓練に耐え抜いている。
2人には、ある人物の復讐という究極のミッションがあった。
そのために、2人は厳寒のフィンランドから脱出を図り、別々な進路を取りながら、目的遂行のための長い旅へと出発する・・・。
コンテナ施設での、追っ手とハンナとの手に汗握る追跡戦。
ハンナの父と追っ手とによる、地下鉄広場におけるワンカット・ワンシーン長回し格闘シーン。
ラスト、父、ハンナ、殺し屋、そして事件の鍵を握っているCIA捜査官ケイト・ブランシェットらによる凄まじい大追っ掛け劇。
見せ場は色々用意されているけれど、どれもこれも、肉体を全面的に駆使した戦いとなっていて、CGとかお決まりのカーチェイスとかを極力排し、ハンナも父親役のエリック・バナも最初から最後までとにかく全速力でスクリーンの中を走り抜く。
ただし、ハリウッド・アクション映画のような、全編ノンストップ・アクション活劇を期待すると肩透かしを食らうだろう。
あくまでも静かで、ひんやりとした質感だけが全体を覆っていて、カタルシスとか高揚感のようなものは、この映画にはほとんど感じられない。
アートっぽい感覚も随所に見受けられ、ジョー・ライト監督による新感覚サスペンス・アクション映画というのが正解。
なので、期待はずれだというひとも中にはいるだろうなあ・・・。