信頼される人達!

紀元前にさかのぼる。周の春秋時代。鄭が周王に変わって勢力を伸ばし、中華の覇者である。ところが不安定な時である。貴族社会なので民衆は苦しんでいる。その中で菅仲が活躍していく。親友の鮑叔(ほうしゅく)に誘われての斉に赴く。鮑叔は公子白の傳となり、菅仲は公子糾の家宰となる。君主の座をめぐる争いで、二人は戦場で敵同士となる。菅仲は待ち伏せて、公子白をめがけて矢を放つ。見事に当り、一命を奪ったかのように見えた。しかし腹部の帯鉤に当ったおかげで公子白は助かったのである。斉都に公子白が入城して、君主になる。後の斉の名君恒公である。全て鮑叔の力と智恵により、公子白が君主と成りえたのである。菅仲は捕らえられる。恒公は菅仲によって命を狙われた身であり、処刑に値する。ところが鮑叔は恒公を諌めて、菅仲に宰相にさせた。当然鮑叔が宰相になるところである。が彼は身をひき、菅仲の才能を知っているので彼を推挙したのである。彼の私欲のない男らしさは見事である。また恒公も心の広さをみせた。
その後、菅仲により、国内は裕福になり、中華の覇者となるのである。
「草廩(そうりん)実ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る」は彼のモットーである。
「諭卑(ろんひく)くして行い易し」まさに民衆に分かり安く、営みもうまく運営して行ったのである。(宮城谷昌光氏の「菅仲」を参考)
今の政治家に望みたいが無理だろうか。
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