うえぽんの「たぬき鍋」

日々のつれづれ、野球ネタ、バカ話など、何でもありの闇鍋的世界?

本日はお日柄も良く胃も痛くPart1

2005-05-04 18:00:16 | 雑記
前回の記事でちょこっと予告した、結婚式騒動の話を書かせていただく。

数年前の秋、大学時代の同級生Aくんの結婚式に呼ばれ、彼の郷里である群馬県桐生市を訪れた。群馬県は同じ関東といえども、私の家からはメチャメチャ遠い。というわけで、Aくんの「ホテルの部屋取ってあるから、前の日に来て泊まればいいじゃん」という言葉に甘え、前日の夕方に桐生入りした。実はこの彼の「前日から来て…」の誘いに、彼のお母様の恐ろしい策略が込められていたことに、その時はまだ気付く由もなかった。

それまで、2回ほど結婚式に呼ばれたことがあるのだが、1回目はk-suke氏夫妻のレストランウェディング(in六本木)、2回目は風爺ぃ氏夫妻の披露宴2次会(in舞浜・イクスピアリ)。いわゆる式場でやる本格的な結婚式に出席するのは今回が初めてで、かなり緊張していたのである。浅草から東武線に乗って桐生に向かっている時も、妙にドキドキしていたのを思い出す。お祝いをいくら包めばいいのかも見当が付かないので、銀行で前もって多めに下ろしておいて、同じく前日入りして泊まる友人と相談して決めることにしていた。いわゆる「結婚式ドシロウト」だったわけで、まさかその上にあんな重荷を背負わされるなんて…。

実は、直前に余興を一つ頼まれていた。一曲歌って欲しいという。歌うのは私一人ではなく、これまた同級生のタカシくんと一緒だから恥ずかしがらなくてもいいという。あまり気は進まなかったがピンじゃないならまぁいいか…ちなみに曲は?と聞いたら大滝詠一の「幸せな結末」だと言う。migratorybird氏がカラオケで歌っていたのは聞いたことがあるが、詳しい歌詞もメロディも知らない。「いざとなりゃタカシくんが何とかしてくれるから大丈夫だよ」とAくんは言う。「そうは言うけどアンタ、一族郎党の前でぶざまな姿なんて見せられないでしょうがー!」と駄々をこねてみたが、練習の機会を作ってくれるというので、結局飲まされた(結局練習は前日夜ギリギリになったのだが)。

駅で降りると、既にAくん本人が車でやってきていて待ちかまえていた。「よー、久しぶりー!元気だったー?」なんて再会を喜びあったのだのだが、直後にAくんが「実はもう一つ余興のお願いがあるんだけど…」とニヤニヤし始めた。「え?歌だけじゃなくて??」背筋がゾクッとした。

「連歌(れんが)詠んでくれない?」

「な、何ですとー!?」( ゜д゜)ポカーン

連歌とは、リンク先の説明にもあるのだが、複数の人間で上の句と下の句(五七五と七七)を順繰りに作っていく和歌のことである。今回の結婚式は、前出のタカシくんの他に、ユウキ、ピートといった大学の同級生連中が出席するので、みんなでぜひ作って欲しいというのである。誰が発案したのか聞いたら、Aくんのお母様だという。「文学部出身だからそういうの得意でしょ!」とお母様はノリノリだったそうだ。
待て待て待て待て、ちょっと待って下さいなお母様。確かに、確かに我々は文学部卒ですが、全員専攻したジャンルが全然違うんですよお母様。ちなみに私は井原西鶴を中心とした近世散文、タカシくんは平安朝文学、ユウキは源氏物語、ピートに至っては同じ文学部でも中国文学科専攻でもって、連歌の何たるかは少しは理解していたが、誰一人として本格的に学んだ経験のある人間がいないのだ。しかも、式の前日にそんな大事頼まないでおくれよぅ。ユウキとピートはもう来ているけど、タカシくんは仕事(高校教員)の関係で当日入りなんだよぅ。ただでさえ歌の準備もしてないのに、これ以上仕事増やさないでおくれよぅ。
途方に暮れるとはまさにこのことだ。既に桐生市は日が暮れていたが、それ以上に目の前が真っ暗になった。何とかならないのかと泣きついたが、既に司会者などに言いつけてしまったらしく、もはや断りようのない状況に立たされてしまっているとAくんは言う。「わかった。何とかするわ」そう答えるしかなかった。

そのお返しかどうかは知らないが、ホテルに荷物を置いた私とユウキとピートの3人はAくんの実家に招かれ、これでもかというぐらいもてなされた。ヨメさんと初対面し、お母様を始め親族から「明日よろしくお願いします。楽しみ~!」と言われ、さらにプレッシャーがかかる。いくら飲んでも酔えやしない。イヤ、酔っちゃまずいのだ。もう時間がないのである。ユウキとピートに「お前らも言われるままに飲んでねぇでちっとは考えといてよ!頼むよ!」と言ったがヤツらはどうにもお気楽で「何とかなるでしょ」と頼りない。ダメだ!コイツら使えねぇ!最悪、オレが全部考えるしかないのか…心の中で少し覚悟しておく。
その後、桐生駅前のカラオケボックスに連れて行ってもらい、「幸せな結末」を練習する。これは比較的メロディが平易なので何とかなりそうだ。しかし、問題は連歌の方だ。歌っていても頭の中にそればかりが浮かんで落ち着かない。出だしさえ思いつけば…しかし、全く頭の中に閃くものがない。弱った。
ホテルに戻って3人で作戦会議を立てるも、ユウキもピートもすっかり出来上がってしまい、考えるどころではない模様。ユウキ、アンタ教師でしょうが、オレより頭いいはずじゃんよ…でも、さっぱりダメだった。結局、何にも決まらないまま床につく。さっきの覚悟をいよいよ本格的に意識し始めた。

(次回「本日はお日柄も良く胃も痛くPart2」に続く)

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