天は二物を与えず （３）

若い頃を振り返ってみるに、何かにつけてどうも正規分布の右端ばかりに気を囚われていて、意味のない羨望やら劣等感に陥いることが多かった。当然左端の２σもあるわけだがそちらの方には関心は薄かった。
ヘレン・ケラーは三重苦の障害を抱えていた。やはり何千人とか何十万人に一人は重い障害や難病を抱えている人がいるという、正規分布が教えるこの現実の厳しさを目の当たりにすると、右端への羨望など人生の本質から外れた薄っぺらな思いであることを痛感した次第である。