負けない MCTDとの気ままな日々

MCTD、シェーグレン症候群である大学生の気ままな毎日をリポートします。

研究に年齢は関係あるのか?

2024-03-21 08:38:00 | 研究室ぐらし(博士のタマゴ)
医学研究科の年齢層はかなり幅広く、見た目が大変若い方もいるので話題に用心しなければいけません。

おはようございます。

最近、界隈で物議を醸しているお話です。「シニア大学院生(37歳〜40歳くらい)を受け入れない」とするラボはどうなんだという話。いやこれそんなに珍しい話じゃないんですけどね。分野変更やシニアは結構嫌がられることが多いんですよ。博士から分野変更した私も入学前に10軒ほどラボを当たりましたが、メールが返ってきたのが5軒、面談まで漕ぎ着いたのが3軒、受け入れOKが出たのが2軒とどんどん減っていきました。

まあでもね、学生として学部、修士、博士と研究を重ねていますが、言わんとすることは分からんでもないです。研究は確かにものによっては「適齢期」があります。特に数理解析などの頭を使うラボでは早ければ早いほどど素人でも身につきます。そしてこういう分野は、だんだん頭の回転が鈍ってくる前に、自分で手を動かさずに済むようになる、という塩梅なのです。しかし純粋なバイオ実験にはあまり適齢期を感じません。実際50過ぎてもご自身で手をうごかす方もいると聞きます。

ただ現実的に見ますと、多くの大学院生向けの奨学金や若手向け研究支援は年齢制限が40以下、または35以下に設定されていて、シニア大学院生の道のりは過酷です。研究費の面でいけば、年齢制限に引っかかるといわゆるPI向けの支援しか応募できなくなります。まだ業績が数えるほどしかない方が、論文を何十本と書いた先生と戦わなければならない、という無謀さはアカデミアなら誰でも想像していただけることと思います。したがって、選択肢という意味で、厳しい岐路に立たされる可能性はあります。その面で耐えられるかは、ご本人、それからご家族ともよく相談してください。

ただし、学生としてはPIの先生にもこの制限の使用は熟考していただくことをお勧めします。なぜなら、業務経験などが研究に活きる場合があること、年齢だけで能力は決まらないこと、があるからです。特に医学、医工学などでは専門学校を卒業された臨床工学技士、その他医療職が業務経験を経て大学院に進学する場合があります。この場合、研究歴こそないものの、業務から得られた問題意識や課題解決能力に優れている場合があります。また、私の同期にも50代の大学院生や40代の大学院生などがいますが、彼らは家庭と研究を両立させながらしっかり成果を出しています。もちろん、ストレートで研究の世界に入った先生方からは理解し難い研究感などをお持ちの場合や、予想以上に両立が大変だったなどのミスマッチもあるかとは思いますが、それは早くアカデミアに入った人間の悪いところでもあると私は感じる次第です。(私もそうですがストレートアカデミア勢は家族を持ちながら研究する難しさは経験していないから想像するしかありませんし、仕事が研究に活きるということもピンとこないということもあるでしょう)何よりこの自由な学び直しが許される時代に、「研究の仕方を学んで学位を得る」ことに年齢は不要だと感じています。

確かに分野次第では一流の研究者になる適齢期はすぎるかもしれませんが、私は「全員が一流の研究者になる必要はない、学位は人生を豊かにするためのものだ」という認識ですので、PIになった暁にはおそらくシニア大学院生は積極的に受け入れていくと思います。
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