JR東海の松本正之社長が12/26に村井長野県知事をたずねてリニア整備計画への協力の挨拶をした。いよいよリニアによる駆引きが現実化するわけで、へたをすると長野県内には大きなしこりを残すことになる第一歩だったのかもしれない。これまでにも何回も触れてきた。
長野県の地方区域分類という視点から
もっと足元を見なくては
分離を助長するお役所
中央リニアについて三度
冷静に考えるべき
中央リニアのベストな構想
分県もありうる
中央新幹線建設報道にみる
「長野県の一部がごり押しする迂回ルートと、日本全国で当たり前とする直線ルートのせめぎあいが始まりました」などということを言う伊那谷の人もいる。しかしよく考えてみると、やはり南アルプスの直下に穴を開けるのに抵抗のある人はいるはずだ。ところが直線ルート上においてこれを口にする人は極めて少ないというよりは、村八分にされるのではないかというほどに直線が当たり前という雰囲気がある。もちろんルート上とはいえ、通過するだけの地域の人々は反対したいところだろうが、そう遠くないところに駅ができるなら、という期待感がどこかにあるだろうし、周辺地域全体がそういう意識でいる以上、「反対」などとはちょっと言えないというのが田舎の現実なのかもしれない。
妻がやはりという感じにこのことに触れ、「伊那谷自然友の会とかは反対していないの」などとわたしに聞くが、わたしに聞くよりは付き合いのある先生方に自ら聞いてみた方が早いだろう。そもそも迂回してルートが長くなるよりは、見えないところを最短で行く方が自然破壊は少ないかもしれない。などというと、妻はそもそも長野県など通らなければ良い、などという。確かにそれが最も自然への影響は少ない。
現実味を帯びてくると「駅がどこに」という話が賑わう。長野県が求めている迂回ルート沿線の人口は、諏訪208,139人(ウィキペディア最新データより)、上伊那192,678人、下伊那171,870人である。三つも駅を造ったら一駅あたりの人口は平均20万人程度となる。もちろん諏訪地域には周辺地域が付随するから、たとえば松本圏の安曇野市まで含めた人口430,685人ともし二つとした場合の上伊那を加えると政令指定都市並みの人口にまで跳ね上がる。ところがこの場合は駅を諏訪圏に置かないと松本圏の人々は使いづらい。ここから解ることは、より多くの人々の利用価値を上げるには、どうしても諏訪圏まで迂回させないと意味がないということである。だからこそ長野県がごり押しするのも当然なのだ。そこへいくと直線ルートとなれば下伊那地域に駅ができる(一県一駅という思想にあわせれば)。下伊那地域の周辺を見てみよう。前述したように上伊那は192,678人。合計しても364,548人これに加えられる人口はない。岐阜県側の駅は、名古屋との距離を考慮すればそれほど名古屋近辺になることはない。とすれば中津川などということになれば、恵那山の向こう側の人々が下伊那にできる駅を利用することはない。そして南側地域に至っては山間地域ということや、飯田まで遠いという立地から名古屋に出た方が早い。ようは長野県の南端を通すというルートは、周辺人口からして地域性からみれば実は問題が多いということになる。それを地域エゴと言ってしまえば、では地域とは何かということになってしまう。そして下伊那地域に駅となれば、松本圏の人々はまず利用しづらい。中央線や篠ノ井線の特急で松本から長野が1時間ほど、南へは木曽福島まで1時間ほどという位置にある。木曽福島と緯度の同じくらいにある伊那市がそこそこということになる(ただし飯田線へ直接乗り入れられる環境を整えてのことであるが)。それより南に下ってしまうと、時間がかかりすぎてしまうということである。
もうひとつ問題なのはこれも以前から触れている在来線とのかかわりである。東京から甲府まではリニアと在来線が平行する。駅を一県にひとつ造るということはそれらと絡んでくる。何も造らないといえば在来線が消されることもないだろうが駅を造る以上は人口の少ない地域の在来線は地元に下ろされる。とすると中途半端に在来線が消されると、たとえば諏訪や松本の人々は大きな痛手となる。直線ルートで了解したとしても、さらに在来線まで消されてしまったらマイナス効果となってしまう。もっといえば中津川あたりに駅が造られると中央西線も消されてしまう。これは大変なことである。
たとえばの話、富士山の直下に穴を開けるといったら多くの人が反対するのではないだろうか。もちろん活火山であるからそんなことは現実としてありえないが、それを南アルプスに置き換えると反対しないというのは南アルプスに対しての思い入れの違いか、ということになる。南アルプスを世界遺産に、という動きがあるが、それを理由に迂回させろといっているのも胡散臭いが、開けてもいいじゃないかと言っている人たちが南アルプスを世界遺産に、などという資格はない。ようは南アルプスをその程度にしか見ていないということだ。
周辺人口ということを考慮すれば、こんなルートがあってもよい。山梨から南アルプスを南に迂回して浜松市の北側を通過して名古屋へ向かう。こうすれば長野県と岐阜県は通過しない。名古屋の次ぎの駅は「浜松」、浜松市民にとってちょっと使いづらいことになるかもしれないが、813,615人の市域人口は諏訪地域に駅を造った場合の周辺人口を上回る。いずれにしても中津川-飯田間も近すぎるという感じがするがどうだろう。
長野県の地方区域分類という視点から
もっと足元を見なくては
分離を助長するお役所
中央リニアについて三度
冷静に考えるべき
中央リニアのベストな構想
分県もありうる
中央新幹線建設報道にみる
「長野県の一部がごり押しする迂回ルートと、日本全国で当たり前とする直線ルートのせめぎあいが始まりました」などということを言う伊那谷の人もいる。しかしよく考えてみると、やはり南アルプスの直下に穴を開けるのに抵抗のある人はいるはずだ。ところが直線ルート上においてこれを口にする人は極めて少ないというよりは、村八分にされるのではないかというほどに直線が当たり前という雰囲気がある。もちろんルート上とはいえ、通過するだけの地域の人々は反対したいところだろうが、そう遠くないところに駅ができるなら、という期待感がどこかにあるだろうし、周辺地域全体がそういう意識でいる以上、「反対」などとはちょっと言えないというのが田舎の現実なのかもしれない。
妻がやはりという感じにこのことに触れ、「伊那谷自然友の会とかは反対していないの」などとわたしに聞くが、わたしに聞くよりは付き合いのある先生方に自ら聞いてみた方が早いだろう。そもそも迂回してルートが長くなるよりは、見えないところを最短で行く方が自然破壊は少ないかもしれない。などというと、妻はそもそも長野県など通らなければ良い、などという。確かにそれが最も自然への影響は少ない。
現実味を帯びてくると「駅がどこに」という話が賑わう。長野県が求めている迂回ルート沿線の人口は、諏訪208,139人(ウィキペディア最新データより)、上伊那192,678人、下伊那171,870人である。三つも駅を造ったら一駅あたりの人口は平均20万人程度となる。もちろん諏訪地域には周辺地域が付随するから、たとえば松本圏の安曇野市まで含めた人口430,685人ともし二つとした場合の上伊那を加えると政令指定都市並みの人口にまで跳ね上がる。ところがこの場合は駅を諏訪圏に置かないと松本圏の人々は使いづらい。ここから解ることは、より多くの人々の利用価値を上げるには、どうしても諏訪圏まで迂回させないと意味がないということである。だからこそ長野県がごり押しするのも当然なのだ。そこへいくと直線ルートとなれば下伊那地域に駅ができる(一県一駅という思想にあわせれば)。下伊那地域の周辺を見てみよう。前述したように上伊那は192,678人。合計しても364,548人これに加えられる人口はない。岐阜県側の駅は、名古屋との距離を考慮すればそれほど名古屋近辺になることはない。とすれば中津川などということになれば、恵那山の向こう側の人々が下伊那にできる駅を利用することはない。そして南側地域に至っては山間地域ということや、飯田まで遠いという立地から名古屋に出た方が早い。ようは長野県の南端を通すというルートは、周辺人口からして地域性からみれば実は問題が多いということになる。それを地域エゴと言ってしまえば、では地域とは何かということになってしまう。そして下伊那地域に駅となれば、松本圏の人々はまず利用しづらい。中央線や篠ノ井線の特急で松本から長野が1時間ほど、南へは木曽福島まで1時間ほどという位置にある。木曽福島と緯度の同じくらいにある伊那市がそこそこということになる(ただし飯田線へ直接乗り入れられる環境を整えてのことであるが)。それより南に下ってしまうと、時間がかかりすぎてしまうということである。
もうひとつ問題なのはこれも以前から触れている在来線とのかかわりである。東京から甲府まではリニアと在来線が平行する。駅を一県にひとつ造るということはそれらと絡んでくる。何も造らないといえば在来線が消されることもないだろうが駅を造る以上は人口の少ない地域の在来線は地元に下ろされる。とすると中途半端に在来線が消されると、たとえば諏訪や松本の人々は大きな痛手となる。直線ルートで了解したとしても、さらに在来線まで消されてしまったらマイナス効果となってしまう。もっといえば中津川あたりに駅が造られると中央西線も消されてしまう。これは大変なことである。
たとえばの話、富士山の直下に穴を開けるといったら多くの人が反対するのではないだろうか。もちろん活火山であるからそんなことは現実としてありえないが、それを南アルプスに置き換えると反対しないというのは南アルプスに対しての思い入れの違いか、ということになる。南アルプスを世界遺産に、という動きがあるが、それを理由に迂回させろといっているのも胡散臭いが、開けてもいいじゃないかと言っている人たちが南アルプスを世界遺産に、などという資格はない。ようは南アルプスをその程度にしか見ていないということだ。
周辺人口ということを考慮すれば、こんなルートがあってもよい。山梨から南アルプスを南に迂回して浜松市の北側を通過して名古屋へ向かう。こうすれば長野県と岐阜県は通過しない。名古屋の次ぎの駅は「浜松」、浜松市民にとってちょっと使いづらいことになるかもしれないが、813,615人の市域人口は諏訪地域に駅を造った場合の周辺人口を上回る。いずれにしても中津川-飯田間も近すぎるという感じがするがどうだろう。
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