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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

小布施町中条の道祖神

2016-09-08 23:16:29 | 民俗学

 

 小布施の町の中で車をどこに停めようかと探していて見つけたのが中条神社東側の県道脇である。そもそも脇にある県道は片側1車線の2車線道路であるものの、車は滅多に通らない。したがって車を停めやすい空間なのだ。その脇の空間に石仏が何基も並んでいた。庚申塔が多いようだが、その中に写真のような道祖神が立つ。「昭和五十二年四月吉日再建」とあるから、以前あった道祖神の再建バージョンである。表面を加工した綺麗なものであるが、「道祖神」の右脇に「書者 舟亭」と刻まれている。再建される前の道祖神はどうしたのか解らないが、写真でも解るように、文字碑の前に別の道祖神がある。双体像を刻んだもので、『小布施町の石造文化財』(小布施町教育委員会 平成元年)に掲載されている写真にはこの双体像は写っていない。新しくどなたかが寄進したものか。さらにその脇に木造の道祖神も祀られている。奥信濃に多い木造の道祖神で、前掲書にも双体道祖神を祀っている松村地区に関して「厄年の人が正月十四日の物作りの団子の木でこしらえた男女一対の人形を供えると、厄除けになるという」と記されている。

 小布施町には前掲書によると15基の道祖神が報告されている。双体像のものは2基のみで、あとは文字碑あるいは自然石である。銘文のあるものでは寛政元年(1789)のものが最も古いものの、年銘が刻まれた道祖神そのものが少ない。

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