Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

モノの使いやすさを問う・その3「刈払機」

2016-09-04 23:19:46 | 農村環境

 今年最後にしたい、そう思って刈ったいつもの大きな土手、今年3回目だろうか。ということは比較的伸ばした状態で刈るのがいつもなのだが、今回は前回からそれほど時間がたっていないのと、暑すぎるせいか前回以降の伸びがそれほどではなかった。いつも通り、刈ったあとの始末が面倒くさいのが厄介な種なのだが、最近は慣れてきて段取りしだいとも思っている。この土手は法尻に側溝があって、もちろんその脇には舗装路面がある。そして側溝上には石積があって、ふつうの土手を刈るようなわけにはいかないのと、石積に続く土手は急峻。したがって下の道路からそこそこまでの高さまで刈りたいというわけだ。これまで下から石積まではナイロンカッターの刈払機を使って、その上の急峻な土手は石積の天端に上って届くところまで刈って、その上は急峻な土手に足を置く場所を確保しながら刈っていた。この最後の作業が最も厄介な作業だったのは言うまでもないのだが、歳を重ねてくると、急峻な土手に不安定な足場を見つけて草を刈るのは、危険を伴う。そこで今回は少し手法を変えた。前述したように下の道路から届くところ目一杯までを刈り、畔上から届くところまでいっぱいを上から刈って、残った部分を石積の天端から刈ってすべてを終えることができた。今までとどこが違うんだ、ということになるが、使った刈払機をすべてナイロンカッターに変えた。

 妻に言わせると「力がない」というナイロンカッターをつけた刈払機は、そのメーカーで最も軽いタイプのもの。確かにナイロンカッターで草をかる際には馬力のあるものの方が良いと言われるが、2台の刈払機を常用するつもりなら、むしろ力のない刈払機の方が我が家の環境には合っている。というのは、刈払機が軽いため、遠くまで手を伸ばして刈ることができる。もっと言うと、片手で刈ろうと思えば刈れないことはない。もちろんチップソーでは雰囲気で刈ると土を叩いたりして刃を飛ばしてしまうが、ナイロン製のものならやたらに回してもそれなりに刈ってくれる。だからチップソーに比較すると50センチくらい遠くを刈るのも容易だ。それでいて「軽い」となると、片手で手を伸ばして刈ることができ、この条件がいつもなら急峻な土手に足を掛けなくてはならなかった作業を省いてくれることに。ナイロンカッターの刈払機は、そうはいってもマイナーな存在。ようは茎の太いものや、株が図太い草には無抵抗だ。したがって柔らかい、いってみれば優しい作業向きということになるが、前述したように2台常用するつもりでいればナイロンカッターの方が断然有利な環境がいくらでもある。ふつうの平地の畦畔の草をかる程度なら、ナイロンカッターだけで十分。もちろん山間であっても、草をそれほど伸ばさずに刈るのなら十分なのである。加えて、実はナイロンカッターの方が刈り払う速度は早い。もちろん石や障害物に気を払わなくても良いというメリットもあるが、かなりいい加減に地面を撫でるようにナイロンカッターを動かしてもそこそこの刈払いをしてくれる。ナイロンを長めに出して刈れば、明らかにチップソーなど鉄製の刃に比べて早いことを体感できるはず。それともうひとつのメリットは、刈った草の量がチップソーで刈った場合とナイロンカッターで刈った場合でかなり違う。もちろんナイロンカッターの方が少ないのだが、どこへいってしまうのか、ということになるだろう。はっきりしたことは言えないが、散り散りにして周囲に飛散させている量がかなりあるのかもしれない。ナイロンカッターを使ったことのない方は、「力がない」などという先入観を捨てて使ってみることだ。もちろん小石が飛散するので、住宅の近くや車の近く、そして人がいるところでは使わないことだが。

 さて、そんなことを思いながら「あるのなら」、と思ったのは柄の長い刈払機。ようはもっと遠くまで届けば、無理な体勢で刈るリスクは減る。調べると1.5倍くらい長いものもあるようだ。とはいえ、これもまた常用するのには長すぎるという厄介さも抱えるから、届かないようなところだけのためにわざわざ買うには、まだわたしの年齢と環境からは冒険かもしれない。

 

 

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