Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

「裏道」の「裏道」を選ぶ人

2016-08-25 23:18:48 | ひとから学ぶ

 南箕輪村の田畑から伊那市内へと向かう道でのこと。いわゆる幹線道路ではない「裏道」と言われるようなこの道は、国道153号線の新たなバイパスから市街地へ向かう際に利用される「裏道」にあたる。さすがに「裏道」ということだけあって、途中には相手の通過するのを待ってからでないと渡れない橋があったりして、マニア向けの道であることは違いない。間もなく市街地というあたりに差し掛かったとき、後ろに軽乗用車が接近してきた。当時わたしも2車線あって直線だったということもあって60キロ以上は出していたと思う。したがって軽自動車は同じくらい、あるいはそれ以上出していたかもしれない。市街地に入るといわゆる2車線はなく、軽自動車なら楽々、軽自動車と乗用車なら減速して、というすれ違い感覚の狭さで、いってみれば下手くそな方は、行き違う際にいずれの自動車に乗っていても徐行から停止するくらいしないとすれ違いができないこともある。ようはそれまでの流れから急激にスピードダウンすることはいつものことなのだが、マニア向けということで通行量はそれほど多くなく、対向車がいなければ40キロから50キロほどの速度で走る車は普通だ。ようは前に遅い車がいなければ、あるいは対向車が続いてやってくるような状況でなければ、普通に走れば普通に市街地の中心道路に結ばれる。

 ところが、前述のように前方に「遅い」雰囲気があれば、さらに迂回する「裏道」というやつがある。わたしも時折利用することはあるが、10回走っても1回その「裏道」を使うか使わない程度の道。この日前方に1台車は見えていたが、それほど「遅い」という雰囲気でもなく、「裏道」の「裏道」を選択するかどうかなどと頭にもよぎらなかった。ところがである。後ろについていた車は、迷わずその「裏道」の「裏道」に右折した。たまたまその先に家があるかもしれない、とは考えられるが、ここまでの流れ(そこそこ出していた私についてきて、さらに接近してきた)を見ると、「裏道」の「裏道」として選択したのではないかという予測もした。

 予想通り、普通に車は進み、市街地の中心道路に入る信号機にたどり着いたのだが、これもまた予想通り、「裏道」の「裏道」に入った軽自動車がその「裏道」からわたしの通過した道に出るところから先に姿を見せていた。やはりわたしの想定通り、軽自動車は明らかに「裏道」の「裏道」としての期待に裏切られていた。もちろんわたしは「そこまでして前の車より前に出たいのか」と呆れたのは言うまでもない。実はこの軽自動車を運転していた方、直線道路で走っている際にうかがっていたが、30代くらいの女性だ。ふだん常用している道なんだろう、さすがにこの「裏道」の「裏道」を使って市街地に入ろうとする車は100台いても1台あるかないかくらい。速さではなく、狭い道を対向車とすれ違うのが嫌だから通行量の少ない道を選択しているのかもしれないが、わたしに接近してきたというあたりからして、そうは考えられない。まさに世の中「いろいろ」な人がいる。

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