「多くの薬局は倒産する」と危機感 

2015年11月20日 13時00分11秒 | 医科・歯科・介護
診療報酬改定の財務省案に強い不快感/日本薬剤師会

薬局新聞 2015年11月18日 (水) 配信
■案実行により「多くの薬局は倒産する」と危機感
薬局は不必要ということなのか。
 日本薬剤師会の山本信夫会長は、先ほど財務省の財政制度分科会で示された診療報酬改定の方向性案についてコメントし、薬局・薬剤師不要論とともに、全ての薬局がかかりつけ化を目指す“患者のための薬局ビジョン(以下ビジョン)”とも乖離する内容であると述べ、強い不快感を示した。
 定例記者会見の席上で山本会長は、財政制度分科会で示された内容全体を俯瞰して、「診療報酬に含まれている調剤を個別に抜き取って個別項目のように取り上げている」と指摘し、事実上狙い撃ちをしている状況にあることを示唆した。そのうえで「薬局がそれほど儲かっているかのような書きぶりであるが、中医協で示された医療経済実態調査を見ても実態とは相違がある。日薬としてこの考え方を飲むことはできないし、個別の問題があるから、このように変更せよという意見ではなく、やれるところを全部やってしまいたいというような印象にある」と話し、仮に財務省の考えが全て実行されれば「薬局は不必要になる」という認識を強調した。
 その一方、財務省案は厚労省が国の方針として提示した「患者のための薬局ビジョン」の内容・方針いずれも否定していると同義であることから、「(財務省の考えは)理解できないし、納得することはできない考えだ」とコメントした。
 個別事項について見解を示した森昌平副会長は「調剤報酬が伸びていることは確かであるが、医薬分業が進展していることの裏返しであり、あたかも薬局が主体的な事業を行って報酬を伸ばしているような印象は受け入れられない。今の医薬分業では薬局は受け身の立場であり、持ち込まれた処方せんを拒むことは余程の理由がない限りできない」とコメント。また後発医薬品使用促進に関連し、調剤体制加算は60%未満の薬局に対して減算を適用するよう求めていることに関して、「60%という数値はもともと国の最初の目標であり、そこに向けて努力しましょうという指標であった。こうした背景にも関わらず、到達しなければペナルティ(減点)という考え方は納得できない」と不満を示した。石井甲一副会長も財務省案が全て実行されてしまった場合、「多くの薬局は倒産することになる。そうなれば日本の医療から薬局・薬剤師が姿を消すことになり、かかりつけ薬剤師・薬局を増やそうとするビジョンとの整合性も取れなくなる」などと話し、これから本格化を迎える診療報酬改定の議論に向け、政治「多くの薬局は倒産する」と危機感 
診療報酬改定の財務省案に強い不快感/日本薬剤師会

薬局新聞 2015年11月18日 (水) 配信
■案実行により「多くの薬局は倒産する」と危機感
薬局は不必要ということなのか。
 日本薬剤師会の山本信夫会長は、先ほど財務省の財政制度分科会で示された診療報酬改定の方向性案についてコメントし、薬局・薬剤師不要論とともに、全ての薬局がかかりつけ化を目指す“患者のための薬局ビジョン(以下ビジョン)”とも乖離する内容であると述べ、強い不快感を示した。
 定例記者会見の席上で山本会長は、財政制度分科会で示された内容全体を俯瞰して、「診療報酬に含まれている調剤を個別に抜き取って個別項目のように取り上げている」と指摘し、事実上狙い撃ちをしている状況にあることを示唆した。そのうえで「薬局がそれほど儲かっているかのような書きぶりであるが、中医協で示された医療経済実態調査を見ても実態とは相違がある。日薬としてこの考え方を飲むことはできないし、個別の問題があるから、このように変更せよという意見ではなく、やれるところを全部やってしまいたいというような印象にある」と話し、仮に財務省の考えが全て実行されれば「薬局は不必要になる」という認識を強調した。
 その一方、財務省案は厚労省が国の方針として提示した「患者のための薬局ビジョン」の内容・方針いずれも否定していると同義であることから、「(財務省の考えは)理解できないし、納得することはできない考えだ」とコメントした。
 個別事項について見解を示した森昌平副会長は「調剤報酬が伸びていることは確かであるが、医薬分業が進展していることの裏返しであり、あたかも薬局が主体的な事業を行って報酬を伸ばしているような印象は受け入れられない。今の医薬分業では薬局は受け身の立場であり、持ち込まれた処方せんを拒むことは余程の理由がない限りできない」とコメント。また後発医薬品使用促進に関連し、調剤体制加算は60%未満の薬局に対して減算を適用するよう求めていることに関して、「60%という数値はもともと国の最初の目標であり、そこに向けて努力しましょうという指標であった。こうした背景にも関わらず、到達しなければペナルティ(減点)という考え方は納得できない」と不満を示した。石井甲一副会長も財務省案が全て実行されてしまった場合、「多くの薬局は倒産することになる。そうなれば日本の医療から薬局・薬剤師が姿を消すことになり、かかりつけ薬剤師・薬局を増やそうとするビジョンとの整合性も取れなくなる」などと話し、これから本格化を迎える診療報酬改定の議論に向け、政治方面への協力を仰ぎながら対応を進めることを明らかにした。
■NPhA・患者視点による薬局体系の必要性を強調
 日本保険薬局協会は日薬と同様に財務省の考えに反対の意向ながら、別の見立てを提示する。
 南野利久副会長は現在、処方せんの集中率などで設定されている調剤基本料の特例について、「患者視点でこの点数設計を見ると、非常にわかりにくい。特に処方せんの枚数が増加するほど点数が下がる仕組みは、ロジックとして全く理解されない」と解説。自身が経営する薬局での状況を踏まえ、患者にとってわかりやすい体系にする必要性を語った。
 また後発医薬品調剤体制についても「これまで目標だった数値が減算の対象となるのであれば、後発品ではなく例えば先発品を卸との交渉で安く購入し、薬価差を追及する薬局が出てくるところもあるのでは」と述べ、後発品の使用には患者の意向もあることなどから、薬局を巡る環境が激変する可能性を語った。

方面への協力を仰ぎながら対応を進めることを明らかにした。
■NPhA・患者視点による薬局体系の必要性を強調
 日本保険薬局協会は日薬と同様に財務省の考えに反対の意向ながら、別の見立てを提示する。
 南野利久副会長は現在、処方せんの集中率などで設定されている調剤基本料の特例について、「患者視点でこの点数設計を見ると、非常にわかりにくい。特に処方せんの枚数が増加するほど点数が下がる仕組みは、ロジックとして全く理解されない」と解説。自身が経営する薬局での状況を踏まえ、患者にとってわかりやすい体系にする必要性を語った。
 また後発医薬品調剤体制についても「これまで目標だった数値が減算の対象となるのであれば、後発品ではなく例えば先発品を卸との交渉で安く購入し、薬価差を追及する薬局が出てくるところもあるのでは」と述べ、後発品の使用には患者の意向もあることなどから、薬局を巡る環境が激変する可能性を語った。
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