明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(209)児玉さんの勇気ある行動を支えたい(息子さんのツイートに触れて)

2011年07月29日 21時00分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110729 21:00)

昨夜、児玉龍彦東大教授の国会発言を取り上げましたが、もの凄い
反響がありました。児玉さんは、なぜ政府は、福島事故対策におい
て、きちんとした放射線測定と、防除活動に取り組まないのかとい
う点を厳しく追及されましたが、あらためて多くの方がこの点に関
心を向け、児玉さんと同じことを感じていることが分かりました。

僕自身、311事故以来、なぜ日本に多くいるはずの医療従事者の方々
や放射線業務従事者など、被曝の恐ろしさを十分知っている方々か
ら、的確なアドバイスが出てこず、政府による「放射能は怖くない
キャンペーン」がまかり通るのか、なんともやきもきした気持ちで
数か月を送ってきました。

その中でだんだんと現場に規制がかけられていること、同時にまた
専門家の多くも核武装と原発を推進してきた国家の側(かつての米
ソ二大大国をはじめ、イギリス・フランス・中国など、いわゆる左
右両極の巨大国家群)が打ち立ててきた「放射線学」の影響下にあ
り、被曝の実態が非常に過小評価されていることも見えてきました。

そのため長年にわたって、広島・長崎の被爆者たちが、本当に辛酸
を嘗めてきたこと、被害を被害として認定されず、被曝を被曝とし
て理解されずに苦しみぬいてきたこと、苦しみぬいてすでに多くの
方々が亡くなってしまったことを知り、そうしたことをよく知らな
かった自分が恥ずかしい思いがしました。

そのためこの問題は、私たち自身が解明していくしかないのだと考
え、内部被曝問題の第一人者である肥田舜太郎さんや、矢ケ崎克馬
さんらの著書、あるいは肥田さんが執念をもって翻訳されてきた
アメリカのアーネスト・スターングラスや、ジェイ・グールドなど
の本を読みつつ、友人と東電データを独自解析して歩んできました。

しかしいかんせん、専門的な計測器をはじめ研究施設・資金のない
側にどれだけ実相に迫れるか、大いに不十分なものを感じざるを得
ず、研究機関中枢からの声が出て来ることを本当に心の底から待ち
望んでいました。それだけに児玉教授の電撃的発言に本当に感激し
ましたが、多くの方が同じ思いを抱いたのではないでしょうか。

それと同時にただちに思ったのは、児玉さんを孤立させてはならな
いということです。そのために即座にノートテークを思い立ったの
ですが、児玉さんの発言を広げたいという思いも多くの人と共有し
ていたようで、たちまちのうちにたくさんの方が転送して下さいま
した。誤字訂正のアドバイスもたくさんいただきました。

そんな中で、ツイッターで、児玉さんの息子さんが、積極的な発信
を行っていることを知りました。息子さんのツイッターからは、
児玉さんがどのような思いで立ち上がったのかが垣間見えてきます。
そこでここではまずその思いをみなさんとシェアしていきたいと思
います。以下、ある方がまとめた息子さんのツイートを転載します。
特に最後の言葉をしっかりと受け止めたいです・・・。

************************

a_kodama  

 親父が厚労委員会に参考人として招致されました。東大放射線セ
ンター長として、毎週末南相馬に400km車を走らせて、自身で除染に
あたったうえでの訴えです。どうか見てやってください。

 俺は、この人の息子で良かった。

 とても多くの方から父の参考人招致について激励の言葉をいただ
き、感謝の言葉もありません。全ての皆さんにお返事するのが難し
いほどですが、全て拝見していますし、父にも伝えます。本当に
ありがとうございます。

 父は、3.11の前に東大のアイソトープセンター長に内定しており、
放射線の研究が本業というわけではないのですが、このタイミング
で父がなっていたのも何かの巡り合わせか、という気がします

 ちょうど一年前に父から肝臓移植をした母は、おかげさまでかな
り体調が回復し、今度仕事にでることになりました。あの時もいろ
いろな方に激励をいただきました。この一年間本当にいろいろな
ことがありますが、家族一同支え合ってなんとかやっています。

 親父からはいつも、勇気ということを教えられてきた。親父の
立場で、公開の場でああしたことをいうのは、どれだけの勇気が
いったことだろう。まずはそれをねぎらってあげたい。

 親父のスピーチを通して、どうか学者にも社会のため、人のため
に真摯に仕事をしている人間がいると伝わればと思っています。
利権やポジションにとらわれた人間の多さに嫌気がさすこともあると
思いますが、物事をよくするために行動することをどうかあきらめ
ないでください。

 繰り返しになりますが、父のスピーチに激励をくださった皆様、
本当にありがとうございます。きちんと伝えます。

 親父のスピーチを見ていただいた方に、一つだけお願いさせて
ください。父は影響力のある科学者ですが、同時に病気の妻を抱え
た58歳のただの男です。一人ですべてを解決できるわけではあり
ません。本当に状況が良くなるために、一人一人ができることが
あると思います。
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20110729/1311894381 

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4 コメント

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有難うございます (kusukusu)
2011-07-30 01:59:48
この記事を読んで、児玉氏のような立場の方がこうした発言をされることは本当に大変なことなのだと改めて思いました。ある意味で、これまでも反原発の立場の方が発言すること以上に大変なことなのかも。北海道がんセンターの西尾正道先生もそうですが、特に反原発というわけではないと思う学者の人達が勇気ある発言をするようになってきました。有難いことだと思います。でも、逆に言うと、それだけ、事態が深刻だということかもしれません。
返信する
言葉になりません・・・ (みぃみぃ)
2011-07-31 23:50:19
先日はトラックバックやらメールの返信など、いろいろありがとうございました。
ユーチューブの児玉さんの映像が削除されていたのでどうしたものか?と思いました。
文章力があまりないのでどう活字にしたらよいのかわかりませんが、なんだか涙が出てきます。
勇気ある行動、勇気ある発言みんなで形に出来たらいいですよね。
今やらなきゃいけないこと・・・必死に考えていかなければいけませんね。
返信する
ここで笑える政治家 (藤原)
2011-08-01 05:38:22
日本人ならこの熱いスピーチを涙なしで聞くことが出来る人がいるのでしょうか。

と思った矢先に児玉氏のスピーチのラストで後ろに座っていた政治家はほくそ笑っておりました。

誰なのでしょう。

あんな奴に国を任せた私達は今立ち上がらなくては!!
返信する
ご紹介して頂きありがとうございます (許斐健一)
2011-08-01 15:21:51
乱文失礼いたします。
ご紹介していただき大変感謝しております。
ありがとうございます。
ぜひ日本の国土を守り、それぞれの地域を守っていかなきゃですね。
返信する

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