明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1265)【拡散希望】オバマ大統領の謝罪を求めます!(京都被爆2世3世の会世話人会声明)

2016年05月26日 12時00分00秒 | 明日に向けて(1201~1300)

守田です。(20160526 12:00)

本日26日より伊勢志摩サミットが始まりました。各国首脳が来日しており、明日27日にオバマ大統領が広島を訪問することが伝えられています。
しかし被爆者への謝罪をしないという。理由はアメリカの世論に原爆投下を正当化する声が多いからとのことですが、何を言っているのだか。そもそもその世論を作り、原爆投下を肯定して核戦略を維持してきたものこそアメリカ政府なのです。
世論が先にあったのではありません。長年にわたって自国民・住民をも騙し、核実験を繰り返し、実はアメリカ国民・住民をも何度も深刻に被曝させてきているのがアメリカ政府です。

そのアメリカ政府が広島・長崎への原爆投下を謝罪してこそ、日本だけでなく、あるいは広島・長崎だけでなく、世界中に広がっているさまざまなヒバクシャを救済する道を切り開くことができます。
核実験による膨大な被害者、ウラン鉱採掘の被害者、核兵器製造工場事故の被害者、そして原発事故の被害者。確認すべきことは私たちの誰もがそのうちのいずれかだということです。
だからこそ、アメリカ政府に謝らせなくてはいけない。謝罪抜きの「悼みの演出」など許してはなりません。いわんや戦争も侵略も肯定している安倍首相がこのセレモニーを選挙に利用することもまったく許すことはできません。

だからこそ、あちこちから謝罪要求の声を上げる必要があるのです。みなさんもぜひその声を発信してください。みなさん自身が当事者なのです。
僕も所属し世話人を務めている京都「被爆2世3世の会」世話人会が、オバマ大統領の広島訪問に際しての原爆投下に対する被爆者への謝罪と、核政策の転換を求める声明を発表しました。
全文を掲載します。もちろん僕の意見、想い、心も入っています。拡散をお願いします!

なおトルコの友人から、オバマ大統領は広島に続いて福島に行き、そこでも謝罪をするべきだ、日本人はそのことを求めるべきだというアドバイスもいただきました。原発を日本に押し付けたのもアメリカ政府だからです。
今回は広島訪問時の謝罪を求めた声明を転載しますが、確かにこのことも論じなければいけないと思っています。この点はあらためて論じます。

*****

声明

オバマアメリカ大統領の広島訪問に際して大統領による被爆者への謝罪と「核政策」の転換を求めます

2016年5月23日       
京都「被爆2世・3世の会」世話人会


2016年5月27日(金)、オバマアメリカ大統領が広島を訪問することになりました。この広島訪問に際して、私たちは何よりもまず、大統領が被爆者、被爆者の遺族、被爆者に連なるすべての人々に対して謝罪の意思を明らかにすることを求めます。
人類史上初の核兵器実戦使用となった広島・長崎への原子爆弾投下は、一瞬にして多数の人々をこの世から消し去り、1945年の年だけで広島・長崎合わせて20万人の人々の命を奪いました。辛うじてその年を生きながらえても、原爆後障害の苦しみの中で息絶えていく人々は後を絶たず、それは今も続いています。被爆者はいのちと健康を奪われ、暮らしも生業も破壊され、人々とのきずなも断ち切られてきたのです。また、原爆放射能は世代を超えても影響し、被爆二世・三世の犠牲者も生み、多くの人々に不安と苦悩を与えてきました。
70万人とも言われる原子爆弾被害者の大半は、生まれたばかりの赤ん坊であったり、幼い子どもであったり、女性もお年寄りも含む、戦闘とは何の関わりもないごく普通の日常生活を営む市井の人々でした。その一割は当時の朝鮮半島から強制、及び半

ば強制されて日本に来ていた人々でもありました。このように無防備で無抵抗であった多数の市民のいのちを奪い去り、生涯にわたる苦しみを与え続けてきた原子爆弾の投下は、どのような口実をもってしても絶対に許されることのない非人道的残虐行為であると言わざるを得ません。
原子爆弾の投下は71年前アメリカ政府の意思によって行なわれたことです。アメリカ政府を継承する現政権、その代表である現職の大統領は当事者として、過去の過ちを率直に認め、関係するすべての人々に謝罪の意思を明らかにする必要があります。
被爆者の平均年齢は80歳を超えました。全国の被爆者数は19万人を下回るほどになっています。残された時間がそう多くはなくなってきた今、アメリカ大統領の謝罪の言葉を望まない被爆者は一人もいません。

オバマ大統領は2009年、チェコ・プラハの演説で「米国は、核兵器を使用したことがあるただ一つの核兵器保有国として、行動する道義的な責任を負っている」と述べました。そして、「だから今日、私は明白に、信念ととともに、米国が核兵器のない平和で安全な世界を追究すると約束します」と表明しました。世界の人々はこの演説に大きな期待を抱き、勇気づけられました。
しかし、その後のアメリカ政府のとってきた「政策」、行動は核兵器の廃絶を求める世界の人々の願いに背き、落胆させることの連続でした。オバマ政権の下でも新しいタイプと称する核実験が数回も実施され、さらに臨界前核実験も繰り返されてきました。アメリカ政府は核兵器禁止条約の交渉開始を求める国際的世論の高揚と動向に対しても背を向け、他の核保有国とそれに追随する一部の国々をリードする形で絶えず合意形成を阻み、先送りを図ってきました。
背景に核抑止力の維持と強化に固執する大きな力のあることは明らかです。さらにより根本的には、広島・長崎への原子爆弾投下の過ちを過ちと認めてこなかったこと、非人間的行為であることに真正面から向き合ってこなかったこと、この歴史的事実が「核政策」を後退させてきた最大の要因であることは明らかです。
オバマ大統領の広島訪問を機会に、人々はあらためて大統領の力強いリーダーシップの発揮を期待し、アメリカ政府が「核政策」の転換に向けて真剣な検討をしていくことを強く求めています。そのためにも、被爆の実相に真摯に向き合い、被爆者の直接の訴えに耳を傾け、被爆者への謝罪の意思を示すことが必要です。

私たちは、オバマ大統領が
〇被爆者と直接対面して話を聞き、被爆の実相に触れられていくことを希望します。
〇そして、被爆者、被爆者の遺族、被爆者に連なるすべての人々に対して謝罪の意思を明らかにすることを求めます。
〇その上で、速やかな核兵器禁止条約交渉開始をはじめとした核政策の転換に大きな一歩を踏み出していくよう求めます。

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守田敏也 MORITA Toshiya
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html
[共著]『内部被曝』(岩波ブックレット)
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-270832-4

コメント (2)
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