玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

仙川のタヌキ 5/19

2020-05-19 17:31:30 | 5月の植物
1日置いてセンサーカメラのチェックに行きました。子ダヌキが落ちていなければいいが、とドキドキしながら見ましたが、今回は大丈夫でした。下水管に頭を入れて耳をすましましたが、音は聞こえませんでしたが、タヌキ臭い匂いがしました。
 センサーカメラは順調に作動していました。ため糞場で分析用に新しい糞を拾い、ここににもセンサーカメラを置いてきました。

ため糞のようす

ため糞場に来たタヌキを撮影するようセンサーカメラを置いた。

仙川のタヌキ 5/18

2020-05-18 20:15:35 | 5月の植物
糞を4つだけ分析しました。例えがいいのか、よくないのか知りませんが、私は「ピーナツチョコ」に例えます。未消化の粗いものがピーナツ、細かくなったのがチョコです。
5月15日に拾ったものと17日に拾ったもの2つずつですが、目立ったピーナツはサクラの種子で、全ての糞から出ました。ソメイヨシノかヤマザクラかの区別はできませんでした。背景の格子の間隔は5mmです。

サクラの種子

それからカタツムリの殻も出てきました。

カタツムリの殻

このほか、糞によっては哺乳類の毛が多く出てきました。おそらくタヌキ自身の毛と思われる
ふと池もありましたが、次の写真は細い毛で、ネズミなど小哺乳類と思われます。小さな
骨も出ました。

哺乳類の毛


1つだけですが、大きめの骨の破片も出てきました。鳥の骨の可能性が大きいです。

骨の破片

顕微鏡で分析するので、昆虫の破片がたくさん出てきますが、顕微鏡写真は撮れません。以下のものは量的には少なかった「ピーナツ」です。

イネ科の葉

これは食べ物ではありませんが、ゴムのコードが出てきました。いかにも「都市のタヌキ」の食べ物で、タヌキは食べ物と思って食べたのかもしれません。

ゴムのコード

まだ分析例が少ないので、傾向は言えませんが、こういう作業を重ねることで、仙川のタヌキの食べ物の輪郭が見えてくると思います。

仙川のタヌキ 5/17

2020-05-17 21:40:20 | タヌキ

5/17

センサーカメラのデータを回収しました。下水管から降りる、戻ってきて登るを繰り返していました。夕方19時過ぎから動き始め、翌朝の4時まで動いていました。巣の中の滞在時間は1時間くらいが多いですが数分も2時間以上もあり、ばらつきがありました。外出時間のばらつきはそれ以上ありました。

 動画を見ながらそういう記録をつけていましたが、ハッとする動画がありました。15日21時に小さな赤ちゃんダヌキが地面に落ちてもがいていました。母親(仙子)が出かけている時でした。ドキドキしながら次の動画を見ると、仙子が戻ってきましたが、下水管は見向きもしないで早足で通過し、すぐにその子を加えてひらりと下水管に入りました。ほっと胸をなでおろすと同時に感動しました。

 

落ちた子ダヌキ

子供をくわえて戻ってきた仙子

 さらに驚いたことにその後17日4時にまた子ダヌキが落ちて、15分後にまたくわえられて戻ってきました。やんちゃな子ダヌキに仙子も気が休まりません。

また落ちた子ダヌキ


子供をくわえて下水管にジャンプしようとする仙子

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仙川のタヌキ 5/16

2020-05-16 21:27:39 | タヌキ
5/16
名前は「仙子」
 下水管から降りてから左に歩いていくショットを3枚紹介します。これを見ると、3枚とも同じ個体だとわかりました。といういのは尻尾に特徴があるからです。3枚とも尻尾の中央部が盛り上がってから先に向かって急に降りて「富士山型」になり、裾野が伸びます。写真で矢印をつけました。そこでこのタヌキに名前をつけることにし、おっぱいをやっていたからメスと考えて、「仙子」と呼ぶことにしました。
「仙子」の尻尾
 
 そこで、ネットでタヌキの写真を調べてみると、ほとんどは正面向きで尻尾が写ったものは少ないのですが、6枚を見つけました。それを見ながら全体の形、黒い毛の分布などをみると仙子と同じものはいませんでした。
 
いろんなタヌキ。尻尾に注目。
 
 
タヌキの尻尾 写真をもとに特徴を描く
 
 なお、昨日拾った糞を水洗したところ、サクラの種子が出てきました。これを含め、何を食べていたか、今後分析するつもりです。
 
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仙川のタヌキ 5/15

2020-05-15 21:26:45 | タヌキ
5/15
 動画を見るとほとんどの場合、下水管から降りてから左側(西側)に歩いて行ったので、そちらを丁寧に歩いてみることにしました。ナガバヤブマオやヒメジョオンなどが生えているだけで、タヌキの食べ物になるようなものは見当たりませんでした。「でも、何度も降りて西側に来たのだから、糞はしているはずだ。もしかしたらため糞が見つかるかもしれない」と思っていたら、まさにそれがありました。
 
見つかったため糞
 
 ここは下水管から距離は150mほどですが、その間ずっと壁面は鉄板で、タヌキが上下できそうなところはありませんでした。
 さらに歩いていくと、大きな道路とぶつかり、そこでは川底が少し上がって地面との差が1.1mほどになりました。タヌキがひとっ飛びするには高すぎますが、鉄壁に比べればずっと可能性があると感じました。道路の下は長いトンネルになっていました。
 
 
北大通との交差点とトンネル
 
 ここまででわかったことを整理しておきます。
 
- タヌキは下水管の奥で巣を作って子育てをしている。
- タヌキは夜8時頃から動き出し、3−5時間間隔で巣を離れる。
- ため糞が確認された。
- タヌキが上下できる場所は限られるが、逆に人が降りることもほとんどなく、タヌキにとって安全という意味では利点がありそうだ。
- しかし食物確保はどうなっているか不明である。
 
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