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「やすらぎの郷」最終週

2017-10-06 20:54:13 | 見る
ドラマ「やすらぎの郷」最終週

菊村はアザミのために、彼女の書いた脚本の手直しをしてやった。
手直しといっても、1本、自分で書き直してやったの。
私、それはないんじゃないかと思ったわ。
だって、どんなにうまくても、それはアザミの書いたものじゃなくなる、
菊村栄のものでしょう。

菊村が福島県いわき市の、ナオミが津波で亡くなったところへ行くとメールすると、
アザミは喜んで一緒に行くと返信してきた。
有頂天になった菊村とアザミのやりとりのシーンはおもしろかった。

いわき市の海岸で出会った男は福島第一原発で働いていると言い、
娘を津波で失ったと言い、放射能をもうだいぶ浴びてしまったから辞めたいんだと言う。
この役をやってるのが上川隆也だったし、ずいぶんいろんなことを入れ込むなぁという印象。
この最終週はなんだかとってもいろんなゲストが出てきたのよ。
加納英吉がかわいがっていたが裏切られ、悲惨な最期を遂げた女優というのが、大原麗子。
もちろんもう彼女はいないわけですから、出たのは「少し愛して 長ーく愛して」という、
あのセリフを言っている映像。

あと、菊村とアザミが泊まった温泉旅館の主人が片岡鶴太郎で、おもしろそうに演じてた。
旅館で呼んだマッサージ師が鶴瓶だったし。

菊村はアザミに下心がある。
でも、混浴の露天風呂に彼女がいるとわかると、入れない。
手前のついたての陰に座って、見ないようにしてしゃべってるというありさま。
祖母ナオミの恋情から逃げたように、また逃げるのね、菊村先生は。

温泉旅館の夜のシーンはスゴかった!
二人で部屋で食事をしているうちに、菊村はすっかり酔っぱらってベロンベロン、
窓からオシッコしようとしてアザミに止められるやら、
ヘンな踊りを踊るやら、大迷惑の大酔っ払いになって醜態をさらすのを、
あの石坂浩二がやってるのよ、驚いたね。
いまのテレビドラマは視聴率ばかり、視聴率なんか猫の屁だ!とも言わせてた。

翌朝、今度は別の驚きが。
アザミに、「手を離したのは私」という脚本のタイトルは真実の力がある、
そもそもナオミの手を離したのは、アザミより何十年も前の自分なのだと告白する菊村。
すると、アザミは「実は先生をだましていました、
あれを書いたのは私ではなく、彼なんです」と衝撃の告白のお返し。
ええーっ!
大学の先輩の恋人がいる、自分が話したことをもとに彼が書いたんだ、と。
彼は今朝早くここにやって来て、外で待ってるから会ってやってくれ、と。
ええーっ!
やって来た「彼」をやってるのは神木隆之介だった。
先生の大ファンです、いただいた本はすばらしい、二人並んでわあわあ言われているうちに、
ショックと落胆(と失恋の痛み?)は薄らぎ、
菊村は求められるままに、アドバイスを色紙に書いてやる。
菊村は彼らの脚本の良さを、
「いまのテレビドラマのマネをせず、媚びずに書いている新鮮さがいい。
しかし、その分、コンクールでは落ちるだろう。
その良さをわかるプロデューサーはいないだろう」と言った。

二人が帰って一人ぼっちの菊村。
妻・リツ子の夢を見て、もうリツ子はいないと強烈な空しさに泣く。
翌朝、やすらぎの郷に向けて車を走らせながら、早くみんなに会いたい、
自分と同じ寂しさ空しさを抱えてまだ生きている同じ仲間のみんなに会いたい、
と思うところで終わった。

かなりいろんな要素がどんどん入れ込まれたラストの週だったけど、
言いたいこと、書きたかったことは全部入れたぞ!というところだったかもしれない。
コメント
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