田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

クロキオビジョウカイモドキ雌雄

2009-08-12 | 甲虫
クロキオビジョウカイモドキ♀
ジョウカイモドキ科のクロキオビジョウカイモドキ Intybia niponicus (Lewis)

芦原海岸。砂浜に座り込んでクロキオビジョウカイモドキとルリキオビジョウカイモドキを探したが、ルリキオビジョウカイモドキは見つからなかった。いつになったら会えることやら。クロキオビジョウカイモドキは雌雄とも出会えたので、ここに紹介する。

クロキオビジョウカイモドキの三重県内の記録は『鈴鹿市の自然』によると、吉崎海岸、鼓ヶ浦海岸、松名瀬海岸の3ヶ所となっている。
私が歩き回った県内の砂浜海岸には、海浜植物が生えているような砂浜なら、どこだって見つかる。標本を採って、どこかの機関紙などに発表しないと記録として認められないようであるが、一応記しておく。高松海岸、芦原海岸、豊津海岸、白塚海岸、町屋海岸、二見町神前海岸、和具広の浜、和具大島。

クロキオビジョウカイモドキの雌は後翅を欠くことが知られているらしいが、私は未だ確認していない。
幼虫は一年中見られるらしいが、私は未だ見たことがない。海浜植物の周りは何度も何度も砂をほじくり返して調べているのだけども。
各腿節は末端を除き暗色であるが、他は褐色。

原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)によると、クロキオビジョウカイモドキ Intybia niponicus (Lewis) は「3.1-3.8㎜。♂触角の第2節は横にひろがり、中央より内側が深くくぼみ、基部内方が上反する。前胸背板は側方が密にしわ状に点刻される。少ない。北海道、本州、四国、九州。」

学研生物図鑑昆虫Ⅱによると、クロキオビジョウカイモドキ Laius niponicus Lewis は「背面は黒色で光沢がある。上翅に黄色の横帯紋がある。横帯紋は中央と両側で広がる。雄の触角は第3節が異常に太い。成虫は5月ごろから海浜の花や葉上に見られる。幼虫はほかの昆虫を捕食生育する。体長:3.5㎜内外。」とある。また、同図鑑の図版には「雄の第3節はやや耳状。横帯は中央で広がる。」との説明が付されている。

神奈川県レッドデータブックでは、「海岸や河川の荒廃」が種の存続を脅かす要因だとし、「海岸や河川の環境が悪化しているので、心もとない」として、絶滅危惧Ⅱ類に選定している。

2009.8.6

クロキオビジョウカイモドキ

クロキオビジョウカイモドキ♀
クロキオビジョウカイモドキ♀

クロキオビジョウカイモドキ♂
クロキオビジョウカイモドキ♂

クロキオビジョウカイモドキ♂
クロキオビジョウカイモドキ♂