田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

シンジュサンとアゲハモドキ

2009-08-11 | 
シンジュサン
ヤママユガ科 ヤママユガ亜科のシンジュサン本州以西対馬以外亜種 Samia cynthia pryeri (Butler, 1878)

小岐須渓谷での灯火採集。
蛾の中で最も数が多かったのはアゲハモドキ。最も大きかったのはシンジュサン。両種とも初の出会いであった。

シンジュサンの開張は110-140㎜。成虫の出現月は 5~9月。灯火にも飛来する。各翅には1つずつ三日月形の紋がある。また、各翅の中央部には波型の紋があり、止まったときは連続して見え、そこには淡い紫色の鱗粉があって、思わず見入ってしまった。
シンジュサンは手を差し伸べると、平気で手に乗り移ってくる。この日の参加者の何人かが手に乗せて楽しんでいた。

アゲハモドキ
アゲハモドキガ科のアゲハモドキ本土亜種 Epicopeia hainesii hainesii Holland, 1889

前翅長30-37mm、開張55-60㎜。体の中に食草の毒をたくわえ捕食者に襲われにくいジャコウアゲハに擬態していると考えられている。成虫の出現月は 6~8月頃。
日中にも飛ぶ昼行性とされるが、夜間灯火にも飛来する。

この日の昼間、海岸近くの畑でジャコウアゲハに会ってきたばかりであったので、山地での灯火に現れたこの蛾を見て驚いた。そっくりではあるが、サイズが一回り小さかった。
2009.8.8