田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

ノコギリクワガタとアカハバビロオオキノコ

2015-11-10 | 甲虫

クワガタムシ科のノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus

伊賀市の里山を探索.甲虫は,2頭のノコギリクワガタと1頭のアカハバビロオオキノコに出会った.
ノコギリクワガタは38㎜と45㎜の小型の雄.アカハバビロオオキノコの体長は6㎜弱.

2015.11.4

体長45㎜のノコギリクワガタ♂ こちらに向かって威嚇のポーズ


オオキノコムシ科のアカハバビロオオキノコNeotriplax lewisii
本州,四国,九州に分布する普通種.光沢のある橙赤色をしているが,キノコ食の昆虫は標本にすると変色しやすいと聞くので,この種も変色してしまうのだろうか.


キノコゴミムシ

2015-06-11 | 甲虫

オサムシ科のキノコゴミムシLioptera erotyloides Bates

2015.6.7 鈴鹿市の深谷公園 この日は観察会があって,たくさんの人が参加していた.講師の一人が散策路沿いの木に体長12㎜ほどのキノコゴミムシを見つけ解説していた.珍品と言われていたこともあったが,今はさほどではないという.私は初めて見たような気がする.講師にお願いして,この美しい虫を頂戴した.標本にして鑑賞したいと思った.ところが,この黄赤色の斑紋が黒ずんできて,ちょっとがっかりしている.やはりキノコを食べる虫は標本にすると黒ずんでしまうんだと改めて思い知らされた.
なお,同じ木にタイショウオオキノコもいた.




クロニンフジョウカイ♀

2015-04-07 | 甲虫

ジョウカイボン科のクロニンフジョウカイ(クロヒメクビボソジョウカイ) Asiopodabrus malthinoides malthinoides (Kiesenwetter)

2010.4.28 鈴鹿市国府町 

原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,4.5-6.5㎜.前胸背板は幅と長さが同じ.♂前,中肢の爪は2裂状で,中,後肢の爪は基部が顕著にふくれる.本州.

今坂正一氏のリストによると,分布は本州(福島・栃木・群馬・埼玉・東京・千葉・神奈川・富山・岐阜・愛知・三重・奈良・和歌山・京都・兵庫・岡山・山口),四国(徳島・愛媛),伊(大).

クロニンフジョウカイ♀

ヤノニンフジョウカイ♀

2015-03-12 | 甲虫

ジョウカイボン科のヤノニンフジョウカイ♀ Asiopodabrus lictorius (Lewis)

別名をミヤマクビボソジョウカイという.研究者によって和名が異なる.
原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,体長は5.8-7.7㎜.頭部および前胸背板は密に点刻される.前胸背板の幅は長さの約1.2倍.♂の前,中肢の爪は2裂状で,後肢の爪は基部が顕著に膨れる.
今坂正一氏のリストによれば,本州(神奈川箱根・三重美杉村・尾鷲市・京都・奈良),四国(徳島)に分布する.

2012.5.24 亀山市

クビボソジョウカイ♀

2015-03-11 | 甲虫

ジョウカイボン科のクビボソジョウカイ Hatchiana heydeni (Kiesenwetter)

原色日本甲虫図鑑Ⅲによれば,クビボソジョウカイは,体長9.0-12.2㎜.色彩にはかなりの変化がある.前胸背板の幅は長さの約1.5倍.すべての爪は基部が顕著に膨れる.

今坂氏のリストによれば,本州(関東以西),四国,九州に分布する.

2012.5.3 亀山市

ホソシモフリコメツキ

2015-03-10 | 甲虫

コメツキムシ科のホソシモフリコメツキ Actenicerus kiashianus (Miwa)

ホソシモフリコメツキは,原色日本甲虫図鑑Ⅲによると,シモフリコメツキの近似種で暗銅色の金属光沢を有し,前胸背版は粗に密に点刻される,本州に分布する.同図鑑には図示されていない.

三重県内では 鈴鹿山脈の入道ケ岳,宮指路岳,野登山から記録されている.他にも記録があるのかもしれないが,私には分からない.

2013.4.5 亀山市で採集.専門家による同定済み.

クロハナムグリ

2014-06-28 | 甲虫

コガネムシ科のクロハナムグリ Glycyphana fulvistemma Motschulsky

2014.5.27 津市榊原町.このころ,青山高原に何度か向かったが,美里町方面からのいくつかの近道はすべて工事中で目的地までたどり着くことは無かった.そんなとき,道路際に咲く白い花を見つけては何度も車を止めた.白い花にはクロハナムグリがいた.

『日本の昆虫1400』によると,クロハナムグリの体長は11~14㎜.日本全国に分布し,成虫は4~8月に出現し,丘陵地から山地にかけての広葉樹林やその周辺で見られ,ミズキ類やキク科植物の花に集まる.一般的に数は少ないが,春先には比較的個体数が多くなる.




鹿の死体にシデムシ2種

2014-05-20 | 甲虫

シデムシ科のマエモンシデムシ Nicrophorus maculifrons

2013.6.30 青山高原の山道の急斜面で鹿の死体を見つけたので,近寄ってのぞいてみた.鮮血が残る死体の近くでマエモンシデムシを1個体とベッコウヒラタシデムシ3個体を見つけた.

『日本の昆虫1400②』によると,
マエモンシデムシは4~10月に,平地から山の林床やその周辺で見られ,明かりにも飛来するという.ヨツボシモンシデムシに似るが,前翅の赤褐色紋の中に黒色点がないことで識別できるという.体長は13~25㎜.


シデムシ科のベッコウヒラタシデムシ Necrophila brunnicollis 

ベッコウヒラタシデムシは,5~9月に,丘陵から山の林床やその周辺で見られ,動物の死体,腐った野菜などに集まるという.体長は17~23㎜と大形なので,近似種とは識別できるという.

クスベニカミキリ

2013-11-22 | 甲虫

カミキリムシ科のクスベニカミキリPyrestes nipponicus Hayashi,1987

2013.7.6 熊野市紀和町の山道.礫の多い明るい道を歩くクスベニカミキリを見つけた.

原色日本甲虫図鑑(Ⅳ)によると,5~6月,暖帯樹林帯に出現.クスノキ類に寄生するがアカメガシワ・クリ・リョウブの花にも来集する.体長は15-18㎜.
なお,同図鑑では学名がPyrestes haematicus となっているが,1987年に現在のものとなった.
色彩変異が多いとのことなので,もっと赤い個体に出会いたいものだ.


ヤツボシツツハムシ

2013-07-04 | 甲虫

ハムシ科のヤツボシツツハムシ Cryptocephalus japanus

旅の途中,静岡県富士宮市の田貫湖近くの草地でヤツボシツツハムシを見つけた.

体長7.0-8.2mm.カシワなどのナラ類を食草とする。

三重県でも見つかるのかどうか判らないが,まだ見ていない.

2003.5.27

ゴホンダイコクコガネ

2013-04-04 | 甲虫

コガネムシ科 ダイコクコガネ亜科のゴホンダイコクコガネCopris acutidens

図鑑等によると,
大きさ 10-16mm
時 期 5-10月
分 布 北海道・本州・四国・九州

黒色で光沢があるコガネムシ.前翅には筋模様がある.オスは,頭部に細長い角状突起と,前胸部に2対の突起を持ち,5本の角があるように見える.メスは頭部の突起が短く,前胸部の突起も明瞭でない.
低地の獣糞に集まり,幼虫は獣糞を食べて育つ.特に林内の新鮮な鹿の糞を好む.
灯火にも飛来する.

2012.5.16亀山森林公園 外灯の明かりの下で見つけた

ヒメナガキマワリ

2013-04-03 | 甲虫

ゴミムシダマシ科のヒメナガキマワリStrongylium impigrum

図鑑等によると,
体長10ミリぐらい.上翅には深い条溝があり,点刻が配列する. 前胸背板にも粗い点刻がある.
前胸背板に 「ハ」の字型の溝があり,他の ナガキマワリ類と区別する上での決め手となる.
林床に落ちた枯木の下や立ち枯れの樹皮下に見つかる.

肢が長く,しかもふ節がやたらと長いので余計長く見える. 特に中肢は突出して長い.
北海道~九州に分布する.

2012.6.3亀山森林公園

アオハナムグリ

2013-04-03 | 甲虫

コガネムシ科ハナムグリ亜科ハナムグリ属のアオハナムグリCetonia (Eucetonia) roelofsi roelofsi

図鑑等によると,
北海道,本州,四国,九州.平地~山地まで汎く分布する.島嶼では佐渡,屋久島で記録されている.
草上性.広葉樹を中心とする各種樹林とのその林縁,草原など.
年1回.5月~9月に見られる.

昼行性.活動は比較的活発.日中に多くの花を訪れる.
成虫の食性は食植性/花蜜・花粉.ヒメジョオン,クリ,イボタノキなど多くの花で吸蜜する.

普通種だが,個体数はそれほど多くない.背面はほとんど無毛.

2012.8.30亀山森林公園

クロホシテントウゴミムシダマシ

2013-03-31 | 甲虫

ゴミムシダマシ科のクロホシテントウゴミムシダマシDerispia maculipennis

図鑑等によると,
体長は約3mm
出現期は4~10月
苔や地衣類をエサにする.
テントウムシそっくりのゴミムシダマシ.
黄褐色に黒い斑紋がある.
苔の生える生木や伐採木などによく集まる.
普通に見られ,樹皮の下などで越冬する.

2012.5.3 亀山森林公園

オオクチキムシ

2013-03-30 | 甲虫

ゴミムシダマシ科クチキムシ亜科のオオクチキムシ

図鑑等によると,
大きさ 15mm前後
時 期 4-10月
分 布 北海道・本州・四国・九州

朽木によく見られるクチキムシの仲間.
光沢のない黒色で,上翅に縦筋がある,細長い紡錘形の甲虫.脚は長くて赤褐色.
雑木林の朽木で見られる.冬には,朽木の樹皮の下で越冬しているのをよく見かける.

脚や触角は赤い.逃げ足は速い.
朽木に見られ,灯火にもよく飛来する.クチキムシの仲間では一番普通に見られる.
成虫は枯れ木やキノコをエサとし,幼虫は朽木を食べる.

2012.5.18 亀山森林公園