それほんと?

キラ様のデスノート

全体最適ってなんなの?

2005年09月24日 | IT
全体最適って本当はなんなの? 皆さんの中にもよくわからない人が多いのでは。

猫も杓子も全体最適、全体最適って言っていた時代がありましたね。コンサルティング会社、ソフトウェア会社、ITベンダー、マスコミ各社などが口を揃えて、ただただ、これからは全体最適だ、部分最適は古い、アメリカでは既に始まっている、日本の企業は遅れている、、。丁度、マイケル・ハマーのBPRと同じような煽りかたでした。あれってその後どうなってしまったのでしょうか。

ゴールドラッド博士の著書、ザ・ゴールを読まれた人も多いでしょう。彼は、プロセスの固有能力(パフォーマンス)を最大に引き出すことがプロセス改革の狙いだと言っています。ただ、プロセスは複雑で、いろいろな未確定要素を含んでいるから、プロセスのボトルネックを改善することで全体を底上げすることが出来ると主張していました。これが、ザ・ゴールに書いてある全体最適です。

何故か。企業のプロセスは、複数のサブプロセスで構成され、そのサブプロセスは複数の設備ユニットで構成されています。そして、それらは、個々に独立した能力(パフォーマンス)をもっています。従って、設備ユニットのボトルネック(最低のパフォーマンス)は、サブプロセスの最大パフーマンスであり、サブプロセスのボトルネックは、プロセスの最大パフォーマンスだからです。

コンサルタントにSCMの話を聞くと、十中八九、納期回答だ、在庫削減だ、日次計画サイクルだ、パッケージはこれがいい、サポート費用はいくらかかる、、などの話ばかりだ。しかし、それを実行しても、プロセス改善による企業競争力は上がらない。

まず、必要なのは、プロセスを構成するユニット、サブプロセス、プロセスの能力(パフォーマンス)把握である。そのパフォーマンスを把握する情報システムを構築することだ。そして、ボトルネックをよく検討し、必要な対策を実施すればよい。日次計画サイクル化は、現行システムのまま64ビットIT化することによって、驚くほど低価格、かつ高速に実現できる。日次化すれば、在庫は自然に削減できる、納期回答も正確に、その遵守率も向上する。

実は、日本の自動車産業は15年も前にこれらのことを実現している。もちろんSCMパッケージも使っていない。

それが本当のことだ。