ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ブルー・ミッチェル/ビッグ6

2024-05-02 19:00:47 | ジャズ(ハードバップ)

ブルー・ミッチェルについては以前にリヴァーサイド盤「アウト・オヴ・ザ・ブルー」、ブルーノート盤「ステップ・ライトリー」「ブリング・イット・ホーム・トゥ・ミー」を取り上げており、本ブログでも結構お馴染みですね。今日ご紹介するのはそんなミッチェルの初リーダー作で、1958年7月3日にリヴァーサイドに吹き込まれた1枚です。ミッチェルはキャリア自体は1950年代前半に遡りますが、その後はR&Bバンドでプレイしていたようでメインストリームからは遠ざかっていました。そんな彼を表舞台に引き揚げたのが同郷(フロリダ州)のキャノンボール・アダレイ。自作「ポートレイト・オヴ・キャノンボール」のサイドメンにミッチェルを抜擢し、その2日後に録音されたのが本作というわけです。キャノンボール自身は参加していませんが、なかなかの豪華メンバーですよ。タイトル通りのセクステット編成でフロントラインにジョニー・グリフィン(テナー)、カーティス・フラー(トロンボーン)、リズムセクションにウィントン・ケリー(ピアノ)、ウィルバー・ウェア(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)とまさにビッグな6人が名を連ねています。

このアルバム、まずジャケットがいいですよね。トランペットを携えるミッチェルを中心に右から反時計回りにフィリー・ジョー、フラー、グリフィン、ウェア、ケリーと6人の黒光りする顔がズラリと揃う様はカッコいい!の一言。内容もジャケットに違わずこれぞ黒人ハードバップ、と言ったファンキーな曲が中心です。特に注目なのが1曲目のベニー・ゴルソン作”Blues March”。一般的にはジャズ・メッセンジャーズ「モーニン」のバージョンが名高いですが、初演はこのアルバムです。「モーニン」のリー・モーガン、ゴルソン、ボビー・ティモンズも最高ですが、本作のミッチェル、グリフィン、フラー、ケリーも負けていません。その他ではミッチェルが恩人キャノンボールに捧げた”Brother Ball”、そしてカーティス・フラーのオリジナル曲”Jamph"も熱きファンキージャズです。1曲だけ収録されているスタンダードの"There Will Never Be Another You"はミッチェルのワンホーンによるバラード演奏で、これはこれでとても味わい深いです。

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