ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ドヴォルザーク&スメタナ/弦楽四重奏曲

2014-09-27 11:19:15 | クラシック(室内楽)
ひさびさの更新は室内楽作品です。室内楽はクラシックのジャンルでも交響曲や協奏曲などオーケストラ作品に比べるとついマイナーに扱われがちで、通好みの印象がありますね。特に今日取り上げる弦楽四重奏なんてのはピアノ伴奏もなく、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロだけというシンプルな構成なので正直私などは取っつきにくいイメージがあります。ただ、その原始的な構成ゆえに作曲意欲をかき立てられるのか、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンらの古典派から20世紀のバルトーク、ショスタコーヴィチまで古今東西ほとんどの作曲家達がこの弦楽四重奏の作品を残しています。今日取り上げるのは19世紀後半の後期ロマン派を代表するドヴォルザークとスメタナの作品です。2人ともチェコ出身で民族音楽を大胆に取り入れたチェコ国民楽派の中心人物というのも周知のとおりですね。



ドヴォルザークは弦楽四重奏を14曲も作曲していますが、そのうち圧倒的に有名なのが第12番です。「アメリカ」の副題でもよく知られるように、ドヴォルザークがアメリカに3年弱滞在していた時に作られた曲です。「新世界」交響曲やチェロ協奏曲と並んでドヴォルザークのアメリカ時代を代表する傑作の一つとされています。解説によると第2楽章に黒人霊歌(ゴスペル)の影響があるとのことですが、言われてみればそうかという程度です。全体的にいかにもドヴォルザークらしい歌心ある旋律にあふれていて、チェコの民族音楽の影響もそこここに感じられます。一方のスメタナの作品は「わが生涯より」の副題が付けられ、青春時代の思い出、妻との恋愛、聴覚を失った後半生の苦しみというようにスメタナの生涯が表現されているようです。とは言え、聴いただけではそれらのイメージは共有できません。初恋を描いた第3楽章はいかにもセンチメンタルな感じですが、苦悩の後半生のはずの第4楽章なんて明るい民謡風の旋律ですし。あまり背景とか深く考えず普通に楽しめる曲だと思います。この2作品は同じチェコの作曲家という括りで多くの場合カップリングで発売されていますが、CDはその中でも定番とされているアルバン・ベルク四重奏団のものです。
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シャルパンティエ&マスネ/管弦楽作品集

2014-09-03 23:12:44 | クラシック(管弦楽作品)
前回のサン=サーンスに引き続きフランスの作曲家を取り上げたいと思いますが、今回のはちょっとマイナーですよ。マスネに関しては「タイスの瞑想曲」の作者として名前は知られていますが、ギュスターヴ・シャルパンティエについてはよほどの通でないと知らないでしょう(私も知りませんでした)。何でも19世紀後半から20世紀初頭にかけて活動した作曲家で、生前は「ルイーズ」というオペラがかなりヒットしたそうです。ただ、今では上演される機会はほとんどなく、辛うじて今日ご紹介する管弦楽組曲「イタリアの印象」が演奏されるくらいです。それでさえ録音はほとんどなく、このアルベール・ヴォルフ指揮パリ音楽院管弦楽団のデッカ盤ぐらいしか手に入らないのではないでしょうか?



ただ、内容はなかなか良いですよ。タイトルにあるようにシャルパンティエがイタリアに留学した際の思い出を書き綴ったもので、色彩豊かなオーケストレーションと魅惑的な旋律が全編に散りばめられています。全5曲、それぞれに「セレナード」「泉のほとりで」「騾馬に乗って」「山々の頂にて」「ナポリ」と標題が付いており、シャルパンティエが魅せられたイタリアの風景が描写されていきます。どの曲も良いですが、特に雄大な「山々の頂にて」が美しいですね。イタリア民謡を取り入れた「ナポリ」も秀逸です。

カップリングで収録されているのはシャルパンティエの師匠でもあったマスネの2つの管弦楽作品。マスネも「タイスの瞑想曲」だけが飛びぬけて有名で、生前にたくさん書いたオペラ作品も、他の管弦楽作品も顧みられることは少ないですが、なかなかどうして充実した内容です。まず、「絵のような風景」は南フランスの農村風景を描写したもので、全部で4曲。こちらも「行進曲」「バレエの調べ」「晩鐘」「ジプシーの祭り」といった具合に標題が付いております。最後の「ジプシーの祭り」がエネルギッシュで盛り上がりますね。ただ、何と言ってもお薦めは続く「アルザスの風景」。こちらも全4曲から成る標題音楽で、アルザスの田舎の平和な日曜日の風景を描いています。牧歌的な「日曜日の朝」、おそらく現地の民謡から取ったであろう華やかなワルツ「居酒屋にて」、独奏チェロの美しい「菩提樹のかげで」、そしてフィナーレの華やかな舞曲「日曜日の夕べ」と名曲揃い。いや、これはなかなか素晴らしい作品ですね。シャルパンティエと言い、購入前の期待値はさほど高くなかったのですが、ずばり隠れ名盤と言っても良いでしょう!
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