ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

レッド・ガーランド/オール・モーニン・ロング

2024-05-09 19:00:01 | ジャズ(ハードバップ)

レッド・ガーランドがプレスティッジに記録したマラソン・セッション4部作については、既に「ハイ・プレッシャー」「ソウル・ジャンクション」の2作品を紹介しました。1957年11月15日と12月13日の2日間に分けて計16曲が収録されたもので、メンバーは全て同じでガーランド(ピアノ)、ドナルド・バード(トランペット)、ジョン・コルトレーン(テナー)、ジョージ・ジョイナー(ベース)、アート・テイラー(ドラム)によるクインテット編成です。今日取り上げる「オール・モーニン・ロング」はそのうち11月15日に収録されたもので「ソウル・ジャンクション」と同日録音です。タイトルはプレスティッジ・オール・スターズのジャムセッション形式による「オール・ナイト・ロング」「オール・デイ・ロング」にかけたものと思われますが、"一晩中""一日中"はともかく"一朝中”なんて言葉は英語にも日本語にもないので、無理矢理感が強いですね。

収録曲はたった3曲。それもそのはず、タイトルトラックの”All Mornin' Long"だけで20分を超す大作です。とはいえ、特に凝った構成などなく、ガーランド自作のシンプルなブルースです。内訳で言うと最初は全員によるテーマ演奏が1分、その後コルトレーンが4分、バードが2分半、ガーランドが7分半、ジョイナーが4分半それぞれソロを取り、そして最後再びテーマで締めます。特にガーランドの長尺のソロはどこまで引っ張るねん!とツッコみたくなるほどの長さですが、お得意のブロックコードに玉転がしタッチにと妙技を尽くしているので意外とダレずに聴けます。コルトレーン、バードのソロもさすがですね。ただ、ジョイナーの4分半のベースソロはさすがにちと長すぎか?残りの2曲はまずジョージ・ガーシュウィンの歌モノ”They Can't Take That Away From Me”。これも10分超の長さですが、20分の曲の後に聴くと短く感じるから不思議です。ラストはタッド・ダメロンの名曲”Our Delight"。こちらは6分余りとコンパクトにまとめられており、コルトレーン→バード→ガーランドが快調にソロをリレーしてビシッと締めくくります。

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