ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

チャーリー・ラウズ/テイキン・ケア・オヴ・ビジネス

2024-05-08 19:48:27 | ジャズ(ハードバップ)

本日は通好みのテナー奏者、チャーリー・ラウズを取り上げます。キャリア自体は長く、1940年代半ばのビバップ期にはファッツ・ナヴァロらと共演し、その後1988年に亡くなる直前までリーダー作を発表しています。その割に地味な印象が拭えないのはリーダー作にこれと言った作品がないからでしょうね。一応、天下のブルーノートに「ボサノヴァ・バッカナル」という作品を残してはいますが、全編ボサノヴァなのでジャズマンとして評価するには適していません。オーソドックスなスタイルでのラウズの代表作と言えば、今日取り上げるジャズランド盤「テイキン・ケア・オヴ・ビジネス」でしょうか?とは言え、この作品も知る人ぞ知るって感じのマイナー作品ではありますが・・・録音年月日は1960年5月11日。メンバーはブルー・ミッチェル(トランペット)、ウォルター・ビショップ・ジュニア(ピアノ)、アール・メイ(ベース)、アート・テイラー(ドラム)と言うラインナップです。

さて、ラウズと言えばセロニアス・モンクの大のお気に入りで、サイドマンとして20枚以上の作品で共演しています。そのため、どうしてもモンク作品のイメージが強いですが、リーダー作や他のジャズメンとの共演作を聴くと本来はソウルフルなプレイが持ち味ということが良くわかります。本作も自作曲の”Upptankt"やケニー・ドリュー作の”Weirdo"(マイルス・デイヴィスの”Weirdo"とは全くの別曲)のようなアップテンポなナンバーではブリブリとテナーを吹き鳴らしており、意外とワイルドな一面を見せつけています。一転してランディ・ウェストンのバラード”Pretty Strange”ではやや下世話なまでのムードたっぷりのソロを聴かせます。この辺りはやや好みが分かれるかもしれません(個人的にはややくどいかな・・・)。私のおススメは1曲目の”Blue Farouq”とラストトラックの”They Didn't Believe Me"。前者はブルー・ミッチェルが持ち寄った曲で、メンバー全員のファンキーなプレイが堪能できます。後者はジェローム・カーンのスタンダード曲を軽快なミディアムチューンに料理しています。

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