世の中には自分とそっくりな人が存在するという。
怖いのは 何故か、その相手は自分のことを知っているという事だ・・・
今は昔
僕は東北の山々を彷徨していた。
食料も尽き、疲れ果て日本海沿いの駅にたどりついた。
駅に置いてあった姿見の鏡には一人の浮浪者が写っていた。
何週間も歩いていたので髪は伸び放題、髭もじゃの凄まじい姿だった。
一人のオッチャンが僕を見て話しかけてきた。
「あれれ~山いつ降りてきたの~」
「今さっきですけど。」
「作次郎とこのババは達者かな?」
「はあ?よく解らないんだけど。」
「なにい、気取っちゃってえ、なに街言葉つかってるの?。」 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・」
「あんちゃん上村の太郎兵衛じゃないのけ?」
「いやあ~そっくりだべ・・・・いやあまいった、まいった。」
ふふfふ、どうも上村の太郎兵衛さんが僕とそっくりだったようだ。
太郎兵衛さんは、どんな人物だったのだろう。
しかし太郎兵衛さんは、髪ボーボー、髭もじゃもじゃなのか?^ー^
でも、遭わないで良かった。
ドッペルゲンガーと本人が遭遇すると死を呼ぶそうだから。