その安全性のディスカッションをNYタイムズが報じています。
- アジュバント添加するとワクチン効率向上、4倍生産可能に。
- 欧州やカナダではアジュバント添加ワクチン使用するが、米国ではアジュバント使わないこと決定。
- その理由として、アジュバント添加でなくても十分な量が確保されそうだということ、アジュバントに対する不安が社会に蔓延して、現状、いかにワクチン確保できるかという雰囲気から一転、ワクチン受けるよう説得しなければならない状況になってしまうことを恐れる面もあり。
- 現状、アジュバントで具体的な健康被害の報告は何もない。ただ、わからないというだけ(Uncertainty)。
- 当初想定の2回接種でなく1回接種でよさそうだということも、(必要ワクチン量の下方修正により)アジュバント無しにする要素のひとつ。
- しかしながら、世界全体では圧倒的不足。途上国では接種できない人が多数。だから、アジュバント添加で生産し、途上国により多く回るようにすべきという議論も。
管理人的に「???」なのは、なんでこの頃になって急に「アジュバントの安全性云々」の話があちこち活字になってきたのかという点です。
ワクチンにアジュバント(免疫増強剤/免疫賦活剤)を入れて効率を高めて云々。
もう何年も以前、「H5N1のプレパンデミックワクチン」の話題のときから、いやというほど耳にしてきた「アジュバント」という聞き慣れてきた単語。 これは新型インフルウォッチングを2年以上やっている人なら共通の認識でしょう。
でも、「アジュバントがアブナイ(かもしれない)」という話が一般向け活字にさかんに載ってくるのは、なぜかごく最近。なんで、「H5N1のプレパンデミックワクチン」で何年間も語られなかったものが急に語られだすのか。
また、「1976年(33年前!)米国製豚インフルワクチンでギランバレー」という話も、ここ10数年報じられなかったのが、ここ最近。。。
A/H1N1 ワクチン生産量が(世界的に)足りないという現実を前に、ある種、スピン的な意図で流れている・・・というのは考えすぎでしょうか。
ソースは9月21日付NYtimes↓
http://www.nytimes.com/2009/09/22/health/22vacc.html?_r=2&hp
Benefit and Doubt in Vaccine Additive