新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

チクングニヤの報道がなんか目立ってる

2019-12-25 09:19:21 | チクングニヤ熱

なんだか、管理人のFB画面でチクングニヤの話がちょくちょく目立ってきてうような気がするのですが。

  • 中米コロンビアで12月第一週までに515例。昨年同期よりは減。過半数はPutumayo, Cundinamarca, Santander, Tolima, Valle del Cauca and Antioquia.で。
    Chikungunya, Zika and dengue in Colombia - Outbreak News Today

     

  • スーダンのチクングニヤ。2019年に243例 12月14日までの週に17例。Al Jazirah, East Darfur, Kassala, Sennar, South Darfur, White Nile and West Darfur, で発生、西ダルフールが約半数。
    Chikungunya in Sudan: Seven out of 10 cases in West Darfur - Outbreak News Today

     

  • リオのチクングニヤ。11月までに37973例。対前年、約4倍(300%増)のペース。
    Rio de Janeiro reports 300 percent increase in chikungunya - Outbreak News Today

     

    2016年のジカ熱騒動の少し前あたりに、中南米のチクングニヤが連日連日報じられていた波がありました。その後、ジカ熱の小頭症の画像に、報道のスペースはしめられチクングニヤは(報道上)目だなくなっていましたが、あるいやひょっとして令和2年目の年、これが台風の目になるのかもしれません。日本国内でも。(令和元年だって、管理人の知人がこれにやられて、身近でちょっと大変ということはあったのですが)

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チクングニヤの新傾向、台湾とミャンマー旅行はご注意を

2019-08-29 10:31:32 | チクングニヤ熱

チクングニヤの新たな版図。台湾は台北で、日本へ持込み例は全員ミャンマー発。

  • チクングニヤ。最近のIDWR(31・32週号)開いてみれば、国内で把握されたチクングニヤ2例中2例ともに、火元は「ミャンマー」。実は管理人の知人にも(時期的にこの号より前で、この2人には入っていないはずですが)ミャンマーから帰国後発症例があり、要注意です。この国は「最後のフロンティア」として政府民間こぞって進出激増国なので、注意喚起。
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2019.html
  • 台湾。香港がデモに次ぐデモで大混乱、韓国もあのような状況でLCC運航がどんどん削られる中、「身近で手軽な」渡航先の中では一極集中ともいえる状況になりつつある人気の台湾。その首都台北新市街でチクングニヤ熱の国内感染。60歳女性。2例目。おういえばヒアリ騒動の時にも台北空港近くがホットスポット?として脚光をあびていましたが、なかなか難敵のバラエティに富むのが台北。
    旅行者にも注意喚起。
    http://outbreaknewstoday.com/taiwan-2nd-local-chikungunya-case-1st-hantavirus-case-of-the-year-41486/?fbclid=IwAR33v39gGlU0-hxJTnGuYqr7EHL2r78CBnwIMqv2FnQDa4pefDhr0sskuNw

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南仏でチクングニヤの国内感染例・・・って、渡航歴注意

2017-08-26 10:16:43 | チクングニヤ熱

フランスでチクングニヤの国内感染例!の報告@WHO

場所はProvence-Alpes-Côte d'Azur region という、いかにもステキな場所、青い海とアルプスが待ってる、というか、この夏休みに行ってきた日本人も多そうです。

コートダジュールの青い海に行くのに、高濃度DEETという発想の日本人はまずいないでしょうから、帰国後診療ではフランスも渡航歴聴取を念入りにしなければならないことになります。

疑い例も可能性例もあわせて13例。3~77歳。

ソースはWHO
http://www.who.int/csr/don/25-august-2017-chikungunya-france/en/?fref=gc

Chikungunya – France

Disease outbreak news
25 August 2017

 

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チクングニヤの非常事態宣言(パキスタン・カラチ)

2017-05-06 09:24:23 | チクングニヤ熱

チクングニヤの熱の非常事態宣言。かつてエボラの流行と割と重なる時期に中南米で猛烈に拡大し、エボラの陰にかくれ一般報道は少なめながらそれなりの騒動にはなりました。

いままた、アジアを舞台に非常事態宣言の連発がはじまりそうです。今回はパキスタンのカラチ。

  • パキスタンのカラチ市長がチクングニヤ非常事態宣言を出し、医療スタッフの休暇を禁止する措置をとった。あらゆる防止処置をとるよう命令。
  • WHOは疫学専門家ら9名から成る調査団を3日間現地に派遣、Orangi, Korangi, Lyari, Bin Qasim and Malirを訪問。保健省と対策について議論、その内容は近日中に公開予定。
  • 診断設備の充実、ラボと人材の整備を提言。また、地域の有力者をおさえ、マスメディアを通じて啓発に取り組むべしと。衛生と蚊対策について最終日に具体的に話し合われ、蚊帳と虫よけを使用し民間療法に頼らないよう教育することに合意。Ibrahim Hyderiをモデル地区に。
  • WHO側は診断できる設備の少なさと医療関係者の知識不足に懸念表明。
  • 現状は2076例の疑い例報告、そのうち239例の血液サンプル中183例で陽性。

媒介蚊が豊富な環境下ではチクングニヤの拡大が極めて迅速なことは中年米で顕かなところで、先行きが注目されます。カラチで起こることは、(日本との行き来が多い)インドや繊維産業進出の多いバングラデッシュに速やかに波及するので、割と近々日本国内問題になるのかもしれません。

 

 

https://www.pakistantoday.com.pk/2017/05/04/chikungunya-govt-declares-emergency-in-karachi-hospitals/
Chikungunya: Govt declares emergency in Karachi’s hospitals

http://reliefweb.int/report/pakistan/who-team-calls-radical-measures-control-chikungunya

 


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チクングニヤがあちこちで炎上中(台湾・高雄、パキスタン・バローチスタン)

2017-04-11 08:01:53 | チクングニヤ熱

チクングニヤが暴れてる報道2件。

  • パキスタンのバローチスタン。少し以前から、この初めて聞く地名がチクングニヤで国際報道に流れてるのを目にしていますが、すでに450例、さらに増加中。Gwadar, Turbat では多くの犠牲者発生、当局に対して対策を要請するが動きは鈍い。
    *バロキスタンとは「バローチスターン州 は、パキスタンの最大の面積を持つ州であり、歴史的なバルチスタンの大部分を域内に含む。州都はクエッタで、州内最大の都市でもある」byWiki という地名です。
    http://pakobserver.net/chikungunya-in-balochistan/
  • 台湾 高雄でチクングニヤ2例。28歳女性はフィリピンからの出稼ぎ労働者、22歳男性はインドネシアから。いずれも祖国に帰省後持ち込み
    http://www.taipeitimes.com/News/taiwan/archives/2017/04/10/2003668447

震源地はフィリピン・インドネシア・パキスタン。日本との交流も多い国々、国境を越える感染症の行方は要注目です。

 


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チクングニヤは過少評価されがち?

2017-04-04 07:58:43 | チクングニヤ熱

デング・ジカと同じ蚊で媒介されるチクングニヤは、初期、見過ごされやすい・・・ということを証明したネパール発の報告。

  • 過去4カ月のあいだにカトマンズの専門病院にて1ダース近くのチクングニヤ感染確認。昨年11月以来のデング流行と同時流行していたことが考えられる。
  • チクングニヤのIgM抗体は何カ月も残ること、(直近の)冬季にはほとんど蚊が見られないこと、その頃には1例しか報告されていなかったこと・・・を総合すると、(冬季に入る前の)デング流行と同時に流行していながら診断されず、大きく過少評価されていたものと思われる。

日本においてもジカウイルス感染症より先に4類指定され想定内でもあるチクングニヤ、今シーズンはどうなるのでしょう。ネパール同様に診断されず大量に見過ごされるのか、アンテナ鋭い先生が割と早期にバシッと当ててひと騒動しつつうまくゆくのか・・・

ソースはProMED
http://www.promedmail.org/post/4942966

CHIKUNGUNYA - NEPAL


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人口1000人あたり463という壮絶な数字(ヤップのチクングニヤ)

2017-03-06 10:38:12 | チクングニヤ熱

2013年ヤップ島のチクングニヤ報告。島によりますが、「人口1000あたり463」なる壮絶な数字がなにげに載っていたりして驚かされます。

ミクロネシアのヤップ島。2013年にチクングニヤの大流行に見舞われたのですが、その詳細数字が発表。こんな驚きの数字です。

Attck rate,メインアイランドでも192と、これだけでも驚くのですが、次のFais島というところ。1000人あたり463! ちょっと想像力を働かせてみると、住人の半分、あるいは隣近所両隣、家族の半分が関節さすってイタイイタイと唸っている・・・というイメージです。

中南米におけるチクングニヤの広がり方も壮絶なものがありましたが、これはすごいです。

チクングニヤや日本国内に入ってくることは以前から想定されていて、感染症分類の4類にも(ジカ騒動よりずっと以前に)追加されたり、厚労省のデング関連にはチクングニヤも(ジカより先に)併記されていたりします。

つい先だっては日本人の往来も多いインド・ニューデリーでの流行もたびたび報じられており、今シーズンはこれがダークホースになるかもしれません。

ソースはPLOS
http://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371%2Fjournal.pntd.0005410

Chikungunya virus disease outbreak in Yap State, Federated States of Micronesia

    Chikungunya virus disease outbreak in Yap State, Federated States of Micronesia
  • Daniel M. Pastula, 
  • W. Thane Hancock, 
  • Martin Bel, 
  • Holly Biggs, 
  • Maria Marfel, 
  • Robert Lanciotti, 
  • Janeen Laven, 
  • Tai-Ho Chen, 
  • J. Erin Staples,  …
PLOS
x
  • Published: March 1, 2017

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【他山の石】バリ島でチクングニヤもらって帰ってきちったカップルで台湾当局緊張

2017-01-05 09:39:55 | チクングニヤ熱

ここのところインド・パキスタンで話題にぎやかなチクングニヤ熱ですが、日本人にも大人気のバリ島でも隆盛、台湾人カップルがもらってきちゃって台湾当局が緊張するという出来事が。

  • カップルでバリ島旅行。その後12月18日に妻が筋肉痛と発熱で発症。当初デング熱と診断されたが21日になってチクングニヤであることが判明。
  • 夫は12月15日に発熱で発症、当初インフルエンザと診断されたが、29日になってチクングニヤと診断される。
  • 台湾当局はこのカップルの行動範囲を調査し、その蚊発生可能性のある場所に対策をおこなうということを1月17日まで継続。

なかなか教訓に満ちた1件です。

  1. アジアの小金持ちに大人気のリゾート、バリ島にはチクングニヤがいっぱい。媒介蚊もいっぱい。寒さを逃れてバリ島行く人にはくれぐれも蚊対策をと呼びかけ必要。(狂犬病やら旅行者下痢やらSTDやら言わなくちゃいけないこといっぱいあるけれど、優先順位高く)
  2. いきなりチクングニヤが輸入されても、優秀なる台湾の医療人をもってしても、診断はなかなか難しい。デングだと思われたりインフルエンザだと思われたり・・・確診まで3日かかったり2週間かかったり。それでも、受診者に渡航歴申告を促すことは意味あるから、まず聞き出す。受診者がバリ島エンジョイしてきました~♪と言ったら、病気の巣窟から帰ってきたぐらいに考えて気を引き締める。(病気の巣窟:警戒感のない人に届かせるには結構有効なフレーズかも。一般世間ではアフリカやインド行きでそう思って気を引き締める人もバリ島ではガード下がる人多し)
    *余計なこというと、このカップルは「wife,husband」と表現されてるから正々堂々と行ってこれる立場。お忍びで行ったり、現地ブラザースと逢瀬だったら渡航歴申告できない人も色々か。
  3. 台湾当局が蚊対策を頑張ったように、台湾自体、媒介蚊がたくさんいて、外から持ち込まれたら国内感染広がる余地あり。デング熱がわっと増えたのは記憶に新しいところ。台湾に感染者増えれば、日本への脅威感はぐっと高まる。日本と台湾の間は過当競争状態の莫大な数のLCCが行き来している。Vエア復興航空は倒産してしまったけれど、Peachもバニラもジェットスターもスクートもタイガーエアも・・・
  4. さらに、台湾の流行は日本に情報入りにくいという構造的問題がある。台湾の交流協会は日本大使館の業務の一部を担うけれど正式な大使館じゃないし医務官配置もない。現地大使館から情報を日本にあげる職務の人がいない。(外務省HP医療情報にも台湾の頁がない)

というわけで、いろいろな意味で要警戒な本件です。

ソースはfocustaiwan
http://focustaiwan.tw/news/asoc/201701030017.aspx

Taiwanese couple falls ill with chikungunya fever after Bali visit

2017/01/03 18:53:46
 

 


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南西アジア発チクングニヤの話題にぎわう

2016-12-21 10:59:46 | チクングニヤ熱

インドやパキスタンでチクングニヤ熱大賑わい。

ひところのカリブ諸国~中南米のチクングニヤ騒動初期を彷彿とさせる状況ですね。
中南米では地理的にもどんどん発生国数が増えてゆきますが、こちらもカリブ並みに拡大してゆけば、そして、夏に尾を引いてゆけば日本も想定(実は、日本の厚労省はジカウイルス感染症騒動より以前からチクングニヤを想定しているのですが)しなければならなくなり要ウォッチです。


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インドの次はパキスタン・カラチでチクングニヤ炎上

2016-12-20 08:16:25 | チクングニヤ熱

今年後半、インドを騒がせていたチクングニヤ騒動が隣国パキスタンのカラチで問題化。

  • カラチおよび周辺、Malir, Saudabad and Shah Faisal neighborhoods of the cityで数千人(ソースではthousands of people )の感染者。WHOはチクングニヤの可能性と。
  • チクングニヤは、蚊媒介疾患で関節痛症状特徴、持続期間はさまざま。

http://nation.com.pk/national/19-Dec-2016/chikungunya-virus-on-the-rise
Chikungunya virus on the rise

  • チクングニヤと思われる流行にて首都イスラマバードFELTPから2人の専門家がカラチに派遣された。これから調査。

ソース
http://dailytimes.com.pk/sindh/19-Dec-16/feltp-team-to-investigate-chikungunya
FELTP team to investigate ‘Chikungunya’

良くある話ではありますが、この2つの報道、ニュアンスが随分違います。チクングニヤがどんどん拡大して何千人もやられているというニュアンスと、チクングニヤかもしれないから専門家が派遣されたという報道。
どちらも、「チクングニヤとはどういう病気か」という基礎知識に字数を割いていますから、初期報道であるのは明らかですが(実際どちらも12月19日付)、こうした報道ぶりの違いを目にするにつれ、これから心理社会的混乱の芽が推測されます。

折しも米国のデマ騒動(ピザゲート)が話題になる折、ひとつのケーススタディとして。


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