新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

ポピュリスト政治家が反ワクチンに流れるワケ

2018-12-27 14:50:16 | 政治的動き

 日本だけじゃなく(日本以上に)世界中に拡がる反ワクチンのムーブメント。分析した記事です。

  • 反ワクチンはSNSを通じ、また、反権威のポピュリズム運動でも拡大している。麻疹でもHPVでもインフルエンザでも。
  • 結果、麻疹感染者は6万例、昨年2017年の倍になり、今世紀で最大。犠牲者も72例で昨年の倍。
  • 右翼ポピュリスト政治家がワクチン安全性についてフェイクニュースを流しては、懐疑的な空気をつくりあげている。いまだに麻疹で生命を失う子供たちがいるのが信じられない。
  • 懐疑論は病気自体と同じく感染性があり、”免疫”をつけるのは容易ではない。国が違えば、違うワクチンに対する懐疑論が流れる。
  • WHO・UK・米はワクチン懐疑論に対応するチームをつくっているが、対処しなければならない国は多い。
  • ポピュリスト政治家は、米でも仏でもイタリアでも、反ワクチンに流れる。非常に無責任。
  • ワクチン接種率低下と麻疹の増加は強い相関。フランスでは2010年に接種率が落ちると次の年に急増、イタリアでは2014年に接種率落ちるや数十例から数百例に激増。ルーマニアでは2014年に接種率を割り込むや2017年までに毎月1000例以上(かつては毎月数例)。
  • ポピュリスト政治家たちは、グローバリゼーションに反対し、多国籍企業はワクチンを売るために病原体をばらまいていると言い募っている。ワクチン懐疑論が最強なのはフランスで、マリーヌ・ルペンはワクチン接種義務を覆したい人々に与して、複数ワクチンを接種することによる長期的影響はまだわかっていないと主張し、ワクチンメーカのあげる利益について攻撃している。
欧州を席巻する麻疹の大流行。その背景に麻疹ワクチン接種率低下があり、さらにその理由として、反ワクチンが政治化しやすいという事実です。①グローバル企業の製薬企業が不当な利益を得ている(そのために病原体をばらまいているというフェイクが伴うことも)と叫んで喝采と支持を」得る ②ワクチン接種義務を回避したい層からの票を期待する というメカニズム。まだそういうのが(右から左までとりあえず)ない日本は、ワンポイントましなポジションにいるということでしょうか。

https://www.theguardian.com/world/2018/dec/21/measles-cases-at-highest-for-20-years-in-europe-as-anti-vaccine-movement-grows?CMP=share_btn_tw

Measles cases at highest for 20 years in Europe, as anti-vaccine movement grows

A climate of doubt about vaccine safety is putting lives at risk, experts warn

 


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米国の医師たちはトランプ政権の人事を「悪夢」だととらえているという調査結果

2016-12-07 21:59:32 | 政治的動き

全米の医師対象アンケート結果。医師の多数は、トランプ政権の保健衛生関係の布陣を悪夢だと捉えているという結果。

  • 先日、トランプ次期政権では、保健分野の高官を発表して「DREAM TEAM」と名付けている。CMSのトップにSeema Vermaを、厚生長官にTom Priceを選出したと発表した。
  • この人選について医療関係者を対象とする結果。STATニュースのパートナー、Figure1が実施。n=283。
    恐怖である(terrified)から喜ばしい(jubilant)までの5段階評価。
  • 結果、過半数の65%が恐怖である(terrivied)か問題を抱える(troubled)を選択。喜ばしい(jubilied)はわずか10名しかいなかった。
  • 「Price次期長官へのメッセージ」自由記入欄の結果。
    *これらの候補者は政治ゴロ?(political pawn)である。彼らの視点はヒポクラテスの誓いとは相いれない。大多数の医者(の見方)を代表しないし、患者の利益は心中にない。
    *自由市場の保険について優先政策とし、人々が利用可能なものにしてほしい
    *ACA改革を可能な限り早く!

ビジネスパーソン出身の大統領。洋の東西を問わず、金儲けファーストの視点でものを動かすとき、医療は録でもないことになりがちです。死語になりそうなTPPですが、その論議がピークだった頃、国民皆保険制度が危機にという議論は危機感をもって語られていましたし、日経新聞に載る医療制度改革に関する議論はしばしば医療者を苛つかせてもきました。
トランプ氏が任命した”自称dream team"にかの国がこういう反応を示すのは、まあ道理というものでしょう。

http://us11.campaign-archive2.com/?u=f8609630ae206654824f897b6&id=89f413077c

New poll: Many health professionals “terrified” by Trump’s nominees

 

 


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医療・科学界の注目点。トランプ氏がどう出るか、ギングリッチ氏が台風の目?

2016-11-12 10:04:14 | 政治的動き

トランプ大統領で、かの国の医療界・研究界はどうなるのか。注目点。

1.NIHはどうなるのか?
 トランプの朋友、ニュート・ギングリッチ氏はNIH予算増額推進論者。
しかしトランプは過去、ラジオ番組で「NIHのことは色々聞いている。しかしヒドイ処だ」と発言している。

2.オバマ政権で取り組まれた大型プロジェクトはどうなるのか?
 BRAINイニシアチブ、Precision Medicineイニシアチブ、がん対策moonshot。これら大規模プロジェクトの行方は?

3.麻薬危機にどう取り組むのか?
 メキシコ国境に壁をつくる。それで麻薬の流入も防ぐとは言っている。処方薬依存にも取り組むと言っている。しかしその具体的詳細については不明瞭。打ち出す対策もオバマ政権ですでにやっていたことなど、新味がない。

4.トランプ政権で保健福祉長官(大臣)は誰にゆだねられるのか?
 保健福祉長官として下馬評にあがっているのは、Ben Carson(Affordable care actを攻撃した)、Roe v.Wade(進化論に異をとなえた)、ギングリッチ(製薬業界のお友達。アルツハイマー研究の改革)。FDA・NIHといったところは本来政治とは関係ないのであるが、現在、薬価問題や研究妥当性で不快はスポットライトを浴びている。だから、次の保健福祉長官を引き継いだ人物が、科学政策や医療政策のキーマンとなる。

5.医薬品価格はどうなるか?
バイオ企業の株価は急騰を演じた。医薬品価格問題についてトランプはクリントンに比べて緩やかとみなされている。しかし、Medicareが製薬会社と直接交渉することを可とし、医薬品を輸入することを認めようとしている。

保健医療や研究分野の話になると、再々登場してくるのがニュート・ギングリッチ氏。2008年・2012年と大統領候補として取りざたされメディアを賑わせた(実際には出馬に至らなかった)人物です。NIH予算倍増論を唱え、製薬会社のお友達ともいわれている彼はトランプ政権のキーマンとなるでしょう。ただし、別のサイトでは、国務長官(外務大臣に相当)への就任を予想する向きもあり、わかりません。大臣の格(万一のときの大統領継承順位)は国務長官>財務長官>>>保健福祉長官ですから、そりゃあ本人にとっては国務長官として外交のトップの方が魅力的でしょうし・・・

(皇位、じゃなくて大統領継承順位はこちら参照 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%A1%A7%E5%95%8F%E5%9B%A3 )

ソースはStat
https://www.statnews.com/2016/11/09/donald-trump-win-science-medicine/

What does Donald Trump’s win mean for science and medicine?

この人がキーマン?(ギングリッチ氏)

 

 


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トランプ大統領で医療界・研究者の憂鬱

2016-11-12 00:07:57 | 政治的動き

「トランプ大統領」で、これまでパイプのなかった研究界で囁かれているあれやこれや。

  • これからトランプがどう動くのか本当にわからない。ひとつ明るい話は、トランプの朋友のニュート・ギングリッチ氏が科学研究に好意的で昨年NIHの予算倍増を口にしていること。
  • これからの焦点は、科学技術面でトランプのアドバイザーが誰になるかということ。
  • これまでトランプ氏とパイプを築いてきた科学者はほとんどいない。ひとつの懸念は彼が過去ラジオでの発言「NIHのことはいろいろ聞いている。それはヒドイらしいね」と語っていること。
  • もうひとつの懸念は、彼の排外主義的姿勢。カナダ人科学者は、自分はカナダに帰るだろうと言い、欧州に戻るとツイートしている者もいる。海外からの医学生が今後来てくれるかどうか。海外からの人材が来てくれなくなったら、現在のレベルを維持するのが難しくなる。
  • トランプ自身は、高技能を有する人物の入国は制限しないと言っている。しかし、外からやってくる人々に対して疑念と怒りを向ける国に来たいと思うだろうか。
  • 合理的な政策には、エビデンスへの敬意が必要だ。しかしたとえば、トランプ氏は共和党内の選挙戦で、「小児の定期ワクチン接種で自閉症が起こるかも」と発言している。

う~ん、これは難題です。もともと研究者コミュニティの人間は不動産王とパイプはない時点で不安なわけですが、「ワクチン自閉症説」を口にし、国外から人の流入を嫌がりそれを支持する国民の多いなかで、海外人材が入ってこなくなれば研究コミュニティも、臨床の不人気科も、かなり困ったことになりそうです。

いま日本の閉塞状態をどうするかの議論のなかで、「外国人労働者の拡大は、国力維持に不可避」という論もあるわけですが、その正反対の事象、外国人(しかも高レベル)がどんどん流出するとどうなるのか・・・という壮大な社会実験にもなってしまいそうです。4年後どんな絵になっているのでしょうか。あるいは、いったん極端に振れた振り子は、そんなに経たないうちに戻ってくるのでしょうか。

ソースはSTAT
https://www.statnews.com/2016/11/09/scientists-trump-new-reality/

Fearful of a Trump administration, many in research call for a ‘tutorial’ for the president-elect

 

これからこの人が頼みの綱になるのか・・・ニュート・ギングリッチ氏


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新たな感染症の命名はどうするか(WHO Best practice)

2015-05-13 09:10:26 | 政治的動き

 新たな病気(感染症に限らず)が地球上に現れてきたとき、どんな名前をつけるか。一歩間違うと、風評被害の博覧会になってしまうわけですが、一定の方針、Best Practiceでという話がWHOから出ています。

  • WHOは、新たなヒト感染症が出現したとき、ある特定地域や経済や人々に対して望まれざるネガティブ効果が及ばないよう呼びかけた。
  • 豚インフルエンザや、中東呼吸器症候群などの名前は、期待せざるネガティブな経済的効果を及ぼしたりした。これは些細なことかもしれないが、直接影響する人々にとっては大変なことである。すでに特定の地域や人々、旅行や交易等に影響がみられてきた。
  • 病気の名前はしばしば、科学界の外の人々からネットやSNSを通じて命名されてきた。一度定着してしまうと、変えるのは非常に難しい。だから、ヒトの新しい病気を最初に報告する人間は、科学的に正しく、かつ社会的に受け入れられる名前をつけなければならない。
  • 病名の基準、病気の症状から慣用的につけられるもの(呼吸器症候群、神経症候群、水様性下痢など)、確かな情報が得られているときに特異的にあらわすもの(進行性、若年性、重症、冬季など)。病原体が分かっているときには、それを名前の一部に含める(コロナウイルス、インフルエンザウイルス、サルモネラなど)
  • 避けるべき名前として、地名(中東呼吸器症候群、リフトバレー病、スペインかぜ)、文化・人類・職業的属性(レジオネラなど)、人名(クロイツフェルトヤコブ、シャーガスなど)恐怖を惹起するもの(不明、致死性、流行性)など。
  • WHOはBest practicesを発展させ、OIEやFAOなど他の国連機関とも協調し、ICDにも反映させたいとしている。

う〜ん、突っ込みどころは色々あれど、うまくゆけば定着すれば、それは望ましいことです。

しかし、MERSを悪い見本のひとつに挙げているけれど、あれ、第一発見者のザキ博士の名前つける案を却下してWHOで結構強引に決めたのじゃなかったのかなあ。今になって悪い見本でしたというのも、何だか。

人の名前をつけるのは、管理人としては良いと思うのですが。第一発見者の名前をつけて、その人が悦に入って業を背負ってくれれば(笑)、地名やら属性やら風評被害で苦しむ人が出る可能性もカットして解決してくれます。それとも、これまで、病名になった人は悦に入っても子子孫孫が苦労したという話でもあるのかな。(川崎富作氏の子孫が道を歩きにくかったり、ホジキン氏の子孫が後ろ指刺されたり、アスペルガー氏の子孫が脅迫されたり、パーキンソン氏の子孫が笑いものになったり・・・ってことが、単に管理人が知らないだけで人知れず苦労があるということなら、それはそうだということになるのですが)

あと、WHOのような権威筋の方針どおり病名決めて、それがSNSに勝てるのかなという疑問もあります。権威筋が名前を決めたけど民はそっぽという例も古今東西・・・(ちなみに、以下、何のことだかわかる人手を挙げて!「E電」「長寿医療制度」)

ソースはWHO
http://www.who.int/mediacentre/news/notes/2015/naming-new-diseases/en/

WHO issues best practices for naming new human infectious diseases


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動きだしたけれどカネもヒトも足りないアフリカCDC

2015-04-28 09:42:07 | 政治的動き

アフリカCDC構想が動き出しました。本部はエチオピアのアジスアベバ。
しかし予算は690万ドル、人材はわずか11人でアフリカ全部をカバーするという状態でのスタートです。

  • 今年7月から2016年12月までの当初予算は690万ドル、人材はわずか11人しかない。アフリカCDCの上部組織となるアフリカ連合(AU)自体、予算は3億8百万ドルしかない。
  • 欧州CDCと同様(米CDCとは異なり)、独自のラボは持たずに外部委託。
  • 米CDCのスタッフ2名が本部に常駐し指導。
  • 疫学者10人に奨学金を与え留学させる計画。
  • リーダーシップの問題。アフリカ連合自体、官僚制と非効率で極めて評判が悪い。さらに、事務局長募集で提示されているサラリーは、これぐらいの重責と人材に見合うものではまったくない。

エボラ騒動が肩をおして実現するアフリカCDCですが、頼りない体制でのスタートです。しかし、アフリカの本当の問題は、「数字にあらわれる頼りなさ」もさることながら、「数字に計上されたものが中抜きになる事象」です。この当初は頼りない予算も、今後徐々に増えてゆくはずですが、その時、すべてがアフリカの人々の保健向上に使われるのか、それともどこかに「〇〇御殿」が建ってしまうのか、そこが問題です。

奨学金を出して疫学専門家を留学させる計画も盛られていますが、その方々はちゃんと戻ってくるのか、戻ったところで学んできたものを周囲に伝承するのか独り占めにするのか、管理人の、合計5年間アフリカ在勤した頭では懸念が尽きません。

 

ソースはnature
http://www.nature.com/news/african-cdc-needs-more-money-and-a-strong-leader-1.17409

African CDC needs more money and a strong leader

Ebola spurred US support for pan-African health agency, but centre needs much more to succeed.

24 April 2015
 
 

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アフリカCDC創設へ動き出した

2015-04-15 08:20:32 | 政治的動き

米国CDCとアフリカ連合(AU)が、アフリカCDC創立に向けて合意。

  • アフリカCDC創立に向けて合意。
  • エボラ騒動で、アフリカに公衆衛生を担う機関が必要であると再認識された。
  • さらにケリー国務長官は、「米国CDCは70年前に、マラリア流行に対応するため創立された。これはエボラだけのためではない。あらゆる健康問題に対するものである」とコメント。
  • アフリカCDCの必要性は、2013年ナイジェリアのアブジャで開催されたAU総会で、HIV,結核、マラリアを念頭に提言された。
  • アフリカCDC本部はエチオピアのアジスアベバに設置され、地域ごとに5か所のサブセンターがAUに指定される予定。

アフリカCDC。昔々は白人の墓場なんて言葉まであったアフリカ、HIV・マラリアと大問題山積でしたが、ようやくCDC創立になったのは、エボラ騒動が大きく肩を押したのは間違いありません。このエボラの副産物が、これから大きな力を発揮してゆくことを期待するものです。

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2015/04/us-african-agreement-formalizes-creation-african-cdc?hc_location=ufi

US, African agreement formalizes creation of African CDC


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ホワイトハウスが抗生剤耐性問題に乗り出すぞ!

2015-03-31 09:41:58 | 政治的動き

ホワイトハウスが抗生剤耐性問題に乗り出します。その62ページにわたる計画に盛られているのは・・・

  • 目標は5つ。
    1.耐性菌の出現を拡大を防ぐ
    2.国家レベルで統一的サーベイランス強化(national "one-health" surveillance )
    3.革新的診断テストを開発
    4.抗生剤・他の治療法・ワクチンの基礎的応用的研究開発
    5.国際協力体制の改善
  • 予算は5億5千万ドル。
  • 1年、3年、5年でそれぞれ目標設定。

多方面(日本風にいえば省庁横断的か・・・)にわたる対策をホワイトハウスがリーダーシップとってという事です。大統領制の良い面が・・・とゆけば良いですが、実際のところどうでしょう。

ソースはホワイトハウスブログ
https://www.whitehouse.gov/blog/2015/03/27/our-plan-combat-and-prevent-antibiotic-resistant-bacteria

Our Plan to Combat and Prevent Antibiotic-Resistant Bacteria

詳細はこちらからダウロードできます(ホワイトハウスHP)
https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/docs/national_action_plan_for_combating_antibotic-resistant_bacteria.pdf

 


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最も世間を騒がせたインフルエンザウイルス:プーチン死亡説(デマ)の正体はインフルエンザだった

2015-03-16 11:00:43 | 政治的動き

一粒のインフルエンザウイルスが、政治を混乱させたかもしれなかったお話。

ロシアのプーチン大統領が公の場に姿を見せず、いくつかのアポが変更された。
ここからすわ!死亡説がまことしやかに流れて、世間がざわつくというのが大国要人の世界です。

結局、回復して健康を取り戻した大統領ですが、インフルエンザだったらしい。。。と、ここで”CIAレポート”まで登場してしまうのがなんともはやです。

モスクワではインフルエンザ流行が

盛況を極め、1000校が閉鎖になっています。

ソースはInternational Business Time
http://www.ibtimes.com/vladimir-putin-alive-sick-flu-despite-death-rumors-cia-source-tells-gawker-1847248

Vladimir Putin Alive, Sick With Flu Despite Death Rumors, CIA Source Tells Gawker

  @JeffStone500 j.stone@ibtimes.com on March 14 2015 12:48 PM EDT
 
 
Putin

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タリバン・ビンラーデン・ISIS・・・テロがポリオを活気づかせている実情

2015-02-27 12:29:54 | 政治的動き

アフガニスタン・パキスタンと聞くと、テロ・騒乱をイメージするのが大多数の思考回路かと思います。その二次的影響は、ポリオの再興という形で跳ね返ってきています。一筋縄ではゆかない複雑怪奇な形で。

  • 米軍がオサマビンラーデンを包囲して退治したとき、もうひとつの長期的脅威も絶滅に直面している・ポリオ。
  • 50年にわたるワクチン投与によって、人類はポリオを最後のコーナー、ナイジェリア・アフガニスタン・パキスタンまで追い詰めた。ポリオはエボラみたくパニックを引き起こす効果はないけれど、いま60代以上の人々は記憶に残っているだろう。
  • ビンラーデン時代に、ポリオ予防チームを暗殺するという事が行われ、その影響で再びポリオがのしてきている。あれから4年、依然としてパキスタンではポリオが脅威で2014年には327例の発生があり世界中の6割を占めている。
  • 今月もポリオワクチンチームが北西部で銃撃され、Balochistanでは4名が誘拐されている。
  • さらに、戦乱のなかでシリアとイラクでも2000年来根絶されていたポリオが再発してきている。WHOのよれば、これはパキスタンからシリアやイラクに流れ込んでいるジハーディストと同じ流れになっている。
  • 米国がビンラーディンの所在を追跡し、ほぼ特定された時点、確実にここにいるという事を確認してから殺害作戦にあたらねばならないが、CIAはその確定にあたってB型肝炎予防接種キャンペーンを設定して利用した。回収された注射器からビンラーディンの遺伝子情報が検出されれば確認できる。そのワクチンキャンペーンを主導することになったのがAfridi医師でCIAとは接触がないが、このキャンペーンはNGOのSave the Childrenから持ち掛けられたと言っている(NGO側は公式には否定しているが・・・)。資金として12500ドル提供され、現金に困っていた同医師は受け入れた。同医師は先立って、「患者から診察料を取りすぎている」とインネンをつけられ、武装勢力から多額の金を巻き上げられていた。(巻き上げた勢力は半分を自分の懐に入れ、残り半分を「取りすぎた」とする患者に還付した)
  • この件以前にも、パキスタンではワクチンキャンペーンに対して怒りがあった。学校教育も受けられない人々のあいだでは、様々な噂が流れる。たとえば、「ポリオ生ワクチンは、イスラム教徒を絶滅させるための西側の陰謀だ」というような。「ワクチンは豚からつくられている(注:イスラム教徒にとって豚はタブー)」米軍がアフガン侵攻した際には「ワクチンにはブッシュ大統領の尿が入っている」というものも。
  • そのような背景下、米国がワクチンキャンペーンをビンラーディン特定に使ったとくことが、ますます噂や怒りに火を注いだ。Alfidi医師は逮捕され、マスコミにも載った。実際のところ、便利なスケープゴートとして使われ、その陰でさまざまなことが隠ぺいされた。
  • その後、ワクチンキャンペーンにたずさわる医療従事者は疑惑の目にさらされるところとなった。とくにアフガニスタン国境の山岳地帯(ポリオ汚染地区と一致)において、ワクチン接種に来る人は、米国の情報機関のために情報収集活動をやっているのではないかと、ドローンの恐怖とともに生きている人々は思ってしまった。
  • ワクチンキャンペーンは警察の護衛のもとに行われるようになったが、すると、タリバンは道路に爆弾を仕掛け、護衛ごと全部吹っ飛ばすということをやった。

詳細は経緯はまだ続きますが、要は
1.もともとワクチンに対する否定的な流言が渦巻いていた
2.テロ対策の仕掛けのひとつとしてワクチンキャンペーンを利用したら火に油を注いでしまった
3.反ワクチンとして、銃撃・爆発・誘拐という暴力が展開してワクチン接種が滞ったら、ポリオ感染者が増えて地理的にもシリア・イラクへと拡大してしまった

ということです。「ワクチンで病気の蔓延を予防し、社会全体として不幸な人を減らす」という概念に対して足を引っ張る人というのは(母里某だ浜某だを持ち出すまでもなく)先進国にもいるわけで、米国の麻疹騒動でも現在進行形でまのあたりにしている現実でもあります。

しかしながら、これが銃撃・爆発・誘拐という暴力を伴うとき、それは誰にも解決策のわからない災厄をもたらします。武器・飛び道具というものは絶対に市中に流通させてはならない・・・という事の意味は保健衛生にもあるのだと認識させてくれる記事です。

ソースはナショナルグラフィック
http://news-beta.nationalgeographic.com/2015/02/150225-polio-pakistan-vaccination-virus-health/

Polio's Surprising Comeback

How the bin Laden Raid Put Vaccinators Under the Gun in Pakistan

After the U.S. used a health program to track down the al Qaeda leader, volunteers fighting polio became the hunted.

Photo of a child watching as vaccinators under police escort enter his compound in Karachi.


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