新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

大人がある程度免疫もっているワケ(1988年以降エピトープ共通)

2009-11-23 12:13:10 | インフルエンザ:基礎知識/新知見

学会から戻りひといき。
今朝の朝刊、カナダのワクチン回収騒ぎが一面に。
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/e41679f293d407b90697e42eb03a7554
当ブログで21日に紹介、その元ソースは19日付ですから、”4日遅れの追いかけ”で一面肩というのも何だかなあとhttp://www.asahi.com/health/news/TKY200911220249.html
マスコミ的見出しが付いておりますが、あれは特定製造ナンバーの話ですので、当ブログ常連さんは、いまさらパニくらないと思います。

さて、新型インフルエンザA/H1N1(2009)、実は1988年以前に流行していた季節性H1N1と共通した部分があるから、大人にはある程度免疫があるのだ・・・と米カルフォルニアのデータです。

  • 米カルフォルニアLa Jolla Institute for Allergy and Immunologyの発表。
  • 新型H1N1と季節性インフルH1N1(ソ連型)のエピトープを比較。
  • エピトープの部分を、免疫細胞が認識する。
  • 新型H1N1と季節性H1N1のエピトープに共通点。T細胞の2つのサブタイプCD4とCD8では、前者で41%、後者で69%が認識した。
  • この共通性から、大人では、いくぶんかの(新型に対する)保護になり、症状の軽症化に役立っているものと思われる。

かなり乱暴ですが、「新型インフルと季節性ソ連型とは、免疫細胞によりだっ!と認識される部分が4割なり6割共通しているから、過去の免疫記憶が効いていてそれなりの効果がある」という趣旨のようです。
 それが1988年以前が対象。1988年といえば、ソウルオリンピックの年です。また、昭和天皇が崩御されそうで日本中がハラハラしていた年。そして年を越して翌年1月に小渕さんが「平成」と書かれた紙を掲げる・・・ こういう光景を覚えていらっしゃる方々は、エピトープが4割なり6割なり共通だからある程度免疫ありという理解で良いかと思います。

ソースは11月16日付NIHニュース↓
http://www3.niaid.nih.gov/NIAID/Templates/Specialized/PreseedableLeftRightNav.aspx?NRMODE=Published&NRNODEGUID={90062EA1-3194-4116-9F92-6356F73D6961}&NRORIGINALURL=/news/newsreleases/2009/H1N1protection.htm&NRCACHEHINT=Guest
Immune System of Healthy Adults May Be Better Prepared Than Expected to Fight 2009 H1N1 Influenza Virus

 

コメント (1)
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