戦後の食の歴史を学ぶ：「日本侵攻 アメリカ小麦戦略」ー（１）写真説明と目次

　我が家の朝食ーごはんと一汁三菜を心掛けています。
この和食がどうして捨てられたのでしょう。

日本の食の現状を知るためには食の歴史を学ぶ必要があります。

「「日本侵攻　アメリカ小麦戦略」発行所　家の光協会」を是非読んで欲しいと思います。
著者　ＮＨＫ農林水産番組班　高嶋光雪（たかしま　てるゆき）
昭和２３年生まれ
昭和４５年、京都大学経済学部卒業
ＮＨＫ　北見放送局を経て、昭和４９年よりＮＨＫ農林水産番文班（東京に所属）

本をめくると写真が出てきます。

写真１：大勢の子供たちは笑顔でパンが配られている写真
説明：国民学校の始業式にパンの１日給食（昭和２１年）

補足説明：戦争は終わったが食糧難は続いた。アメリカからの小麦援助は、飢餓状態の日本に旱天の慈雨であった。

写真２：コッペパンと牛乳の学校給食風景
説明：脱脂ミルクは牛乳に変わったが、コッペパンは給食の中心であった。

補足説明：食糧難にはピリオドが打たれてからも、アメリカ小麦は日本を手放さなかった。パン給食は全国に広まり、テレビも給食普及宣伝に動員された。

写真３：テレビの料理番組
説明：テレビ番組”家庭でできる小麦料理（昭和３６年ごろ）右はレギュラーの轟夕起子、左はゲスト出演の香川京子

写真４：キッチンカーとそれに群がる人達の写真
説明：山村にも小麦用の粉食料理を広めたキッチンカー

写真５：日本とアメリカの政府団体と代表者が握手している写真
説明：ＭＳＡ余剰農産物協定に調印する岡崎外相とアリソン駐日大使（昭和29年）

写真６：「日本におけるアメリカ小麦市場開拓事業１０周年記念」パーテイでアメリカ人達が笑顔で成功のバンザイをしている写真
説明：日本市場開拓の先兵・アメリカ小麦連合会”１０周年記念”パーティ(昭和４１年）左からアメリカ西部小麦連合会駐日代表ハッチンソン、アメリカ西部連合会会長バウム

写真７：だるまに目を入れている写真
説明：アメリカ小麦”対日輸出１億ブッシェル達成”パーティ（昭和４６年）
　　　左から当時の内村良英食糧庁次長、マイヤー駐日大使、アメリカ農務省輸出促進局長バルバルマッカー

写真８：農家の人達のでも、横断幕に「日本農業の将来を示せ」「青刈りは自殺、転作は他殺」と書いてある。
説明：減反に抗議する農民デモ

コメント：日本が初めての減反を体験した昭和４５年、アメリカの小麦生産者は
遂に１億ブッシェル（２７２万トン）の対日輸出の野望を達した。
米は日本人の主食の座を脅かされて・・・。

これらの写真を見て、アメリカ小麦が日本を侵略し米を駆逐し、アメリカはだるまに目を入れて勝利の祝いをし、日本の農家は減反させられて敗北し抗議のデモをしなければならなくなった。

日本の農林省は日本の農業破壊、アメリカ小麦の輸入に貢献しアメリカの誉められたのです。

日本侵攻　アメリカの小麦戦略ーーー目次

日本人の胃袋を変えた男たち
　　美智子妃お手植えのバラ
　　小麦のキッシンジャーとキッチンカー
　　小麦が米を食う
　　赤坂のアメリカ小麦連合会
　　キッチンカーの謎
ワシントンの意図
　　”余剰小麦を売り込め
　　アメリカ農務省
　　野ざらしの余剰小麦
　　大統領特使の日本視察団
　　「ＰＬ４８０」の成立
霞ヶ関の思惑
　　”食糧と外貨の一挙両得”
　　首相特命の極秘プロジェクト
　　余剰農産物受け入れ交渉
　　東畑元農林次官の述懐
　　余剰農産物交渉のその後
日本市場開拓の立案
　　オレゴン小麦栽培者連盟
　　二通のマル秘報告書
　　幻の小麦製品「アラー」
　　農協には注意せよ！
小麦キャンペーン始まる
　　大阪国際見本市の成功
　　キッチンカーの出陣式
　　元厚生省課長の自賛
　　まずパン屋を育てよ！
　　学校給食の農村普及事業
　　ハンフリーも絶賛
ハードな販売作戦への転換
　　駐日代表の辞任
　　二代目ハード作戦
　　人脈を作れ！
　　テレに番組も提供
　　日米の"相互利益”
粉食大合唱の中で勝利宣言
　　”米を食べるとバカになる”
　　総資本の選択
　　１億ブッシェルのダルマ
いまアメリカ小麦は
　　オレゴンのパイオニア農民
　　次は中国市場だ！
　　バウム氏との再開
　　食管の危機

アメリカの対日小麦戦輸出開拓事業に関する文書資料
あとがき