あなたも社楽人!

社楽の会の運営者によるブログです。社会科に関する情報などを発信します。

セックス:ジェンダー二分法【フェミニズムとジェンダートラブル #9】

2024-03-25 06:10:37 | 哲学の窓

セックス:ジェンダー二分法【フェミニズムとジェンダートラブル #9】

*1 ジェンダー・トラブル p19 「これまでのフェミニズムの理論では、女を十全に適切に表象する言語をつくりだすことが、女を政治的に可視化するのに必要な方策だと思われていた。(中略)だがフェミニズムの理論と政治の関係をこのように考える風潮は、最近では、フェミニズムの言説の内部から問題視されるようになってきた。女という主体そのものが、もはや安定した永続的なものとは考えられなくなってきたからだ。「主体」ははたして究極的に表象されるもの、いや究極的に解放されるものとして存在するのかどうか、疑問を持つような材料が数多くあらわれてきた。」 *2 ジェンダー・トラブル p.27 「アイデンティティの連帯をつくるために、単一な「女」というカテゴリーが何の疑問もなく引き合いに出されるが、ひとたびセックスとジェンダーを区別しようとすると、とたんにフェミニズムの主体には亀裂が走ってしまう。そもそもセックスとジェンダーの区別は<生物学は宿命だ>という公式を論破するために持ち出されたものであり、セックスの方は生物学的で人為操作が不可能だが、ジェンダーの方は文化の構築物だという理解を、助長するものである。」 *3 ジェンダー・トラブル p28 「セックスの不変性に疑問を投げかけるとすれば、おそらく、「セックス」と呼ばれるこの構築物こそ、ジェンダーと同様に、社会的に構築されたものである。実際おそらくセックスは、つねにすでにジェンダーなのだ。そしてその結果として、セックスとジェンダーの区別は、結局、区別などではないということになる。」 □参考文献 ジェンダー・トラブル 新装版 ―フェミニズムとアイデンティティの攪乱 https://amzn.to/3T8XCaw 現代思想 2019年3月臨時増刊号 総特集◎ジュディス・バトラー https://amzn.to/3ZyuFHn ジュディス・バトラー 生と哲学を賭けた闘い https://amzn.to/3YBowsB


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。