すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

狩野永徳の唐獅子

2009-10-05 22:26:03 | Weblog
午後に時間あり、上野の国立博物館へ皇室名宝展を見に行った。安土桃山時代の狩野永徳筆の唐獅子の存在感に圧倒される。絵自体は写真や画集などで何度も見たが、巨大な屏風にところ狭しと描かれたダイナミックな筆運びは、日本画の範疇を超える感じがする。戦国時代の人々の感性というものはこういうものだったのだろう。
円山応挙のユーモアな表情のトラはテレビの「何でも鑑定団」などでしょっちゅうでてきて、応挙の軸の偽物と比較されているが、本物はトラの産毛みたいな部分まで精密な筆使いで描いてあって、「こりゃ本物と偽物との差は、すぐわかるわ」と納得。伊藤若冲の絵も沢山あって、献上品ということらしい。若冲の絵は以前はそれほど知られたわけではないが、最近ではブームに近い人気だと思う。しかし、彼の代表作がここまでそろっているということは、当時から高い評価を得ていたということなのだろう。工芸品は高度な技巧をこれでもかこれでもかと見せつけるものが多いが、その中でも高村光雲の矮鶏の置物のようにむくの木の中から生み出した鶏がまるで、生きているような暖かさを感じさせられるものもある。久しぶりに目の保養になった。
しかし、夕刻にアフリカ支援の友人とNGOの将来について意見交換。現実に引き戻された。